カウンセラー高木裕樹ココだけの話

『自分を好きになる本』(PHP研究所)の著者が語るプライベートセミナー

「こころの反応と対応シリーズ2」

2011-05-08 | 魅力ある人間関係の処方箋
「こころの反応と対応について②」

現代社会の特徴の中に、「効率や能率のよさを第1」としたり、

「仕事を最優先」とするようなところがあります。
ばりばりのビジネスマンのAさんがカウンセリングにこられました。

カウンセリングの内容は、「自分自身の感情のコントロールがうまくいかない」と言う事でした。

職場で要求されるのは、私的な感情を持ち出すことなくクールな対応でした。

何があっても動揺することなく問題解決することが、ビジネスマンとして有能な明であるからです。

上司からの仕事の指示を出された時に、「何でわたしに頼むのだろう。

他にも人がいるのに」「面倒だなぁ~」「あんな言い方をしなくてもいいのに」という

反応をしてしまったのでは、ビジネスマンとして仕事にならないと思っているので、

できるかぎり感情にとらわれることなく仕事をしていますが、

どうも感情がおさまりきれない自分を責めてしまい、落ち込んでしまっているようでした。

「対応」と「反応」についてですが、職場ではできるかぎり私的な感情を持ち出さず、

どんな時も動揺することなく問題解決することができるように「対応」することが求められる中で、

相手の言ったことに「反応」してしまっている自分に気づくことが何よりも大切です。

だれでも、頭では良き対応をしようと思いつつも、つい反応してしまうものです。

感情にとらわれないようにと思えば思うほど、とらわれてしまうので私的な感情を切り捨てて

「仕事」をしてしまい、自分の心に起きている本音の感情を抑え込んでしまって感情を悪者扱いとし

「反応」をしてしまうのです。

効率が求められる社会の中で何よりも大切にされることは、

仕事をテキパキとこなしていくことによって効率を高めることだからです。

ですから、感情は、仕事を妨げ効率を低下させる悪者扱いされるので、

「仕事に感情を持ち込むな」とビジネスの現場では当たり前のようになっているのです。

しかし、人間にとって大切なものは「感情」と言われています。

その感情をいかに「対応」するかによって人間的成長をすることができ、

その結果、仕事の成果もついてくるのです。

そのためには、3つのステップで、感情に対応していくことです。

第1は、今まで抑え込んできた本音の感情を知ることです。

人から何か言われた時に、反応している感情があります。

その感情を知ることです。例えば、上司からの指示で「これやってくれ!」といわれた時に、

「腹立たしい気持ちになった」という感情を知ることです。

「腹立たしい気持ち」が悪いことではないのです。

第2は、その感情を大切に扱うことです。

そんな気持ちを今までは切り捨ててしまってきたからです。

切り捨てることなく大切に扱うことです。人は大切にされると嬉しい気持ちになります。

第3は、その感情と向き合うことです。つまり、自分の感情を客観的にみることです。

そのことを、精神科医の高橋和巳先生は、「こころを離れて」と表現しています。

主観的に感情を見ていると、冷静に自分の感情と向き合うことができないことがありますが、

自分から離れてみることによって「今時分がこんな完感情を持っている」

「どうして、こんな気持ちになったのかな?」

「きっと上司の言い方が上からものの言い方に抵抗を感じている」

「それは、親子関係の中で父親的なものの言い方とダブってついて抵抗したくなる自分がいる」

と気づきが深まっていくのです。気づくことにより、「反応から対応」できるようになれます。


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