Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

サントリーホール『ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団』 D席2階P席

2006年07月05日 | 音楽
サントリーホール『ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団』D席2階P席

小林研一郎(指揮)/ゾルタン・コチシュ(ピアノ)

音のパワフルさを堪能しました。弦楽器がいかにもスラブ系の哀愁を含んだ深みのある音。金管楽器の音色の美しさと安定度が素晴らしかった。金管楽器に関してはやはり海外オケのほうが良いよなあ。ゾルタン・コチシュ氏のピアノは音が深くて多彩でしたがオケとのバランスはいまひとつ?というよりピアノ協奏曲を聴くには席が悪すぎた(オケ裏席)ような気がする…。

コダーイ『ガランタ舞曲』
リズムが多彩で民族色豊かな曲という感じがしました。細かく刻んで音を聞かせる感じで、管楽器のレベルの高さがよくわかりました。また打楽器の演奏者も上手かった。音が滑らか。弦楽器の深い厚みのある音はいかにもスラブ系という感じで好み。楽しい曲でした。

ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』
大好きな曲で今回の一番の目当てでしたが、席が悪すぎたせいもあるとは思うのですが全体的な音のバランスの悪いこと、悪いこと(涙)。特に第一楽章ではピアノの音がほとんど聴こえてこない…。これはオケの音の作り方がよくないような気がする。パワフルなのはいいんだけど鳴らしすぎ。もう少しピアノを聴かせることも考えて欲しかった。なんというかこの曲に必要な繊細さが足りないような。この日の演奏のなかでは一番まとまりも無かった。

ゾルタン・コチシュ氏のピアノは第二楽章からしっかり聴こえてきましたが非常に音色が多彩で繊細。テクニックもかなりあるし音だしも深い。ちょっと早めの演奏だったかな。小林氏の指揮の煽られたのか、どうなんでしょう?なんとなくもったいない出来でした。とても綺麗な音だしのピアニストなのでリサイタルで聴いてみたいと思いました。

チャイコフスキー『交響曲第4番』
これは文句無く良い演奏でした。パワフルな演奏スタイルにぴったりで聴き応え十分。木管・金管が特に良かった。本当に素晴らしい安定感と美しい音色。そこの弦の厚みのある音が重なっていくのですから、見事というしかありません。音に熱が帯びていく、そんな感じでした。ラフマニノフでバラつきのあったオケとは思えない非常にまとまりのある演奏。にしても小林氏の指揮の激しさにちょっとビックリ。炎の指揮者と言われるだけありますね。

ブラームス『ハンガリー舞曲第1番』『ハンガリー舞曲第5番』
アンコールの『ハンガリー舞曲』はかなり手馴れた演奏。これもかなり激しい演奏でした。とにかく盛り上げてやろうって雰囲気でした。確かに楽しかったかも。

演奏曲:
コダーイ『ガランタ舞曲』
ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』
チャイコフスキー『交響曲第4番』

アンコール曲:
ブラームス『ハンガリー舞曲第1番』
ブラームス『ハンガリー舞曲第5番』