カウンセラー高木裕樹ココだけの話

『自分を好きになる本』(PHP研究所)の著者が語るプライベートセミナー

「感情のコントロールシリーズ5 ~感情を選択するための5ポイント~②」

2011-03-30 | 魅力ある人間関係の処方箋
「感情のコントロール シリーズ5「感情を選択するための5ポイント②」

感情を選択するための第2ポイントは、「今を生きる」ことです。

「今、この時のこの私の気持ちを大切にすること」です。

過去にあった出来事が今でも引きずり,その出来事により感情は変えることはできないと思い込んでいることはないでしょうか?

その当時の出来事が、与えた影響は変えることはできません。

しかし、大切なことは、感情は「選択」できるからです。

過去に起きた出来事に対する後悔であり、失望したり、傷ついたりという経験を誰でもしています。

トラウマの日本の権威者の西澤悟先生は、「過去ショッキングな出来事に出会って、

こころが傷ついたことはそう簡単に忘れることはできません」と言われました。

過去を出来事を引きずり、感情を整理しようとしてもなかなかできないことがあるようです。

それは当然のことです。例えば、自転車で転んでしまった時に足をけがしました。

その時、足がすりむけて血が出ました。その傷がかさぶたになって治るまでは時間を必要とします。

それ以上に、こころが傷ついた時には、回復まで時間がかかります。

カウンセリングに来られたAさんは、ある会合に参加した際に、

本人が信頼している
Mさんから直接「君はみんなに嫌われている」と言われ、傷つき落ち込みました、と言われました。

わたしはカウンセラーとして、話を聴かせていただき、

「それは信頼されて方から、そのようなことを言われたら落ち込むのは当然でしょう」と言うとホッとした感じでしたが、

今回の出来事はかなりショックで今は何も考えられません。

「いつもどんなことがあっても大丈夫!すべては最善のためにある」とは聞いていても、このような出来事に遭遇すると、

そう考えたり、思うことができないと言うAさんの今の本音の気持ちを大切にされたらいかがでしょうか?」と言うと、

「ありがとうございます」。Aさんの気持ちに寄り添うようにしました。

人間は辛い出来事であり、悲しい出来事に出会いショックを受けると、

その出来事を何度も何度も、繰り返し、繰り返し話しことにより回復に向かいます。

そのためには、気持ちを受け止めて、こころから聴いてもらう聞き手が必要です。

そのうちに過去の出来事に終止符を打つことができ、現在のことに集中することができます。

「過去は過去として割り切って、現在を生きる何事も選ぶのはあなたです。



「感情のコントロールシリーズ5 ~感情を選択するための5ポイント~」

2011-03-29 | 魅力ある人間関係の処方箋
「感情のコントロール シリーズ5「感情を選択するための5ポイント①」

感情を選択するための第1ポイントは、「自分の感情と受け入れる」ことです。

Aさんは胃ガンのため手術をすることになりました。こころは死に対する思いで一杯でした。

「男なんだから怖がることはない」と思ってもいざ手術が近づいてくるとどうしょうもない恐怖に襲われるのです。

あまりの恐怖心で葛藤しているご主人を心配した奥様は、担当医の先生に会って相談したところ、

今まで胃ガンの手術を受けて生存している人がたくさんいることを聞いて安心しました。

なお、その生存しているBさんをご紹介しますので、

ご主人がそのBさんと会って話をしてみたらよいのではといってくれたそうです。

さっそく、そのBさんと会うことになりました。

Bさんに「怖いんですか」と聞かれたAさんは、「そうですね、少し不安なんです」と答えました。

Bさんは、「そうですか?ぼくは、あまりの恐ろしさに気が狂いそうでしたよ」と言うと、

Aさんは「本当は、わたしも恐ろしくてたまらないんです」「それは当然でしょう」「怖くないはずがありません」

そんな会話が続いていくうちにすっかり自分の中になる「恐怖心」を認めることができていたのです。

そのように、いったん恐怖心を認めてしまうと、不安はあるにしてもこころは落ち着いた気持ちになります。

Aさんは、自分の心にある「恐れであり不安」という感情を認めることができないばかりか、

処理することすら出来ませんでした。しかし、そんな葛藤の中にありましたが、

同じところを通ったBさんと話をして「共感」「共有」「共存」とこころをお互いに分かち合うことによって

「恐怖心であり、不安なこころ」をを受け入れることが出来たことにより、

新たな感情の選択をすることができたのです。つまり、自分の心におきている感情を「どう感じてもOK」として、

事実を受け入れてることによって、「ありのままの自分も受け入れる」ことができます。

自己受容こそが新たな選択の第1歩です。


「感情のコントロールシリーズ4」

2011-03-25 | 魅力ある人間関係の処方箋
「感情のコントロール シリーズ4「感情に大切な考え方」

ある方が自転車に乗っていましたが、車にはねられた。と言う話を聞いたときに、

大方ははねられた方に対する同情を感じ、車の運転手に対して怒りを感じる人もいます。

また、運転手に同情し、車にはねられた人に対して怒りを感じる人もいることでしょう。

同じ事を聞いても、まったく感じ方が違うのです。

カウンセリングセミナーの中で、「少女が笑っていると言う場面をイメージしてみてください」といって

目を閉じてしばらくイメージしてもらいます。

そうすると、「3歳くらいの女の子が草原でブランコ乗りながらニコニコ笑っている」とか、

「白いワンピースを着て、麦わら帽子の女の子が友達と楽しそうに遊びながら笑っている」とか、

「アルプスの少女ハイジのようにニコニコしている」などと同じイメージをする人いますが、

大半の人々は、ひとり一人まったく違うイメージをしています。

感じ方であり、イメージはすべて「考え方」に影響を与えています。

感情は考え方や「信念」から生まれます。

つまり、過去のあった楽しいシーンと楽しくない場面をイメージすると、

楽しい場面を思い描くと快適な感情が生まれ、楽しくない場面を思い描くと不快な感情が生まれるのです。

つまり、感情は考え方の選択によって決まります。

たとえば、相手を喜ばせなければならないと考える人は、それがうまくいかないと不安や罪悪感を感じたり、

自分や相手に怒りを感じてしまうことでしょう。

相手を喜ばせることが自分の人生の生きがいなっているからです。

ですから、相手が喜ばないと、「せっかく、わたしがしたのに喜ばなかった。

あんたことをしなければ良かった」と言うように後悔します。

私がしたことが相手のためにならなかった。自分がダメ人間というところまで発展してしまうからです。

論理療法の創始者であり、心理学者のアルバート・エリス博士はこのような思考は「不合理な信念」の表れと言っています。

この信念は現実にはありえない不合理な考えだからです。

いつでもすべての人を喜ばせることができる人はいないからです。

相手が喜ばないからといって「自分はダメ人間」と決め付けることはないのです。

カウンセリングに来られる方々はこのように無意識のうちに「不合理な信念」であり、

「不合理な思考」によって人間関係にさまざまな問題が引き起こされているのです。

どうしても「相手を喜ばすべき」「相手を喜ばさなければならない」という「べき」「~しなければならない」という、

「べき思考」が、不快な感情を生み出すもととなっています。

このように、不合理な考えは幼児期の体験からきています。

子どもの頃は自分で選択し判断することができない中で両親であり養育者が大きく影響しています。

高い基準をもっている両親に必死に合わせようと努力します。

何事も完全にしようと言う要求がそこにありそこの要求にこたえようとすることにより、完璧主義が身についてしまうのです。

しかし、このように幼児期に自分が選んだとしても、新たに選択しなおすことができるのです。

その秘訣は次回にお伝えさせていただきます。(つづく・・・・・)

試練がもたらす奇跡~摂食障害からの解放のはじまり~

2011-03-23 | 魅力ある人間関係の処方箋
  ~試練がもたらす奇跡~

この度は、東日本大震災で多くの方々が被災され、家を失い、またご家族、友人、知人を失った方々もおられ、

各地での避難生活を続けておられる方々も多くいらっしゃいます。

なお、安否が不明の方々もいらっしゃることを思うとこころが痛み、胸が締めつけられる思いでいっぱいです。

この米沢にも東北各地より、多く被災者の方々を受け入れ、米沢市営体育館で避難生活をされている方々、

市内の方々のところに身を寄せている方、アパートを借りて生活をはじめておられる方々にとって、

何が最も必要とされていることは、「こころのケア」です。

福島の原発問題で、恐れと不安のただ中にある方々の話をこころから耳を傾けて聞かせていただいております。

かかわりを持たせていただいているひとりの女性を紹介させていただきます。

彼女は、今年の1月に埼玉より米沢に移住して来て、ひとり暮らしをはじめました。

彼女は長年の摂食障害という苦しみをかかえながら、どこに行ってもこころが休まるところがなく、

こころの安らぎを求めて、この米沢にやって来ました。ひとりでの生活がはじまり、

今まで人生で体験したことのない大地震に遭遇し、多く気づきが与えられました。

その気づきを通して得たことを自分と同じ摂食障害の方々へお伝えしたいとメッセージをいただきました。

そのメッセージを紹介させていただきます。


「東北・関東の摂食障害の皆様へ」

今、わたしが皆さんに一番伝えたいことは

「ひとりじゃないよ!わたしも同じだよ!大丈夫だよ!」と言うことです。

わたしは震災の日、山形県米沢市のマンションの12階にいましたが、

すごく激しい揺れで、今までに感じたことのない恐怖を体験しました。

無我夢中で安全な場所に逃げることはできたものの、次々と起こる余震や原発の問題に怯えながら今も過ごしています。

今回、特に街から食料があっという間になくなっていく様子は、摂食障害のわたしにとって一番不安だったことかもしれません。

今まで太ることが怖くてカロリーなどを気にして食べたことのないようなものがわずかにあるだけで本当に困惑しました。

この震災を通して、カロリーがどうの、太ることがどうのといっている場合ではなく、あるものを食べなければ、

イザという時に動くことができないという窮地に立たされて、はじめていのちを守るために食べた気がします。

そして、いままでにこれほどありがたく感謝して食べたことははじめてでした。

でも震災があったからといって摂食障害が治るはずもなく、食べた後に後悔と恐怖にとても苦しみました。

こんな事態の時にいのちがあり、食べるものが与えられているだけでもありがたいことなのに、

「太ることが怖い」「食べることが怖い」と考えている自分は同省もなくわがままで情けない人間のように思えました。

テレビに映し出される被災地の悲惨な現状を見ているだけで涙があふれ、でも何もできないばかりか、

こんな時でさえ摂食障害に振り回されている自分に腹が立ってたまりませんでした。

でも、「こんな今のわたしでも、何ができることはないでろうか?」と必死に考えた末、

この震災で摂食障害の私でなければ感じられなかったことを言葉にして、同じように感じている皆さんと共感し、

ともに支え合いながら乗り越えていくことはできるかもしれないと思いこのメッセージを書くことにしました。

この状況の中で、それぞれの人がいろんなことに耐え、頑張っていると思います。

今まで「食」に頼ることでナとかこころのバランスを保ってきた私や摂食障害の皆さんにとって、

この事態は大変なことです。過食嘔吐、下剤など摂食障害ならではの悩み、

怖さを誰にも言えずたった一人で頑張っている人がいたら「一人じゃないよ!一緒に考えよう!一緒にかんばろう!」と

いうことをわたしは、是非伝えたいと思っている。

誰だってひとりだと思うと不安でたまらなくなります。

でも、今のあなたのことをわかってくれる人は必ずいます。

どうか必ずいのちだけは守って下さい。

太っていても、やせていても、今は摂食障害でも、どんな自分であってもいのちがあれば必ず光は見えてきます。

今は、大変なことが沢山あるかもしれませんが、どのような試練も必ず意味があり、宝になるとわたしは信じています。

私自身、この震災がなければできなかっただろうと思うことや、考え直したことが沢山あります。

食べられることのありがたさ、いのちを守るために食べるということ、どれほど文明に頼っていたのか、

本当の豊かさとは何なのか?

すべてのものに感謝する気持ち・・・沢山の見失っていたものに気づくことができました。

これらはきっと、これからのわたしの土台になったはずです。

皆さんと一緒にわたしも頑張ります!

マザーテレサは

「大きなことは、わたちたちにはできません。わたしたちにできることは、小さなことを大きな愛をもってすることです。」

と言われました。

わたしたちが、今おかれているところで、今できることをさせていただきましょう。


【東北関東大震災のご支援】と【ブログ再開】のお知らせ

2011-03-21 | 魅力ある人間関係の処方箋
 

 皆様 大変ご無沙汰しておりました!木裕樹です!



 この度は、東北関東大震災にて多くの方々のいのちが奪われ、多くいの方々が被災し、今なお避難生活を送られる姿を

 目の当たりにする時に胸が締め付けられ、こころが痛みます。
 

 何よりも、被災に会われた方々は、「苦しみと、悲しみと、痛み」を抱えながら生きています。

 わたしのかかわりあるクライエント方々も岩手、仙台、福島に多くの方々が降ります。

 毎日電話、メールなどによる連絡を取りながら安否を確認、

 被災にあって家を失い、家族を失った人々への物資支援と、こころのケアに連日全力投球させていただいております。

 ひとりでも多くの方々の不安であり、恐れから解放されて、生きていくことができるように助けになるための支援を

 続けていきたく思っております。

 
 今回の震災支援の為に、「Heart to Heartプロジェクト」を立ち上げて、こころに不安であり、痛みを覚えている

 人々の心のケアと生活支援、物資支援のために義援金を募らせていただきます。

 どうぞ皆様もご支援何卒よろしくお願いいたします。


 ご協力いただけます方は、お手数おかけしますが、下記の口座に振り込みお願いいたします。


 郵便振替 口座番号 00980-3-263755 木裕樹


 ご協力いただきました方に、「自分を好きになる本(PHP研究所出版)」木裕樹著の本に

 あなた様のお名前をサインして郵送させていただきます。




 ★「ブログ見てるよ!」「癒されました!」「為になりました」という、みなさまのあたたかいおこころに支えられまた、
 

  このブログも続けさせていただいております。


  長い間、お休みさせていただきが、この度、再スタートさせていただきます!

 
  今後は、少しでもみなさまのこころの処方箋となるためのコラムのアップに努めてまいりますので


  引き続きよろしくご支援お願いいたします。



  この度、3月11日(金)午後2時46分 東北関東大震災に山形県の米沢で遭遇しました。

 
  ミーテングが終わり、次の打ち合わせの為に移動しカフェに着いたとたんの震度7強の揺れがありました。

  
  カフェの中は騒然としていました。

  
  イザと言う時に、常日頃の自分がそれぞれの行動に現れていました。


  あわてて外に出る人、固まる人、テーブルの下に隠れる人、呆然と立ち尽くす人など様々でした。

 
  わたしはそんな状況の中で、「どんな時も大丈夫!」と平然として注文したコーヒーを待ってました。

 
  しかし、いっこうに揺れが収まる様子もなく、揺れが激しさをまして来ました。

 
  わたしは、コーヒーを注文したカウンターにしがみつくようにして何とかたっているのが精一杯でした。

 
  店の店員の方々も慌てふためいていました。そんな店員さんに「大丈夫!間もなく揺れはおさまるでしょう!」

  
  と言っていましたが、これは自分に安心を得るために言葉であったことに気づかされました。

 
  こんな時に、外に出ても危険、中にいても危険、何が最善か?ととっさに考え行動することが大切です。

  
  日頃から、そのように、とっさの出来事に対して対応することの積み重ねのように思いました。

 
  何が最善かは、「その時、その場所、その状況」によってわかりませんが、どんな時も最善を求めて生きたいものです。


 ★次回は、摂食障害の一人の女性がこの度の震災を通して、たくさんの見失っていたものに気づいてことをアップさせて

  いただきます。  


 
 
 

「感情のコントロールシリーズ3-②」

2011-03-21 | 魅力ある人間関係の処方箋
「感情に大切な考え方②」

論理療法の創始者であり、心理学者のアルバート・エリス博士はこのような思考は

「不合理な信念」の表れと言っています。

この信念は現実にはありえない不合理な考えだからです。 いつでもすべての人を

喜ばせることができる人はいないからです。

相手が喜ばないからといって「自分はダメ人間」と決め付けることはないのです。

カウンセリングに来られる方々はこのように無意識のうちに「不合理な信念」であり

「不合理な思考」によって人間関係にさまざまな問題が引き起こされているのです。

どうしても「相手を喜ばすべき」「相手を喜ばさなければならない」という「べき」「~しなければならない」という

「べき思考」が、不快な感情を生み出すもととなっています。

このように、不合理な考えは幼児期の体験からきています。子どもの頃は自分で選択し判断することができない中で

両親であり養育者が大きく影響しています。

高い基準をもっている両親に必死に合わせようと努力します。

何事も完全にしようと言う要求がそこにありそこの要求にこたえようとすることにより、完璧主義が身についてしまうのです。

しかし、このように幼児期に自分が選んだとしても、新たに選択しなおすことができるのです。

その秘訣は次回にお伝えさせていただきます。(完)