6時50分 和田小屋の登山口で登山計画書を記載して、雨霧に遮られて視界の殆ど利かない苗場山祓川コースへの登山道を歩き始めました。
すると、登山道を塞ぐように雪の塊が姿を表しました。
まさか、この季節に、この程度の標高で雪を見るとは思ってもいませんでした。
驚くと同時に、気温が低い証拠なので、そのつもりで行動しなければいけないと、意識を改めます。
ブナの中に道が続いています。
自分の足の調子を確かめるように、ゆっくりとしたペースで登って行きます。
そんな道の脇でツマトリソウが雨霧に濡れていました。
登山道には頻繁に、位置を知らせる表示が施されています。
御蔭様で、このペースでこれだけ登れたと、心理的にも随分と楽です。
視界が開けると、谷の向こう側にダケカンバの大きな木が並んでいました。
これだけの大きさのダケカンバを見るのは久しぶりです。
北海道大雪山旭岳スキー場の、雪の斜面で見たダケカンバを想い出しました。
ダケカンバは雪山の記憶に重なります。
足元に目をやると、小さなギンリョウソウが頭をもたげていました。
つい最近も大岳山の登山道で見かけましたが、こんな風に生まれてくるのですね。
沢を流れる水音を背に、藪の中から鶯の声が聞こえてきます。
登山道の横にコバイケイソウが姿を見せました。
この花が現れれば、高山植物の世界へ足を踏み入れたことになります。
イワカガミがピンクの可愛い花を咲かせていました。地面に広げた葉がつやつやと輝いています。
イワハゼが赤い茎の先に小さなベルのような花を付けています。赤褐色の苞(ほう)が白い花の白さを引き立たせていました。
ピンクのイワカガミ 小さな白花のイワハゼ
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