今回の旅で最も期待していたのが「スコットランドの荒野で野に咲く花を見る」ことでした。
しかし、スコットランドの荒野は全て、と思える程、人々が牧畜に利用していますので、北海道オホーツク海沿岸の原生花園のように、多彩な草花に出会えることはありませんでした。
少なくとも車でアプローチできる場所ではそうでした。
湖水地方のあんな山奥でも羊が遊んでいましたし、スノードン山の麓では牧羊のための石壁が延々と築かれていましたので、おいそれとは手付かずの自然に出会えないのかもしれません。
車が小さな丘を回り込むと、目の前に静かな入江が広がっていました。
タンの浦(kyle of Tongue)のようです。
入江の出口に見えるのが兎島でしょう、この辺では鯨やカワウソの姿も見られるそうです。
駐車スペースに、周辺(コールドバッキー;Coldbackie)の様子を説明した掲示がありました。
その内容は、
「コールドバッキー(Coldbackie)は魅力的な場所です。干潮時の浅瀬で難波船の残骸や滝などを見られるかもしれません。ブランディー(Blandy)には素晴らしい粉を引くことで有名だった水車小屋の跡があります。村の赤い電話ボックスの脇の道を、標高307mのウオッチヒルに登れば、古城跡に出ます。その頂きでは3月にムラサキユキノシタ(purple saxifrage)が岩の割れ目を飾り、夏にはヌマラン(nothern marsh orchid)、ヒースラン(heath spotted orchid)、ニオイラン(fragrant orchid)などが咲き、秋や冬にはオジロワシの姿を見ることが出来るかもしれません」
そうなんですね。
やっぱり、車で走り抜けた程度では、野の花には出会えないようです。
しかも、季節を狙って来る必要もありそうです。
道は小高い場所に上がってきました。
見下ろせば、入江に浅瀬が伸びて、その先に橋が掛かっています。
あの橋を渡って行くのでしょう。
渚の横に下りてきました。
海岸を海藻が被っています。 海は多彩な生物を育んでいる様に見えます。
対岸に聳えているのは、クランスタッキー(Cranstackie 802m)や ベイン・スピオネィー(Beinn Spionnaidh 773m)といった山々のようです。
瀬を渡るとき、穏やかなタンの浦に、白い雲が浮かんでいました。
カメラのズームを効かせて、対岸の山を撮影してみました。
なかなかに見応えある山容が目の前に聳えていました。
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