虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

30年度春季一軍戦個人レポpart2

2018-06-19 16:39:39 | F
引き続き、二回生の古田です。今回は一軍戦二日目について書かせていただきます。
4回戦 市大戦 vs辻
今回、市大はエースの一角が抜け、戦力の低下が懸念されているところでした。そのためこちらとしては絶対に負けてはならない相手ともいえ、向こうの2大エース以外は取れる当たりにしようと考えました。私は市大の中で3番手くらいと考えられた辻さんに当たりに行って潰しにいこう、という覚悟で2将に布陣し、実際相手のオーダーも素直であったため、お互いの目論見通り(?)私は辻さんとの対戦になりました。
実は辻さんは昨年の一軍戦で相振りになり、中でも珍しい左玉を指されて負けていました。しかし今回、私は昨年よりも棋力が伸び、戦型選択も居飛車ほぼ一本に絞って大きく変わったという自覚があったので、リベンジという形であってもそれを意識せずにとにかく勝つことだけを目指して対局に臨みました。
戦型はこちらの後手番で、先手の矢倉模様の▲77銀に対しこちらの左美濃という形になりました。といっても本譜は先手が囲いを硬めにいくのではなく工夫を凝らして速攻で銀を繰り出してきたため、いわゆるオーソドックスな左美濃とは一味違う形になりました。

図はこちらが攻撃の構えを整えたところ。右辺は見慣れない形になっています。後手の形の意味としては角は目標にされにくい位置、跳ねた桂は銀を止める役割、22の歩は△23銀の含みとどこかの▲34桂の筋の緩和を意図しています。本譜、図から▲75歩と仕掛けてこられましたが、それはこちらも望むところで少々無理気味に感じました。以下△85桂▲68銀△72金▲86歩△65歩▲44飛△同歩▲85歩△66歩と進み、飛車を手持ちにしている分だけ後手が指しやすくなったと思います。

進んで上図からは気持ちよく猛攻を仕掛けました。
△38歩▲同銀△85飛▲87歩△67歩成▲同銀△同飛成▲同金△87飛成▲68飛△78銀▲77金△88龍▲78金△89龍▲79歩△77歩▲62飛成△78歩成▲49金△56桂(下図)

と進めて一気に先手玉が寄り形に。初めに△38歩を入れたのがよく効いていて、先手玉が狭い形です。以下は寄せが少々もたついて先手に粘りを与えてしまいましたが、それでも後手玉が見た目以上に寄らないこともあって快勝することができました。
チームとしても向こうの二大エース以外は全て取って5-2勝ち。エースの一人、下西さんに当たった山本(理)くんも勝ちには至らずとも健闘したようです。また、このチームの勝ちによって市大が京大に勝つことがない限り、チームの4位がほぼ確定しました。
5回戦 近大戦 お休み
この近大戦は個人的な知り合いが多いこともあって前日から対戦相手について色々と考えていたのですが、当日になって残留が濃厚になったことで育成オーダーにしようという提案があり、結局今まで出場していないor勝ち星を挙げていない6人+名和さんという大胆なオーダーになりました。そのため私は外れ、観戦や運営に回っていました。
チームの結果は2-5負け。去年一回生の頃にあまり勝てなかった私に言える資格があるかは分かりませんが、それでももう少し勝ってほしいところですね。2-5負けの結果と大胆なオーダーは他の大学から見ても失礼に思われる可能性もあるので、結果論ですが今の戦力層を鑑みればもう少し勝ち星を計算できるオーダーの方が良かったのかもしれません。
しかしともあれ、3大学が勝星1-4で並びつつも個々の勝数の差で残留を決めることができました。今大会全体を通してみれば阪大・立命戦の3-4負け、チーム戦績1-4での残留という結果には私の入学前から言われている「四位力」が良い意味でも悪い意味でも発揮されたように思います。そして次の秋にA級に上がってくる大学も共に勢いがあり、倒すのには大きな苦労を要することでしょう。
この秋私達がこの「四位力」を打破することができるのか、打破できないのか、それとも打破されてしまうのか。最高の結果が得られるよう、各自力をつけていきましょう。
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30年度春季一軍戦個人レポpart1

2018-06-19 11:34:27 | F
前回速報版を更新した古田です。先程主将も記事を上げていますが、私も個人的な局面などを踏まえた詳細なレポートを2回に分けて記して行こうと思います。長文になると思いますがご容赦ください。
〜0回戦
大会前、オーダー作りに軽く参加し、自分は主に大将の席に座ることが多くなりそうなオーダーとなりました。大抵の場合において両端にはエースこそ各チーム置くことがないものの、チームを支える3〜5番手が多いというイメージがあり、勝負所になりやすい分責任は重いと感じました。そして迎えた大会当日。私
は今回から理事に就任したために慌ただしく準備をしながら緊張を和らげることができました。
1回戦 京大戦 vs吉村
初戦は京大と。正直あまり勝てるという気はしませんでしたが、全く届かないこともないと言い聞かせて臨みました。オーダーは初戦の為運ゲーになりますが、運悪く刺された感じになりました。私は奨励会在籍経験のある(いわゆる元奨)京大の新入生、吉村君との組み合わせに。先手番で得意の角換わりでしたが対策の間に合わなかった早めの6筋位取りをされ、右玉模様に構えました。しかし先手番としては消極的だったように思います。

私の駒組みがイマイチで図では既に自信がない局面になっています。後手の8筋保留が活きていて金を寄っていけば銀が使えず、銀を使えば金が寄れなくなりそうです。本譜は金を寄っていきましたが、案の定銀が使えなくなりはっきり作戦負けに陥りました。

進んだ図では強引にでも▲77銀と使って行くべきでした。以下△85桂▲86銀△54歩▲88角と進めて苦しいながらもまだ楽しみがある局面なように思います。
本譜は図から▲69飛△54歩▲66歩△同歩▲同飛△53角▲65歩△55歩▲同銀△65飛の飛車交換が分かっていても受かりません。以下も長い戦いが続きましたが正確にジリジリ離され、逆転は叶いませんでした。チームも完敗で苦しいスタートになりました。
2回戦 阪大戦 vs武内
次は阪大との勝負の一戦。ここを取れるかどうかは非常に大きく、全国狙いか残留狙いかの大きな分かれ道です。注目のオーダーは思いっきり相手にぶっ刺さり、2将以外全て勝負所といった当たりになりました。
私の相手はまたも新入生で、強いという話を聞いていましたが、詳しい情報はあまり得られていませんでした。戦型は相手の先手番で四間飛車に対しこちらの松尾流穴熊となりました。有名な▲26角と回れる形でしたが、気にする必要のない嫌な順がちらつき▲37角としたために角頭を攻められる形となり、あまり自信のなさそうな展開になりました。

図は1筋を攻められたところ。ここで相手をしていてはつまらない展開になりそうです。本譜△46歩▲36金△47銀▲46金△38銀成▲同飛△36歩と食いついたのが好判断で、ソフト的には先手がまだ若干良いものの人間的には先手も嫌な展開になったと思います。

進んでこの図の▲14歩が当たり前のようでも敗着になりました。対して返し技の△25桂打があり、以下▲同歩△同桂▲27飛△18歩▲同香△17歩▲同香△37銀▲29玉△67馬▲58桂△57馬▲25飛△26桂▲同飛△同銀成▲28銀△27飛▲38金△17飛成▲同銀△同成銀で一手一手となり、勝利を手にしました。
戻って図では▲36銀などと受けに回り▲14歩を楽しみにおいておく方が後手は嫌でした。
チームは勝負どころをいくつか落として3-4での悔しい敗戦に。十分勝てた相手なだけに辛いところですが、切り替えていくしかありません。
3回戦 立命館戦 vs木村(泰)
立命戦は正直初めから勝てると思っていませんでした。チームの雰囲気としてもその風潮があったため若干育成気味のオーダーになりました。しかし実際の当たりとしては勝ち星を狙える当たり方となりました。
私は過去に二軍戦での対局もあった木村(泰)君との対局に。前回は対抗形でしたが、今回はこちらの先手番で角換わり腰掛け銀に組み、対して後手は早繰り銀に構えてきました。

図の端攻めが機敏でペースを握りました。△同歩は▲13歩が目に見えているため非常にやりづらいところです。本譜は手抜いて△86歩▲同歩△同飛▲87金△82飛に▲83歩が当然ながら見落とされていたという手で、これを取れないようでは後手が辛く、先手よしになりました。

大きく進んで図で▲31金と打って勝ちを意識しました。取ると▲23歩成が厳しいので本譜は△24歩でしたがここで▲53桂成で寄せの形ができたため、あとは上さえ押さえてしまえば勝ちという分かりやすい勝ちになりました。実は▲31金はソフト的には悪手でもっとスマートな順もあるようでしたが秒読みの中、上下挟撃という方針を分かりやすくするという意味で記憶に残る手でした。
チームは井上君が金星を挙げるなど勝ちに迫りましたが、あと一歩のところで届かず3-4負けになりました。元々負けると思っていた以上、3-4は望外の結果でもあり、負けたことは仕方がないことですがやはり残念な気持ちは残ります。
このような流れの中で1日目が終了しました。ここで記事も区切って、二日目についてのレポートは次回となります。ご覧いただきありがとうございました。


p.s.他の部員も書いていいんだよ?
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一軍戦振り返り その2

2018-06-19 08:28:44 | ts
まず、変換ミスの訂正から
×立とう→〇妥当 です。すいません。

 今回の一軍戦では、拘った点がありました。それは、選抜の14人に選ばれなかった人の処遇です。近年部員数が増え、級位者も増えました。一軍戦は団体戦なので、彼らのモチベーションが低いとチーム全体の空気が悪くなると考え、「全員参加」を目指しました。具体的に言うと、ボードを買い足して、一人の担当を7局から3.4局に減らし、14人以外全員に毎局偵察に行ってもらいました。そのおかげで、例年より詳細なデータを得ることができました。
 初めての試みで、私が、自分の対局やオーダーで手一杯だったこともあり、途中からM原くんに偵察統括部長として仕事を丸投げしてしまいましたが、任務を完遂してくれてとても助かりました。全局のデータをきちんととれたのも彼のおかげです。M原くんをはじめ、偵察に行っていただいた皆さん、私も経験があるので分かりますが、立ちっぱなしの作業できつかったと思います。ありがとうございました。
 そして、私のオーダーの下で全力を尽くしてくれた皆さん、応援していただいたOBの皆さん、本当にありがとうございました。

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30年度春季一軍戦を終えて

2018-06-19 01:49:32 | ts
 こんにちは、主将の白河原です。今回は一軍戦を振り返りたいと思います。
 まず、結果から言うと4位でした。客観的にみると立とうな所かもしれませんが、個人的には悔しいです。

 1回戦 京都大 1-6負け
 初戦、Y子先輩の弟を出し相手の動揺を狙ったが、京大の厚い壁には敵わず結局エースのN和さんの1勝のみ。厳しい現実を突きつけられる。

 2回戦 大阪大 3-4負け
 今回、最大の山場。Y根さんやS田さんの代からの宿敵。強い先輩方が抜けて差をつけられた印象であったが、今年は去年よりうちの層が厚くなったこともあり(向こうも強い新入生が入ったと情報があったが)、なんとか勝ちたい相手でした。オーダーは、I先輩の助言のおかげもあり、うまく刺さった。しかし、私が途中やや指しやすいと思っていた局を落とし、もう一つ勝てる可能性のある所も落としたため、3-4に。勝ってくれた3人に本当に申し訳ない気持ちになりました。

 3回戦 立命館 3-4負け
 後輩の頑張りにより、貴重な白星(金星)を3つ。予想外でしたが、N和さんが抜けた後の神大将棋部に僅かな希望を感じました。

 4回戦 市立大 5-2勝ち
 私が中盤のミスで形勢を損ね再び戦犯を覚悟しましたが、何とか粘って勝ち、F田くんも宿敵に勝ち、終わってみれば5-2。一安心。

 5回戦 近畿大 2-5負け
 この時点で、3位と6位の可能性は消え、市立大が京都大を破るようなことがなければ2勝で4位と判明。よって、かなり育成重視のオーダーにしましたが、結果かなり失礼なことになってしまいました。4.5.6将の当たりが絶妙に悪く、5敗。とはいえ、もう少し勝ってほしかったです。

 4位は死守したものの、後味の悪い一軍戦となった。これもひとえに私主将の力不足によるものであり深く反省し、部員に謝罪したいです。

 ただ、暗い話ばかりでもなく、2回生が着実に実力をつけてきていることが分かり、1回生も一軍戦の厳しさを痛感したと思うので、次回は4位脱出、関西代表を狙えると信じています。私は、次が最後のつもりで頑張るので皆さんよろしくお願いします。

拙い長文、失礼しました。

 
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平成30年度春季一軍戦結果報告(速報版)

2018-06-18 08:26:18 | F
こんにちは、理事の古田です。今回あまり将棋部のTwitterが機能しなかったため、ここで一軍戦の結果報告(結果のみ)をさせていただきます。なお、詳細な内容については私や他の部員が記事にすると思われます。
1R
神戸ー京都
● 箭子ー細川◯
● 古田ー吉村◯
● 田和ー河合◯
◯ 名和ー藤島●
●山本(理)ー酒向◯
●山本(峻)ー宮越◯
● 井上ー小林◯ 神戸1-6負け
2R
神戸ー大阪
◯ 古田ー武内●
● 布本ー藤井◯
●白河原ー香月◯
● 田和ー百々◯
◯ 名和ー矢野●
●山本理ー水谷◯
◯ 井上ー白井● 神戸3-4負け
3R
神戸ー立命館
◯ 古田ー木村(泰)●
● 徳居ー小林 ◯
● 名和ー阪本 ◯
◯山本理ー藤田 ●
●山本峻ー銭本 ◯
● 北谷ー田淵 ◯
◯ 井上ー木村(孝)● 神戸3-4負け
4R
神戸ー大阪市立
◯ 藤井ー岡 ●
◯ 古田ー辻 ●
◯白河原ー山口●
● 田和ー坂本◯
◯ 名和ー仲村 ●
●山本理ー下西◯
◯ 井上ー仲摩 ● 神戸5-2勝ち
5R
神戸ー近畿
● 布本ー大路◯
● 田和ー井上◯
◯ 名和ー金川●
● 小柳ー塩崎◯
●山本峻ー能登◯
● 北谷ー福井◯
◯ 多紀ー中深● 神戸2-5負け

これらの結果チーム勝敗1-4、勝数14で大阪市立大、近畿大を上回り、4位で残留が決定しました。
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