風薫海航空翔

カゼカオル・ウミワタル・ソラカケル Presented by 柊(syu)

旅シテル瞬間

2006-09-09 11:25:35 | 旅たびたび
          

(つづく)とか書いてて、なかなか更新できなかった反省。

松島で汗ダラダラ流して(とにかく暑かった!!)、東北本線の松島駅へ戻る。次の電車まで1時間待ち
ローカルな土地へ行けば行くほど、「次の電車1時間後」なんて当たり前。乗り換えとか接続なのに、「次は1時間後」なんて当然の世界。そしてそこには、その1時間を難なく待てる自分がいる。東京で「1時間待ち」なんて耐えられないのに、なんでか旅先ではイライラすることもなく待てるのだ、不思議。

誰もいないホームのベンチにザック下ろして、お茶を飲んで一服
日陰のホームにいると、汗がスーッとひいていく。秋の気配を漂わせた真っ青な空が広がっている。裏の林からうるさいぐらいの蝉時雨。線路の間に生えた夏草。時々流れこんでくるヒンヤリした風…。

今回の旅で、イチバン「旅してる!!」と心から感じたのがこの「ホームでの待ち時間」。今自分は旅人やなぁ~、とシミジミ思ってしまう。何だか景色の一部に溶けてしまいたい感覚になる
北海道をMTBで旅していたときも、似たような感覚に襲われたことがある。富良野のライダーハウスを目指して、夕暮れの国道をMTBで走っていたときのこと。自分とMTBのながーい影法師が、どこまでも併走してくれて。山の向こうに沈んだ夕日が稜線のシルエットを浮かび上がらせていた。夏の夕方の涼しげな風がTシャツの中を通り抜けていく…。「あ~、この景色に溶けたい」と涙が出そうになった。

観光地へ行ったり、美味しいもの食べたり、宿で旅人たちと盛り上がったり。それはみんな楽しいことなんだけれど。でもイチバン「旅シテル」と思えるのは、心からその景色に溶けたいと願う瞬間


そんな幸せな時間を過ごしていると、1時間なんてアッという間。可愛らしい東北本線の下りがやってきた。本日のお宿・花巻目指して乗り込む
東北の電車はものすご~くクーラーの効きがいい。自分が乗った時間帯はお客さんが少ない、というのもあるかもしれないけど、ホントの理由は『自動扉ではないこと』なんだと予想する。
寒さ厳しい地方特有の車両構成らしいが、列車の乗り降りのときにお客さんは自分で扉横のボタンを押して開閉させるシステムになっているのだ。真冬に乗降客もいないのに毎度扉が開いてたら、そりゃー辛いもんだろう。雪国ならではのシステム。初めてこれを見た数年前にはビックリ仰天したぞ。「い、いつ押したらいいのかな??ホームについてすぐ??押しそこなったら降りれないかも??」とビクビクしたもんだ
おかげで乗降客のない駅では扉は開かない。なもんで、車内の温度が下がる頻度が少ないのだー。「持ってきて良かった」と長袖シャツを着て、一路花巻へ。

(つづく)