もやしもんとゴスロリ女~見えないパンチに怯える夜~

2009-11-09 18:31:29 | 不毛
かつて「もやしもん~ビールからエロスへ~」でもやしもんとの出会いについて簡単に言及したが、ここでは特にゴスロリ女関連について述べていきたい(イメージを固めて読みたい方は先に「ゴスロリキッス」と「ゴスロリ女同人倍増計画」をご覧ください。なお、以下で使用している画像の著作権は全て講談社に属します)。



その時の俺は、まるで木村と戦う間柴のようだった…(cf.『はじめの一歩』32巻)

出会いの時こそ、ビールの話を読んで興味をもったが、いざ単行本を読み始めると人間関係やキャラのエロさに注目するようになった(前掲「ビールとエロス」)。最初は長谷川のエロさに魅了され、武藤が加わって破壊力が倍増するかと思われたが、結局期待ほどではないとわかり、第三巻でいったん読むのをやめようと考えた。つまり、「長谷川はエロいが武藤や及川は大したことねーな」と距離を計りながら余裕をかましていたわけだ(つまり優や宏岡もノーダメージ)。


昔の自分なら、おそらくここで見切りをつけてただろう。しかし経験から培った諦めの悪さで、もう少し先を読んで結論を出そうと決心。とはいえ新品を買う気は全く起きず、近くのブックオフをハシゴしてたら、最初に見つけたのが五巻。少し迷ったが、これ以上手間をかけるのも面倒なのでそのまま購入。んで、家に帰ったら冒頭でゴスロリ女の正体が明かされていてビビったわけ(金城優を3巻で出したのは伏線なのか?)。そこで(ネタとして)興味を取り戻し、四巻を求めて再びさすらいの旅に出発。今度は割とすぐに見つけることができた(確か椎名町にあるレンタルショップ兼古本屋だった)。


購入してまず気になったのは、すっぴん長谷川のエロさとかわいさ(なぜこっちの長谷川が同人にネタに使われないのかと小一時間…)だが、そんなものは前座にすぎない。衝撃は66Pで訪れた。正体を見破った直保にゴスロリ女の不意打ちが炸裂ってえええええええええ!!!?


いやあの、いくら武藤―及川事件があるとは言っても、コンナテンカイは予想デキナカッタヨ。思いがけぬ再会にビビるどころか、こんなイベントを用意していたとは……後半は沢木の能力がなくなる一つの山場だったこともあり、その日だけで2~3回読み返すこととなった(ちなみに、よほどの事がなければ同じ本を複数回読むことはありません)。


さて月曜となり、切り替えて仕事に向かったものの、もやしもんの事が…いや四巻の内容がどうにも頭から離れない(仕事場であのシーンが脳内再生された時はさすがに焦ったw)。なるだけ考えないようにしたがほとんど効果はなく、次の日には駅のホームで生々しい妄想に浸るまでに到り、さすがにヤバいと自覚。妄想の内容そのものもあるが、リフレーンを生み出す精神状態を先に何とかしなければならない。というわけで、状況を整理するためまず欲望を形にしようと強引に記した1月20日付のメモ…「結城に押し倒され、抵抗しようと思っても抗えない状態で○○コ舐められたい。×首を舐められたい」。


いやはや、我ながらこれはすごいなw
しかも、二次元のキャラにここまで具体的な情欲を感じたのって初めてじゃないかしらん。なにせ「押し倒されて」という受け身な部分も含めて、はっきりと映像化されていたからねえ(まあエロ漫画などは最初から書かれてるんでそもそも妄想する必要がないって話もありますがw)。まあこんな具合であまりに欲望が生々しく、かつゴスロリ女が男であるために考えないようにしたんだろう(おそらく読者諸兄は同性愛への嫌悪などを連想するだろうし、自分もそれを考えたが、おそらくそれは間違っている。ここで当時のメモが非常に重要な意味を持つのだがそれは後述)。普通はクリーンヒットを浴びまくってイクとこまでイき、かえって冷静になるんだが(ex.「メガネの軌道」)、急所をガードでガッチリ固めているためそんなカタルシスもなく、さりとて強烈な一撃で足を止められているので距離を取ることもできない。そんなわけで、意識の吹っ飛ぶような一撃は食らわないものの、隙間をぬうボディ攻撃にさらされ続けジリ貧状態…気がつけば、4巻だけは十数回も読むという異常事態になっていた。


いや、そもそもなぜ我慢するのか?
その方がよっぽど興味深いぜ。それに、かつて隻眼の師匠は言ったではないか。「目をそらしていて勝てるのか?」と。まさにその通りだ。さあ、今までのように俺を気が済むまで嬲るがいい。もっと痛みをくれ!もっと、もっとだ!!濁流に飲まれて心身が削り取られていった先に、たおやかな彫像の如き真実が現れるのだろうよwそんなわけで比較作業を開始した(その成果は「キャラの魅力と人物配置」にも反映)。


1st.round VS金城優
褐色ショートなのに無反応(前述)だったこと、女装前の結城と同じビジュアルであることから最初に確認作業を行った。しかし、7巻のディズニー帰り姿にわずかな反応を示すことを除けばやはり全くノーダメージ。


2nd.round  VSマリー
フランス編でゴスロリ女の不在を埋めるかのように現れた通称「白ゴス」。自分の金髪好きも考慮すればゴスロリ女以上にハマり込んでもおかしくないが、信じられないくらい無反応だった。それはもう泣いてるシーンや「ノーン」と言ってるシーンはちょっとかわいい、とかわざわざ発掘しなきゃならないくらいに。おそらく原因は、ゴスロリ女と違って白と黒のコントラストがうまく機能していないことによると思われる(もしかすると目や唇をアクセントにしようとしたのかもしれないが、実際には浮いてしまっている)。少なくとも、二の腕鎖骨の露出だけで興奮できる(笑)ほどの破壊力はありません。


3rd.round VSゴスロリ女
金城優=結城の女性化バージョン、マリー=ゴスロリ女の色違いへの反応を見極めることで、外堀は埋まった。そこで次に、全てのゴスロリ女に同じ反応をするのかを確認する段階に移行した…とこのように書くと、読者の中にはいかにも形式主義的な確認作業と映るかもしれない。しかしこれは、ある経験(実感)と疑問に基づいているのである。そもそも、最初にもやしもんを雑誌で立ち読みした時は武藤とハナ、ゴスロリ女が登場していたのだが、「何で酒屋にこんな場違いな格好したねーちゃんがいるんだ?」くらいにしか思わなかった(強いて言えば、ハナが「ぱに○に」の宮子に似てると思った程度)。しかも、3巻の最後の方でゴスロリ女が出てきた時、即座に反応したわけでもなかったのだ(前に見たなあ、くらいの感覚)。

とすれば、なぜ四巻を見てこれほどゴスロリ女にハマり込んだのだろうか?五巻を見て正体が男だとわかったから?確かにこれはありえる話だ。男なのにこんなカワイイなんて…と衝撃を受けるとともに、その衝撃からハマり込もうとするのを「いや男だからダメだろ」と抑圧する。そして抑圧するがゆえにかえって欲望がリフレーンするといった具合だ。この予想が正しいかを確認するには、5巻~7巻のゴスロリ女にも同じような反応を示すか試してみたらいい…以上のような理由でゴスロリ女だけを対象とした比較作業を開始したわけである。

結論から言ってしまえば、予想は間違っていた。
確かに、5~7巻で見られるゴスロリ女もかわいらしいとは思う。しかし、あの4巻の、何度も見返さずにはいられないほどのゾクゾクするエロさ・魅力はまるで感じられないのだ。なぜこのような違いが生まれるのか?図像を見比べ考察してみた。



  

 



 

最初の画像は第三巻だが、率直な感想は「キモい」。おそらく、目の描き方が四巻以降と違い中央の黒点が印象付けられるため、かわいらしさよりイッてる風に見えるからだと推測される。次の三点が四巻のものだが、これを後の画像(二枚が五巻、その次が六巻、その次の二枚が七巻)と比べてみた時、後者ではがパッチリしているのに対し、前者では横長になっていることが指摘できる(その関連で言うと、四巻のゴスロリ女は妖艶な目を持つ栗山千明を連想させる)。そして両者の違いがそこにした見出せない以上、これこそが四巻にのみ特異な反応を示す原因であると考えられるのである(とはいえ、同じ四巻でも目が大きめに書かれている場合はエロさより違和感が先行するし、また口紅が描かれていないシーンではかわいらしいとは思うものの妖艶さは感じないなど、反応が全て統一されているわけではないことには注意する必要がある)。


このような比較対照を通して、自分が強い反応を示すのが四巻のゴスロリ女だけだとわかった。つまり、恐れていたものの多くは幻影に過ぎず、ただ見えないパンチに怯えていただけなのだ。そうとわかれば、たとえ武神の技だろうと恐るるに足りない。つ~かま~えたっ!っとようやく渋川モード発動♪


さて、次は四巻のゴスロリ女を中心に、それへの肉…もとい欲望を否定した理由を考えていくことにしよう。

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