Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

2009年観劇総括

2010年01月05日 | 年間統括
2009年観劇総括

歌舞伎44回、演劇9回、文楽2回、クラシックコンサート4回、トークショー4回、美術館3回、舞踊会1回です。美術館とトークショーを外して計60回。2009年を振り返って簡単に印象に残ったことを。役者の敬称は略。

今年は歌舞伎座さよなら公演ということで期待したんですが役者さんたち個々の熱演は見事でしたが芝居のトータルバランスがどうかな?と思うものも。個人的にはさよなら公演前の2007年、2008年のほうが演目並びや芝居は充実していたという印象です。

<<2009年1月>>
玉三郎『鷺娘』、何度も拝見しているのだけど今回、初めてラストで物悲しさだけでなくどこか解放された雰囲気を感じさせた。個人的に本興行では最後にする気?と思い、それが計らずも当たってしまったのだけど…。そろそろ飽きたと思っていた幸四郎『俊寛』が座組みのまとまりの良さで面白かった。

東京オペラシティ『ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル』
歌舞伎座『新春大歌舞伎 昼の部』
歌舞伎座『新春大歌舞伎 夜の部』

<<2009年2月>>
玉三郎×菊之助の『京鹿子娘二人道成寺』が印象に残ります。特に玉三郎の気迫が凄まじかった。『パイパー』は脚本の荒さのほうが気になりましたが宮沢りえ×松たか子の割り台詞シーンだけはひどく印象に残りました。

シアターコクーン『パイパー』
歌舞伎座『二月大歌舞伎 昼の部』
国立小劇場『二月文楽公演 第三部「女殺油地獄」』
歌舞伎座『二月大歌舞伎 夜の部』
パブリックシアター『MANSAI◎解体新書』野村萬斎×桐竹勘十郎

<<2009年3月>>
『元禄忠臣蔵』の通し狂言が思っていた以上に楽しかったです。『最後の大評定』での大石内蔵助の幸四郎と『御浜御殿綱豊卿』綱豊卿の仁左衛門、助右衛門の染五郎が印象に残ります。

国立大劇場『三月花形歌舞伎公演『新皿屋舗月雨暈』』
歌舞伎座『さよなら公演 三月大歌舞伎』昼の部
歌舞伎座『さよなら公演 三月大歌舞伎』夜の部
歌舞伎座『さよなら公演 三月大歌舞伎』昼の部
赤坂ACTシアター『蜉蝣峠』

<<2009年4月>>
キーシン、最高!大好きなピアニストの一人です。『通し狂言 伽羅先代萩』が八汐と勝元を演じた仁左衛門オンステージの趣だったのが印象。3月に続き仁左衛門絶好調。

歌舞伎座『さよなら公演四月大歌舞伎 夜の部』
歌舞伎座『さよなら公演四月大歌舞伎 昼の部』
サントリーホール『エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル』
歌舞伎座『第三十五回俳優祭』

<<2009年5月>>
文楽『ひらかな盛衰記』の梅ヶ枝(千鳥)と源太のバカップルぶりに唖然とする(笑)。歌舞伎では『於染久松色読販「お染の七役」』が楽しくて楽しくて。『金閣寺』 大膳の吉右衛門がひたすら大きかった。

歌舞伎座『さよなら公演五月大歌舞伎 夜の部』
新橋演舞場『女形の夕べ』
新橋演舞場『五月大歌舞伎 昼の部』
新橋演舞場『五月大歌舞伎 夜の部』
サントリーホール『クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル』
新橋演舞場『五月大歌舞伎 昼の部』
新橋演舞場『五月大歌舞伎 夜の部』
国立小劇場『国立五月文楽公演 第二部』
新国立小劇場『タトゥー』

<<2009年6月>>
6月は『門出祝寿連獅子』に尽きる。金太郎くんの可愛らしさと健気さにやられました。『桜姫 現代劇ver.』の脚本と白井晃のセルゲイと古田新太のココージオが個人的にツボでした。

歌舞伎座『さよなら公演 六月大歌舞伎 夜の部『門出祝寿連獅子』』
歌舞伎座『さよなら公演 六月大歌舞伎 昼の部』
シアターコクーン『桜姫 現代劇ver.』
歌舞伎座『さよなら公演 六月大歌舞伎 夜の部』
シアターコクーン『桜姫 現代劇ver.』

<<2009年7月>>
『桜姫 歌舞伎ver.』の七之助の可憐さが印象。『奴道成寺』の染五郎のおかめパートの愛らしさに驚嘆。

明治大学『染五郎×斎藤孝×田中聡鼎談『傾く技術―三代の継承と日本的コミュニケーション』』
三鷹市公会堂『松竹大歌舞伎 中央コース』
シアターコクーン『桜姫 歌舞伎ver.』
板橋区立文化会館『松竹大歌舞伎 中央コース』

<<2009年8月>>
色々と観た月だったが『メアリー・ブレア展』が一際印象に残る。舞踊会でプロとアマの違いを考えた。

世田谷美術館『メキシコ20世紀絵画展』
東京都現代美術館『メアリー・ブレア展』
歌舞伎座『さよなら公演 納涼大歌舞伎 第一部』
歌舞伎座『さよなら公演 納涼大歌舞伎 第二部』
国立小劇場『あぜくら会特別企画「沙翁文楽×乱歩歌舞伎 新作の競演」』
国立大劇場『松本錦升プロデュース 第九回 松鸚會』 
日本橋公会堂ホール『第二回 趣向の華』
歌舞伎座『さよなら公演 納涼大歌舞伎 第三部』

<<2009年9月>>
幸四郎×吉右衛門対決『勧進帳』が強烈。出来に波があったらしいが、私が拝見した日は凄まじい集中力での芝居で引込まれました。『竜馬がゆく 最後の一日』には思い入れ込みで落涙。いつか通して拝見したい芝居です。ミュージカル『ジェーン・エア』でジョン・ケアード氏の演出と出会い、今後も見ていきたい演出家の一人となる。

歌舞伎座『九月大歌舞伎 昼の部』
歌舞伎座『九月大歌舞伎 夜の部』
日生劇場『ジェーン・エア』
国立小劇場『九月文楽公演 第三部』
歌舞伎座『九月大歌舞伎 夜の部』
歌舞伎座『九月大歌舞伎 昼の部』
歌舞伎座『竜馬がゆく 最後の一日』幕見

<<2009年10月>>
『蛮幽鬼』面白かった。劇団☆新幹線はいのうえかずのり×中島かずきコンビあってこそ。『京乱噂鉤爪 ― 人間豹の最期 ―』 は良いも悪いも突っ込みどころ満載で久々に私の妄想癖爆裂。

新橋演舞場『蛮幽鬼』
帝国劇場『レ・ミゼラブル』
国立大劇場『京乱噂鉤爪 ― 人間豹の最期 ―』
国立大劇場『京乱噂鉤爪 ― 人間豹の最期 ―』
サントリーホール『バンベルク交響楽団』
歌舞伎座『十月大歌舞伎 昼の部』『音羽嶽だんまり』幕見
新橋演舞場『蛮幽鬼』
国立大劇場『京乱噂鉤爪 ― 人間豹の最期 ―』

<<2009年11月>>
『仮名手本忠臣蔵』はやっぱり面白い。全通しを大顔合わせでやってくれないかなあ。花形では『盟三五大切』が裏忠臣蔵の部分が明快で面白かった。『盟三五大切』は役者によって随分と印象の変わる芝居だとつくづく思う。

新橋演舞場『十一月花形歌舞伎 昼の部』
新橋演舞場『十一月花形歌舞伎 夜の部』
歌舞伎座『さよなら公演 吉例顔見世大歌舞伎 夜の部』
新橋演舞場『十一月花形歌舞伎 昼の部』

<<2009年12月>>
勘三郎×三津五郎の『身替座禅』が可愛らしくてとても好みでした。『大江戸りびんぐでっど』をとっても楽しめてしまった自分にビックリ。染五郎×七之助カップルが美男美女でお似合いなのでこれからも色々観てみたいな。新作歌舞伎は歌舞伎が現在に生きるためには必要!

歌舞伎座『さよなら公演 十二月大歌舞伎 昼の部』
歌舞伎座『さよなら公演 十二月大歌舞伎 昼の部』
歌舞伎座『さよなら公演 十二月大歌舞伎 夜の部』
国立大劇場『十一月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語』
歌舞伎座『さよなら公演 十二月大歌舞伎 昼の部』
ブリヂストン美術館『テーマ展示「安井曾太郎の肖像画」』