無事で何より~梅ちよ日記

人生は別れと出会いの繰り返し。
巡り来る季節に感謝しつつ、日々のあれこれを書き留めます。

断捨離のはずが

2017-08-17 21:51:57 | 日記
毎年、誕生日が過ぎてひとつ歳を重ねるたび、身辺整理をとタンスを開けるのですが、結局また元に戻しという繰り返しでした。
さすがに今年は色々あって、何とかしなくちゃと思い立ち、手始めに亡き姑が残した古いブリキ(?)の衣装函を開けてみることに。
姑様が自身の身の回りの小物とか普段着を入れて、季節が変わるたびちょこちょこ出し入れしていたのを思い出す。
大正元年生まれの彼女は、和裁が得意だったこともあり、70代くらいまで年中着物で通していました。
なので、亡くなったときタンスの中の着物は、大切に手入れされていましたが、十分着尽くされた感ありしみなどありで、状態の良いもの、思い入れのあるものは娘二人と嫁二人が一着ずつ形見分けとして頂き、あとは全て業者さんに引き取ってもらいました。
ブリキ缶のは、浴衣やら手拭やら手紙類やらがごちゃごちゃ入っていて、そのうち処分しようとそのまま放置してあったのです。

今回開けてみると、女学校の卒業証書、祖父(舅)の弓?の免状?夫の小学校の時の工作の賞状と卒業証書‥‥。これらに交じって、浴衣と普段見覚えのある着物が何着か出てきました。
情けないことに着物無知なので、これがどのくらいのものなのかわからず説明できませんが、改めて付属の残り布の証紙を見てみると、大島紬、結城紬、○○紬‥‥。袷も単衣も正絹100%つむぎ、紬。
ちょうどNHKの「ブラタモリ」で、奄美大島の特産大島紬の魅力を伝えていました。独特の色と文様の成り立ちを知り日本人の技術力と美意識に感動しました。

姑の着物はあんなに高価な豪華なものでなく、仕立て直ししながら補修しながら何年も着こんだ様子がうかがえます。
羽織ってみると、軽くて暖かくてスッとからだに馴染んで動きやすい。みな50年以上経ったものなのに古臭さが感じられない。どころか、ますますからだに馴染んでいつまでも着ていたくなる。
写真の着物は紬ではなく単衣の夏用の絽か紗(?)で、花が透かし織り(?)のように織り込んであり、その部分に銀が塗られていたようですが(酷い説明ですね、すみません)今はすっかりはげ落ちていました。盛夏の外出用としてつくったようですが、あまり着る機会がなかったのでしょう、どこも痛んでませんでした。
  



これ、着てみたい!と思いました。
長襦袢は自分用に揃えた「夏用喪服セット」についていたものを引っ張り出して、帯締め帯揚げは手持ちの中から選んで。
帯は夏用など持っていませんし新品の名古屋帯を買う余裕はありません。思いついて、ヤフオクを覗いてみることにしました。

あるわあるわ、着物から帯、小物に至るまで常時数十万点が写真付きで出ています。
(実は今年の夏このヤフオクにハマってしまってひと夏過ごしました)
数万点の中から選んだのがこれ。実物は写真で見るよりずいぶん古臭かったのですが、そのぶん締めやすく着物ともよくなじんでお買い得でした。

   



毎年8月の始め、実家のお寺で「盆施餓鬼」の行事があり、そこへこの着物姿で行きました。
車を運転するときだけスニーカーに履き替え。車内もお寺も冷房がよく効いていますので着物でも苦になりません。
帯締め、帯揚げ、喪服セットは実家の母が揃えてくれたもの。着物は姑。それぞれゆかりの品を身に着けてお詣りすれば、亡き方々へのご供養にもなると思います。
この日の参列者の中で着物姿は私一人。殆どジジババ世代にもかかわらず、です。
皆さんの世代なら、着物の1~2着は持っておいでのはず。タンスの中に眠らせておくのはもったいないです。
クリップを使っての帯結びなど、便利な着つけ用品がたくさん出ていますので、そういったアイデア商品を利用しつつ、わかりやすい着付けの動画も参考にして、思い切って着物を着て出かけましょう。断捨離する前に。

ということで、今年もまた元に戻しただけになりました。



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
着物と断捨離と終活 (そうたのはは)
2017-08-21 07:47:38
梅ちよさん、ご無沙汰しております。
見逃げばかりでしたが、着物というアンテナが立ちまして。
私の実家には年代モノの着物がありませんから、羨ましいです。
最近、自分で 夏休みを利用して 着物で 服などを作って 楽しんだり 構想を考えては苦しんだりしています。
今の場所に来て、だいぶ片付けましたが、あとひと頑張り?まだまだ、身軽にならないと 息子に迷惑かけるので。
着物の着心地、デザインなど 本当に癒されます。
年に何回か・・・ (閑おじ)
2017-08-21 10:42:36
着物を着ます。
以前はお茶を習っていたので、月に何回か着ていました。
今は正座が出来ないので、お茶会にも、立礼以外は洋服になりました。

歌舞伎を観に行く時は、天気にもよりますが、なるべく和服にしています。歌舞伎座は男の人でも何人か和服姿が見られます。
この着物、あと何回着られるのだろう?と思いながら選んで少し無理してでも着ています。
ちょっと待て (梅ちよ)
2017-08-21 15:50:57
そうたのはは様
はは様、お懐かしゅう~!
こちらこそ、見逃げで失礼しています。
>身軽にならないと息子に迷惑・・
そう思って毎年チャレンジするんですけど‥‥。
着物の他に、姑の嫁入り布団までまだあって‥‥。さすがにこれは今年中になんとかするつもりですけど。
でも、ヤフオク見てて気が付いたんですけど、最近の着物は生地はもちろん仕立てまでアチラ製というのが結構あります。全部日本製となると高くて手が届かない。
してみると、姑世代の着物は純国産で、それだけでも価値があるような気がしてなかなか捨てられない。はは様や、く〇ちゃん様みたいにリメイクの腕とセンスがあれば、素敵に活き還らせることができるのでしょうけど、姑が一針一針縫ったものだと思うと、むげに解いてしまうのも気が引ける。じゃあ普段着ればいいのだけど、結城紬などは、染料が古いのか色やけしてさすがにちょっと着られない。ざらっとして柄も地味。充分着たようだし、秋には思い切って処分するつもりです。

断捨離はともかく、終活は早すぎるよ、ははさん。30年早いよ。

閑おじ様
和服は奥が深いですね。知れば知るほど果てしなく、こだわればこだわるほど際限がない。最高の道楽ですね。東京なら着る機会も沢山あるし、選ぶ楽しみがあるし。
着慣れた着物をちょいと崩して、ふらり歌舞伎座へ、なぁんてこと昨今の若者には絶対無理ですね。歳を経た今こそしっくりくることだと思います。
M猫様ブログ等でおじ様の歌舞伎観劇の話題が出ますが、その折、どの様な出で立ちで出掛けられたのか、一言書き添えていただくと勉強になります。着物、帯の色、羽織り‥‥等。ご夫婦揃ってのお出かけなら奥様のほうもぜひ教えていただけませんか。お願いします。

着物屋さんに。 (そうたのはは)
2017-08-26 22:00:47
着物のリメイクなら、くりちゃんに。
処分するなら、メル◯リも良いけど、着物屋さんに出すのも ありかな?と勝手に思いました。
着て 出かけるチャンスがあれば、羨ましいです。
先日 偶然 みつけた (きものリサイクル ながもち屋 )っていうお店は、本当に 綺麗な状態の着物ばかりありました。
また 行くつもりで、テンションMAXでーす。
メル〇リ知らない (梅ちよ)
2017-08-27 11:25:04
そうたのはは様
ハマりますねぇ、きものリサイクルショップ。
絹100%の素敵な色の帯が、Tシャツくらいのお値段で買えたりするんです。
もっぱら眺めるだけですけど、古典的な柄からモダンなもの、遊び心いっぱいのものなどなど、よくぞ次から次へと考えるものだと感心します。
織とか染とかの説明文も勉強になります。

ネットショップは大掛かりな店が多く、どこも似たり寄ったりですが、「いいな」と思う品はだいたい同じような店であることが多いです。
お気に入りの店を見つけたときは、やった!って気分になりますね。
でも、くれぐれも「目の保養」に留めておかないと、のちのちエラいことになるからね。我慢、我慢。
姑さんの着物は、食べ物のシミなんかがあちこちあって、とても引き取ってもらえるような状態ではないと思ふ。地味な色柄で、リメイクも無理じゃないかしらん。(私の発想が貧困なだけ?)
裾を端折って風呂掃除したり、庭木の剪定まで着物姿でしていましたから。
もちろん (そうたのはは)
2017-09-01 00:15:49
目の保養で充分です。
今のお給料では、無理ですし、終活と断捨離している意味がなくなってしまいますから。
だけど、服も 半端なく高いから、買えないです。
体型と身長、今の私の老け具合を考えると、安い着物生地で服を作るのが、1番安いかも?です。
梅ちよさんに、お財布の心配までして頂きまして、感謝、感謝!
自戒を込めて‥‥です。 (梅ちよ)
2017-09-01 11:16:17
そうたのはは様
ここだけの話。
今年の夏、前述の如く軽い気持ちで「ヤ〇オク」を覗き、その魔力にすっかりハマってしまいました。居ながらにして何万点にも及ぶ見た目に美しい着物や帯が、クリック一つで見られ、気に入れば簡単に手に入るのです。それも1000円、2000円という値段から。たまたま希望通りの帯を落札したのがきっかけで、毎日チェックするようになり‥‥、ふと気が付くと、タンスに帯が数点と着物が一着増えていました。
それでも奇麗な着物を眺めたりするのは楽しいし、希少とか逸品とか書いてあると、ついクリックしてしまいます。オークションなので、始めは1000円スタートでも人気の品だと次々と値が上がり、十数倍になることも。
だけど、支払い手続き等全てPC上で済んでしまいますので、財布が痛む実感がありません。
品物が届いてようやく気付くのです。
「何やってんだ、私」と。

いい歳こいてお恥ずかしい、バカなおババの今年の夏の体験談でした。

でもでも、着物は大好きです。洋服と違って、体型を気にしなくていいし、アクセサリーとか考えんでいいし、歳をとっても楽しめる。
むしろ若い時よりこれからが着物を着るのに適しているんじゃないかと感じます。








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