里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤブガラシ 旺盛な繫殖力

2017-08-17 | 日記
東松島市上下堤地区の、丘陵地の麓の農道を歩いていると、林際や耕作放棄地に
つる草が濃密に茂っていて、笠形の花序を点々と付けています。
ヤブガラシのようです。カラシが付いていますが辛いわけではなく、「枯らす」方ですね。
漢字表記すると「藪枯らし」となります。
つる性草本で、茎や枝を長く伸ばし、藪を枯らすほどに繁茂するため名付けられたようです。
別名ビンボウカズラ(貧乏蔓)、手入れの悪い貧乏臭い屋敷周りなどに繁殖することから。




                            二枚とも2017.8.11撮影

ヤブガラシは山菜として食べられるようです。
若い芽を摘んで、おひたしで食べるのが代表的な食べ方ですが、アクが強めなので、
塩を落として良く湯がいてから、半日程度水に浸しておいてから食すのだとか。
おひたしの他にも、あえもの、油いため、汁の実、煮びたしなどでいただけるようです。
量が採れますし、独特のぬめりが好まれるようですから、一度試食してみたいものです。


                                2017.8.11撮影

ブドウ科ヤブガラシ属のつる性多年草で、日本全土に分布し、林縁や道路法面、耕作地周辺や
屋敷周りなどに自生する。紐状の根茎は、地下を這い回り、いたるところから芽を出して繁茂する。
蔓は成長が早く、細い巻きひげを四方に伸ばして他物に絡みつき、覆い被さる。
葉は互生し、5枚の小葉からなる鳥足状複葉。小葉は卵形~狭卵形で長さ3~8cm。先端は尖り、
基部は楔形。縁には鋸歯がある。茎と葉柄はやや赤味を帯びる。
葉の向側からは巻きひげが伸び出し、先が何かに触れると巻き付く。
花期は7~8月で、葉と対生して散房状の集散花序が付く。花は薄緑色の4弁花で、雄しべ4本、
雌しべが1本。花は朝開花し、昼前には花弁と雄しべは脱落し、雌しべが中央に立った花盤が残る。
花盤は最初オレンジ色で、次第にピンク色に変わる。
3倍体株は果実を付けないが、2倍体株は球状の液果をつける。
果実は最初薄緑色で、やがて黒色に熟す。


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