山猫の黄金のどんぐり

日々の生活の中で見つけた、黄金のどんぐり拾っています

アンチとオルタナティブ

2010年11月02日 | 社会

こんばんは。

今日、久しぶりに本格的に外出しました。秋になってますね。吹く風も冷たく、もう冬が近いという雰囲気でした。今年の冬は寒いそうなので、用心しないと。

私が大学生の時のことです。授業が始まる直前の、先生が来られる前のこと。授業に無関係の学生達がドヤドヤと教壇に上がり、社会か大学の問題を憂慮した演説をぶちました。

私はあっけにとられ、どうなることかと思いました。すると間髪を入れず、「僕たちは、勉強をしに大学に入ったんです。邪魔だから、帰ってください。」と、日頃はおとなしいと思われていた友人がきっぱりと言いました。演説をぶった学生達はその気迫に圧倒され、帰って行きました。

大学構内で、ジグザグデモを見たこともあります。何かわけのわからないことを叫びながら、走り回っていました。あれって、人数が少ないと間抜けですね。5、6人しかいなかったので、迫力よりもうら寂しさを感じました。まるで、大人の電車ごっこです。

それを見て、学生運動は旧時代の遺物だなあ、と痛感しました。


茂木健一郎さんのコラムを読みました。

彼は1962年生まれで、学生運動が盛んだった頃に何となく憧れていました。でも、実際に大学に入り、下火になった学生運動に触れると、違和感がありました。

ビートルズが何回も失敗しながら「ノルウェイの森」をレコーディングしている動画を見て、その理由がわかったそうです。

学生運動はアンチだけど、ビートルズはオルタナティブだと。

学生運動は没個性です。運動の中に個人が埋没し、現状に異義申し立てをするだけで、自分達の建設的な意見はなし。ガス抜きをして、終わりです。

反対に、ビートルズはメンバーの一人一人が輝いている。現状打破の音楽を生み出しており、それはアンチよりさらに一段の工夫が必要なものです。そして、いろいろ遊び、人と結ぶことも必要です。茂木さんにとり、それは100倍アンチであることより楽しい。だから、大人になってからは、学生運動に共感できなかったんでしょうね。

「バカの壁」の養老孟司さんは、学生運動に戦前の強権ぶりを感じたと茂木さんに語ったそうです。一つの思想を狂信すると、そうなるんでしょうね。

他人が考えだしたことを鵜呑みにし、それを否定する人間を攻撃する、頭のからっぽの人間がいかに多いことか。

はた迷惑なことです。

ただ、時代背景は頭に入れておかないと片手落ちです。民主教育を受けたあの世代が大学生になったちょうどその頃、日本の社会問題が噴出しました。封建的・閉鎖的な大学とそのスキャンダル。公害問題。ベトナム戦争。

それらに異義申し立てをしたことは、わかるような気がします。

それでも、あの時代に私が大学生だったら、運動に参加しないでしょうね。なにしろ、2人以上の団体行動が不可能な人間ですから。


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