モアブからステートハイウエーS191を30分程走って、いよいよインターステートハイウエーIS70に入りました。
この道はアメリカ大陸を横断して、ワシントンDCまで続いています。
セントルイスまでは一本道です。
対抗車線との分離帯の幅が100メートル以上はあります。
見渡す限りの原野に人口的な構造物は道路しかありません。
この道路を設計した人は楽だったでしょうね。
ところで、上の写真の所々に白い汚れがあるのにお気づきでしょうか?
これは走行中、フロントガラスにぶつかった虫の残骸です。
この頃になると、車の前面は虫の残骸で、フロントガラスやボディーは酷いことになっていました。
IS70は原野の中に緩く曲線を描きながら丘陵地帯へ入り、小さな峠を越えました。
遠くに見える山はロッキー山脈でしょう。
頂が白く輝いていました。
東の空に広がる雲が、真正面からの太陽の逆光線を妨げてくれました。
申し分のない、快適なドライブです。
ハイウエーの両側にはコヨーテが走りそうな荒野が広がっていました。
西部劇の時代には、こんな荒野に牛を追って暮らしていたのでしょうか?
ハイウエーは幾度もなだらかな丘を越えて、地平の彼方へと連なっていました。
何度も似たような写真で申し訳ありません。
しかし、私はこのような、「何もない曠野に、道が地平線に向かって伸びる」といった景色が好きなのです。
しかも「地平線の手前で道がちょこっと曲がっている」などというシチュエーションは最高です。
何かの物語が始まりそうな気さえしてきます。
ほらね、峠の頂にトラックが現れました。
自分で書いていても「何がほらね」なのかは、はっきりはしませんが。
峠を越えた辺りから、僅かではありますが緑が目に入るようになってきました。
峠を下り始めてから、ハイウエーは緩やかに弧を描き、
ス~と下っては、ポンと上がりなどしながら、
やがて、川に沿って進み始めました。
帰国後に、この川の名前を確認しますと、
なんと、この川はあのグランドキャニオンを流れる、コロラド川だったのです。
コロラド川もこの辺りでは、島国に暮らす私の目に馴染みのある規模で、川辺に茂る木々も日本で目にするヤナギ科の樹木のように思える風情でした。
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