川沿いに都営高井戸西一丁目アパートが並ぶ横を自転車で走り、やなぎ橋に出ました。
神田川には2つの「柳橋」がありますが、この橋は「やなぎ橋」です。
橋の上から、京王井の頭線の高井戸駅が見えてきました。
あの駅の下を、東京都道311号の環状八号線が通り抜けます。
環状八号線は環八と呼ばれ、東京の主要部を囲むようにはしる幹線道路ですが、環八の内側へ入ると、都心に近づいた感が強まります。
やなぎ橋を過ぎ、その下流のあずま橋を気まぐれに渡ってみました。
右岸を走ると、道の脇にホタルブクロが咲いていました。
ホタルブクロは山野に育つ野草で、子供が袋状の花にホタルを入れて遊んだことが名の由来なので、ホタルが飛び交う場所が似合うイメージがあります。
こんなところでホタルブクロを見るとは意外でしたが、誰か野草好きな方が植えたのかもしれません。
神田川は環八と交差し、その下を潜り、都心部へと流れ下ります。
環八はひっきりなしに車が行き交い、ガードレールが中央部を遮っていました。
南へ100メートル程も離れた場所で信号機を渡りました。
神田川に戻り、音に気づいて見上げた駅に、電車が到着しました。
京王井の頭線の吉祥寺駅からこの辺りまで、川沿いをのんびり歩くのも悪くなさそうです。
環八は佃橋で神田川を渡りますが、佃橋は橋よりは暗渠とでも云うべき代物でした。
川を越える佃橋の上から神田川を眺めると、今まで以上に澄んだ水が、木漏れ陽の中にせせらぎます。
前回のブログで紹介したように、神田川は環八付近で、玉川上水からの水を得ています。
この辺りで水量を増した川は、川本来の姿を取り戻し、清涼感あふれる景色を見せていました。
川沿いの花壇で、タチアオイが桃色の花を揺らし、その横で八重のタチアオイが存在感を示します。
私はこの時、タチアオイに八重花があることを初めて知りました。
そんな花壇に「神田川川辺の路散歩」と記された掲示物が置かれていました。
この時は一瞥し、シャッターを押しただけで通り過ぎましたが、ブログを書くに当たって見直してみると、神田川沿いに旧石器時代から縄文時代にかけての塚山遺跡などが点在するようです。
3万年ほど前から、神田川に水の恵みを求めた古代人が、この辺りに集落を作っていたようです。
桜の花の咲くころ、もう一度この辺りを訪ねたら楽しいだろうなと思います。
花壇に「花咲かせ隊 この花壇は高井戸橋フラワーメッツの皆さんが管理しています」と記されたフレートが添えられていました。
高井戸橋が花に包まれ、スカシユリが初夏の到来を告げています。
そんなエリアで、オブジェのような井戸を目にしました。
高井戸の地名の由来は諸説あって、その一つが、旧村内の小高い場所のお堂の傍から水が湧き出ていて、高いところに出た井戸なので「高井戸」と呼ばれた、という説です。
この井戸はその説を支持するのでしょうか、それともたまたま?
その先で、今日二つ目の里程標を見つけました。
みなもとから4㎞と記されています。
今日中に河口に辿り着くのは、ほぼほぼ無理だな、とこの時思いました。
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