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氷見 くまなし千本椿

2017-09-13 13:07:29 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 国道415号を西へ進み、石川県との県境に位置する熊無地区にやってきました。


 道路脇の斜面を彩る早咲き桜の優しさが心に染みます。


 「くまなし千本椿」の看板を目にして、車をおりてツバキを探す足元に、ショウジョウバカマが剽軽な表情を見せていました。


 熊無は、氷見市街よりも春の歩みが緩やかな様子です。

 

 

 

 「くまなし千本椿」の看板が立つ細い道を進んでゆくと、民家の庭へと入ってゆきます。

 

 どうやら、この道ではなさそうです。 


 千本椿は清水谷西面にあると資料に記されているので、丘陵へ登る道を探しましたが、人影の無い集落で、民家の敷地に迷い込めば、あらぬ疑いを掛けられかねません。


 道を尋ねようと、数軒のお宅の呼び鈴を押しましたが、全ての家がお留守でした。


 舗装された道へ戻り、道筋のお宅のチャイムを押すと、うら若い女性が出て来られたので、わけを話し、「くまなし千本椿」への道をお尋ねました。


 すると、「母が知ってるはずですから」と隣へ案内され、再びお母様に同じことをお尋ねしました。


 お母様は、ツバキはお父さんが詳しいから聞いてあげる、とおっしゃて、お父様に携帯電話を掛け、繋がった電話を私に手渡されたのです。


 携帯を受け取った私は、東京から来て、氷見に椿を訪ね歩いているので「くまなし千本椿」へのルートを教えて頂きたい旨を伝えました。


 しかし、どうも話がちぐはぐなのです。


 私は一瞬頭を混乱させましたが、むむむ! もしかしてお父様は丸山さんご本人でしょうか! 


 携帯電話をお母様にお返ししながら、もしかして、丸山様のお宅なのでしょうか? と聞きつつ、表札を確認すると「丸山志郎」の文字が目に飛び込んできました。


 ああ~あ! 何たることでしょう、迂闊にも私は、丸山さんの御嬢様のお宅の呼び鈴を押していたのです。


 結局私は、丸山さんの奥様とお嬢様に「くまなし千本椿」へご案内を頂くことになりました。


 最初に確認した、民家の庭に入っていくように見えた先へ進み、片側急斜面の尾根を登ってゆきます。




 奥様もお嬢様も、今まで登って来たことはないと仰っていました。

 



 私は山登りをしますので、この程度の道はどうということもないのですが、確かに女性が気軽に登って来る場所ではないかもしれません。


 10分弱も登った辺りに、くまなし千本椿の解説が掲げられていました。


 「標高150m前後、通称「清水谷(しょうだん)」の西側斜面にヤブツバキが2000本以上群生し、自然のままのヤブツバキ林では県内最大級。


 推定樹齢250年以上の木も数本確認されている。


 熊無では昭和30年代まで炭焼きが行われ、良質な木炭の材料として伐採され、戦前はツバキ油を得るのに利用されてきた。


 この貴重な自然遺産を「日本一のヤブツバキの里氷見」を代表とする拠点として保護し、訪れる人々を楽しませてくれることを念願する。」


 と記されていました。

 



 この掲示板が設置されたのは、平成17年(2005年)頃のことだったようです。


 丸山さんをはじめとする氷見ツバキ愛好会の方達は、清水谷の急斜面で、ツバキ古木の幹回りなどを計測し、ツバキ2000本の植生調査を行ったのだと思います。


 郷土愛に裏打ちされた熱意に頭が下がる思いが致しました。



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