雨にも負けず山歩き♪

青空を見上げながらも、しっかり足もとを見つめて歩く自然観察情報!

奥獅子吼山(928m)

2011年05月22日 | 石川県の山

マンサクが満開 … 奥獅子吼の本格的な春はもう少し先のようだった。
 

              2011/04/24(日)     残雪の奥獅子吼山へ        石川県金沢市


白山比め神社(8:00)→パーク獅子吼登山口(8:30)→月惜峠(9:35)→林道犀鶴線出合(10:40)
→奥獅子吼山頂(12:20~35)→山頂直下(12:35~13:35)→月惜峠(15:30)
→パーク獅子吼登山口(16:15)→パーク獅子吼(16:20~25)→白山比め神社(16:45)


カタクリ の群生には会えず 。。。


奥獅子吼山と言えば、獅子吼高原を含めて今の時期は、何と言ってもカタクリの群生で有名な山域であり、
タイトルは、当初の計画目標でもある 「 奥獅子吼山のカタクリ街道を行く!」 となる予定だったが
当日までの淡い期待は裏切られ、月惜峠経由の登山道で見かけたのは、悲しくも蕾を数輪のみ!
今年は、特に山間部は大雪であった事や、里では桜も散ったと言うのに、まだまだ寒い日が多く
高山植物の開花時期にも2週間程のズレがあるようで、代わりにマンサクやショウジョウバカマが見頃だった。

登り始めて1時間位、月惜峠の避難小屋を過ぎた辺りから雪道となる。
早朝は青空も見えて晴れていたが、峠を過ぎると突風が吹き、雨雲が覆い始めて時々ミゾレも降り出した。

ちょうど一週間前の17日(日)に、下見山行をしたリーダーの話では、夏道に残雪で危険な個所があった為
そこから無理をせずに引き返して来たので、今回も様子を見て、先に行くかどうかは現地判断との事だった。

えっ?危険個所? 奥獅子吼山は始めてだったので、何処がどうなっているのか想像もつかなかったが
危険と判断したのは、月惜峠と林道犀鶴線出合との中間、水場から100m程先の標高700m辺りだ!
右手側が谷になっている為、登山道を覆った雪で足を踏み外すと危ない場所だったが
今日の状態では何とか行けそうです!となって慎重に渡り、そこからは夏道とは関係なく自由な雪上歩きとなる。

谷側のやや雪庇を避けて歩くうちに、少し大回りになってしまい複雑な木の枝潜りの連続もあったが
少し開けて山頂が見えて来た時に若干方向を修正して、めでたく奥獅子吼の山頂を踏む事ができた。

山頂だけ、何故かまぁるく雪が解けて地肌が見えており、休憩用の椅子も設置してあったが
帽子が飛ばされそうな強風と気温の低下で、ここでの昼休憩は無理と判断し
風を避けられそうな場所を求めて、3~4分下った場所で恒例のお鍋、今日はメッタ汁とぜんざい&コーヒー

雪の上に腰を下ろして、寒いのでウィンドブレーカーの上にダウンを羽織ってもまだ寒く、
皆さん、ザックにある服を全部出して、カッパ上下なども着込んでいたが、それでも震えるくらいだった。

それもそのはず途中からパラパラと、今度は細かいアラレが降り出し、予想外の天気に驚かされた!
熱々のメッタ汁にアラレが降りかかり、猫舌の私にはちょうど食べ頃となったが…(^^ゞ

今年挑戦した冬山では一番寒く感じ、掻いた汗が冷えたせいもあるが、指先も凍る程だった。
気温も氷点下になったようで、更に強風の影響で体感温度はかなり低かったのだろう。
運良く視界はハッキリしていたので良かったが、こんな時にガスなどで道を見失うと怖い気がした。

早々に引き揚げ20~30分程下った場所で、若い(単独)女性と遭遇、私達の姿を見て駆け寄って来た!
女性は山頂に達しない地点で道に迷い、既に警察に110番通報済みであるとの話だったので
再度110番に電話をして、ここから同行して、KHCが責任を持ってお連れして下山と言うこととなる。

下山口では、鶴来の警察官がしっかり待ち構えていた為、事情聴取は免れなかった!
こちらの山行人数や、リーダーの住所や電話番号なども聞かれ、やや緊張の時間を過ごす。

女性は地図もコンパスも何も持参せず、登山開始は10時頃で皆の足跡を辿ろうとしたらしかった。
夏の奥獅子吼山には2回登っているので、楽々と思い込んでいたらしいが
夏道は見えず、今日は何処が山頂かも分からず、また下山路も見失ったとの事で110番通報!
警察では、女性の携帯電話からGPS追跡で位置を把握して、探す予定のようだった。
でもそうしているうちに、携帯の電源が乏しくなってきて、とても不安だったと語っていた。

私達は18名の大人数で歩いていたので少々迷ったとしても不安は少ないが、残雪の山一人歩きは感心できない。
特に皆の足跡を辿ると言うのは一見楽そうだが、目的地が見えていない場合、実はとても危険な考え方である。
今日は暖かいのでは?と、予め予想していたお天気だったが、思わず真冬に逆戻りだった事もあり
標高に拘らず、やはり山では 「 大丈夫だろう?」 の判断は決してしないでおこうと、色々考えさせられた。

下山は当初の計画では、林業試験場への分岐から樹木公園に下りる予定だったが、
地図や鉄塔などを目印に皆で探したが分岐が見つからず、安全策として来た道を戻る事となった。
夏道では実際に下りた経験者が何人かいたにも拘らず、雪景色の中で見つける事が出来なかったのだ!
色々あった結果、15時となっていた下山タイムは大幅に ( 1時間半以上 ) 遅れた。
山は早めに出発して、下山予定も早めにするのが鉄則!…今日はこの事を再認識した日でもあった。

遭難の彼女は、後日KHCの全員集会に顔を出されて、当日のお礼と反省の弁を述べられた。
苦い経験をプラスにして行ける方のようで、今後の活躍を見守りたい。。。


獅子吼山麓の朝は青空だった!


 
八重桜が満開の歩道を歩いて、パーク獅子吼内の登山口(右画像)へ。。。


  
カタクリロードには程遠く、早咲き一輪 … 麓でポツポツと咲いていたのは蕾だった。

 
     ショウジョウバカマは今が満開! 通り雨があったのか?滴が可愛い…。


 
ジグザグ道を登り始めて30分、左画像の位置から手取川や鶴来の街、ぼやっと日本海も一望できた!


 
   所々残雪の登山道となり、1時間程で月惜峠に着いた! 月惜小屋(地蔵堂)があり、小屋の中には3体のお地蔵さん
昭和8年のスキー大会で遭難した、3人の中学生を弔うものと書かれていた。


下見で危険だった場所を通過!


 
右手の谷に注意し、足場の不安定な端っこを慎重に歩いてから垂直に登り、その上の広い雪原に出た!


 
自然は時として不思議なものを作る… マンホールのように丸い穴がいくつもあった。


 
道中多く見かけたマンサクは今が旬! 雪になぎ倒されながらも沢山の花を咲かせていた。


 
(左画像)標高720m辺りの広い雪原を自在に歩き、(右画像)やがて林道犀鶴線を通過する!


カモシカさんに出会う!



マンサクやタムシバが咲き乱れる平坦な尾根を30分程歩いていたら、カモシカがこちらをジッと見ていた。



多少アップダウンしながら広い尾根を歩き、後ろを振り向くとゴンドラリフトの山頂駅が見えていた。
雲の流れは早く、真っ黒の雨雲が迫って来ていた。



山頂方面…谷側の雪庇が気になるので、この辺りから右手に迂回した。



迂回路は雪が無かったらとても歩けそうにない、道なき道のヤブコギ…若干奥に入り過ぎて山頂を見失う!



10分程で視界が開けた場所に出たが、やや行き過ぎたようで山頂は左手方向となった。
ここから少し下って、更にヤブコギをして本来の尾根に登る事で、進路の修正が出来た。


山頂までの広い尾根歩き。。。



広い尾根に出て一安心! 山頂は中央辺りだが、奥まっているのでここからは見えない。



谷側の残雪は割れて、小さなクレバス状態となっている部分もあった。


ここだけ雪のない 山頂に到着!



山頂 … 画像では青空も見えて穏やかそうに見えるが、もの凄い強風が吹いていた!


 
ベンチありの山頂と、山頂の三等三角点



奥獅子吼山、山頂からの眺望 … 白山はボンヤリだった。


 
望遠で撮ってみたが、山座同定は難しい (^^ゞ … 右画像の左ピークは高三郎山か?


強風を避け、やや下って昼食!



雪壁の下で、昼食タイムとする。


下山開始!



下山方向と怪しい雨雲



月惜峠まで15分程手前の場所から奥獅子吼山方面…鉄塔が目立つ(多い)山だ!
中央を横切っているのは林道犀鶴線で、予定通りの下山なら、あの右斜面辺りを歩いていたのだろうか?


 
下山後は、優雅に散りゆく桜を見ながら公園を横切る! おっ、あの奥のベンチに座っているのは警察官?
右画像は、日本一の木彫り獅子頭が展示されていると言う、獅子ワールド館 ( 私はまだ見ていないが )


 
歩道の八重桜並木は今が満開で綺麗だった! そして歩道の道端に、キクザキイチゲの群生も…。




コメント (2)
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