イギリス本土はジョン・オグローツ(John O'Groats)から緯度と平行して、海岸線が西へ続きます。
私はその海岸線に沿い、イギリス本土、ブリテン島の北西端へ向かいました。
海を見下ろす入江の縁に、民家がポツンと一軒建っていました。
白い洗濯物が風にそよぐ光景に、日々の平穏な暮らしを伺い知ることができます。
遥か前方に、島影ような山稜が見えてきました。
荒涼とした大地の真ん中に、強い意思を誇るかのように、一軒の民家が見えていました。
道は大地の起伏を縫って西へ走ります。
そんな景色の中に咲くハリエニシダは寂しげです。
道に沿って伸びる電線が人の気配を感じさせ、丘の麓へ伸びる脇道が人の営みを想わせます。
たまに、羊を見かけますが、その数は数える程です。
この辺に目立つ緑はシダの類でした。
数時間前に見てきた、ウイック周辺の牛遊ぶ草原に比べ、明らかに地味に差がありそうです。
ベティーヒル・ビューポイント(Bettyhill Viewpoint)という展望台を目にして、車を停め、西の空の山脈を見渡しました。
解説板で、最も高い山はベン・ホープ(Ben Hope)山 927mです。
独立峰なので、実際の高さよりも高く見えます。
距離感が惑わされます。
何だか蜃気楼でも見ているような錯覚を覚えました。
その先へ進むと、
川が流れ込む入江に、風を避けて建つ、数軒の民家を見かけました。
家々の周囲には木立も見えます。
走り進む風景の中に小さな湖面が現れ、そのような場所ではハリエニシダが生き生きとした花を咲かせていました。
時々対向車と出合いますが、待避スペースで譲り合う程の道幅になっていました。
前方に対向車を見かけるとパッシング・プレースに待機して譲り合います。
相手が先に待避して、その場所でライトをパッシングして「待ってるよ」の合図をくれることもあります。
すれ違う時はお互いに手を挙げて、挨拶を交わします。 ほのぼのとした田舎道の光景です。
点在する湖の周囲に羊の姿を見かけますので、全てが牧羊地に利用されているのでしょうか。
光景としてはオホーツク海沿岸の原生花園にも似ていますが、目にする植物の種類は限られていました。
時に、セイヨウミヤコグサのような黄色い花を見かけましたが、場所は限定されていました。
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