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18禁がいかがわしいというのはおかしい

2010-12-19 07:13:04 | 社会
都のマンガ表現の規制条例が成立しました。多少TVでも報道されているようです。この条例は性犯罪を賛美するような表現をしてるマンガを子供が買える売り場から除くというもの(若干意訳)ですから,マンガでの表現自体を禁止するのではなく,そういうマンガを大人向けの書棚で売りなさい…ということになります。

ちなみに,この条例に反対する人達が石原都知事の過去の作品の性表現をパロディにしようとか言ってるようですが,相手は洒落がわかるような相手ではない気がするので,止めておいた方がいいんでは?と思ったりもします。

先日書いたとおり,わたしの懸念の一つは過去の作品はどうなるの?ということですが,今日ネットで見かけた話では,例えば火の鳥の様な名作は,そういうシーンがあっても名作だから規制対象にならないとのことです。なんじゃそりゃ?,と思ったのは,名作だからOKというのであれば,名作であるかどうかは,誰が決めるのか?ってこと。それを行政に決められるのであれば,さすがにたまらんなぁと思います。多分都知事の表現も名作だから,良いという論理なんでしょうね:-p(あれはマンガではありませんが)。

さて,物差しを誰が持つのか?というのは大きな懸念なんですが,ゾーンニングが果たして悪いことのか?というと,わたしはそうとも思いません。子供を持つ身としては子どもにみせたくないものは,マンガに限らずあります。子供を箱に入れて育ててもいつかは社会に出るのだから,見せて自分で考えさせてという意見もありますが,それはある程度大きくなってからで,小学生に大人が楽しんだり考えさせられる内容を見せられても,自分で考えられるわけ無いし,混乱するだけでしょう。そういう社会規範というものは,社会と自己の区別がつき始める中学くらいから,適切に教育を伴って,考えさせるべきものだと思います。

ただ,おかしいな…と思うのは,子供が見るべきではないという表現がイコール「いかがわしい」という風にとらえるという風潮があることです。実際規制に反対の意見の中にも,成人向けと指定されると,人前でそのマンガを読みにくい,お店で買いにくい,店も扱いにくいとされるという懸念があるみたいです。

確かにわたしも「成人向け」とか「18禁」というと,いかがわしいとか,下劣という印象を受けることは否定できません。ただ,上に書いたとおり,子供に見せるべきではないという表現はいかがわしいからではなく,問題が難しいからです。そう考えると,18禁が恥ずかしいコンテンツという風潮自体がおかしいような気もします。映画やゲームには「R指定」という便利な言葉がありますが,どうも「R18」と書くと「18禁」よりもいかがわしさが減るような気がします(笑)。

実際にわたしは成人向けのゲームやマンガの中にも,すばらしい作品を観た事があります。ただ,本屋で18禁のコーナーに行くと,かなり買うのに躊躇するような本が多いのも事実です。ゾーンニングが必要といいながら,実際は乱暴な二分割しかゾーンが存在せず,かつ,その一方が極めていかがわしいというイメージがあるという現実は,つまり,その乱暴な線引きに行政が無理やり表現を押し込むということになります。

最初に名作は規制されないという話を書きましたが,名作でも子供に見せるべきではない作品はあります。ただ,それをいかがわしい作品に押し込めるべきじゃないというのであれば,そのゾーンのイメージをまず変えていくことを先にすべきでは無いか?という気がします。つまり表現を分けるのであれば,まずは分ける先を作るべきだということです。
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