Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ヘイト&ソウル

2018年01月28日 | 映画など

キャスリン・ビグロー監督「デトロイト」を見る。

1967年に起きたデトロイト暴動のさなか、

警官による黒人への暴行殺人事件の詳細を、

この監督ならではのハードなタッチで描く。

法と秩序を守るはずの警官が、人権を無視し、

ヘイト感極まる暴力を繰り広げる。

なんともしんどい2時間半なのだけど、

見ておかなければいけない映画だと思う。

 

 

メディアなどで取り上げられるヘイトデモなどを見ていると、

自分たちとは違う者たちへの憎悪が、これほどまでに強いのかと

愕然とすることがある。異質の者たちへの侮蔑と差別。

それが暴力に発展したのが、この映画で描かれている事件だ。

 

レイシストの警官役の俳優(ウィル・ポールター)がとても上手いのだけど、

差別意識と権力が合わさると、人間というものは

とてつもなく横暴な存在になるのだなと思う。

これはアメリカだけの問題ではなく、

日本に住む自分たちにも、いろんな意味を突きつけてくる。

 

被害者の一人の黒人少年が

のちにモータウンで成功するコーラスグループのメンバーで、

少なくない場面で歌われる楽曲の素晴らしさ。

やりきれない思いが募るこの映画のなかで、

唯一の救いになっているような気がする。

 

キャスリン・ビグロー監督は

ハードで切れのいい演出に定評があって、

この人がかつて撮っていた娯楽アクション映画が好きだった。

「ハートブルー」とか「ストレンジデイズ」とか面白いんだ、これが。

でも「ハートロッカ−」でオスカーを獲って、

大きく社会派アクションに舵を切ったことでブレイク。

これはこれでアリだし、今後もこの路線で

どんどんスリリングな題材に挑んでもらいたい。

 

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