虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

一軍戦振り返り(1日目)

2021-12-06 09:32:51 | フーミン
どうもどうも、お久しぶりでございます。フーミンです。さて本日は、こないだの一軍戦の自戦記を書いていこうと思います。

時が経つのは早いもので、私も4回生となりました。初めて一軍戦に参加した3年前の春が懐かしいですね。正直なところ、私は一軍戦にはあんまりいい思い出がありません。なぜなら、シンプルに負けてばっかりだからです。何回か対局してきましたが、ほとんど負けてます。チームとして勝てた時は嬉しいし、そういった意味で団体戦は楽しいんですが、やっぱりモヤモヤしますね。ただ、私も自分の実力は分かってるので、「俺は精一杯時間使って粘るから、みんな頑張って勝ってや!」と、開き直っていました。そんな他人任せで気楽な団体戦人生を送ってきた私ですが、ついに今年は、チームのために白星を期待される立場になってしまいました。荷が重いと思いながらも、今回の大会に臨むこととなります。


1回戦 大阪大学戦
相手は現理事長の秋葉君。私も去年まで理事だったので、一緒に仕事をした仲です。
個人戦の本戦に進んだり、一軍戦で白星を稼いだりと、結果を残している強豪でもあります。

将棋は角交換型の相振り飛車で、先手の私は三間飛車、後手は向かい飛車の形になりました。
序盤に突いた▲75歩を負担にするような指し方をされ、紆余曲折の駒組みと仕掛けがあって以下の図。


金を剥がせはしましたが、相手に桂香を渡して反撃が怖い上、攻めのとっかかりが見えにくいです。歩があれば▲75歩打と合わせていくところですが、あいにくの歩切れ。悩んだ末にこの手を指しました。


▲65角。歩がなければ角を使えばいいじゃない、というマリー・アントワネット的思考。国民も反乱を起こすレベルの駒の無駄遣い。とはいえ▲43角成を許してはいけないので、△54桂と銀取りを含みに受けてきますが、構わず▲74角と特攻。△同銀▲同飛△73歩打▲75飛と進みます。相手は△94歩打として95の香取りを受けながら飛車の転回を阻止。
こちらも取られそうな銀を▲55銀とぶつけていきますが、△同銀▲同飛△88角打と反撃を開始されます。
以下▲56飛△65角打▲86飛△84香打▲56銀打△74角▲75歩△96角▲同飛△同香▲55角打△同角成▲同銀△88角打と、大駒が乱舞する展開に。
勢い▲54銀と桂を食いちぎり、△同歩▲53銀と空いた空間にカチコミました。

ただ、冷静に△62銀と受けられ、▲65桂と繋げば△64銀と受けられ、と少し息切れ模様。極め付けは精算してからの▲82金。△51玉と引かれて、全く意味のない駒になってしまいました。

以下はただただ反撃を食らうだけであえなく投了。朝からヘコむ結果となりました。


2回戦 京都大学戦
落ち込む間もなく2回戦がスタート。相手は私と同じ4回生の酒向君。新人戦準優勝、学生名人戦関西地区代表など、輝かしい経歴を持っています。私は新人戦1回戦負けだったり、個人戦予選落ちだったりするので、そんな相手とここで当たるとは、といった心境でした。

将棋は私の先手三間飛車、後手の中飛車の形。居玉のまま後手の金が前進してくる力戦型の展開に。対する私はしっかりと高美濃に組み、相手が△44角と角を世に出してきたのを見て、中央から反発していきました。

図から以下△同歩▲同銀△33桂▲58飛△55歩と収めてきますが、ここで▲45歩が狙いの切り返し。

角を逃げるのは▲65歩、△同金は▲同銀△同桂▲46歩打があります。桂を取ったときに角に当たっていることと、玉形の差が大きいと見た手順です。本譜は△同桂とされましたが、それから▲67銀と逃げることで、相変わらず桂馬の高跳び歩の餌食を狙っています。以下は相手も暴れてきますが、手に乗じて自陣を鉄壁にしながら、手に入れた飛車桂歩で相手玉を寄せることに成功しました。途中で龍を自陣近くに引き付けるなど、少し攻めあぐねた局面もありましたが、致命傷にはなっていなかったようです。

強豪相手の勝ちはかなり自信になりました。


3回戦 立命館大学戦
少し気分が良くなったまま3回戦。相手は佐々木君。高校時代から全国で活躍する実力の持ち主。まあ立命館の人なので、誰に当たっても大して関係ありません。

将棋は私の先手三間ミレニアムvs居飛車穴熊。
穴熊に金を寄せないまま仕掛けてこられ、交換した角でミレニアムの銀を取られ、飛車を成られ…とやられ放題。ただこちらも、すぐに土俵を割るわけにはいきません。自陣に角を放ったり、桂頭の角を放ったりと、辛抱しながらチャンスを待ちます。そうして迎えた以下の図。

この△37歩に頭を抱えました。
放置はできませんが、▲同玉や駒を打って受けるのはやり辛いと感じました。そこで仕方なく▲同飛と取りました。ここで相手からのもう1つの狙いが炸裂します。

△43金打。飛車の利きがずれたので▲同角成とはやり辛かったです。▲25角と逃げますが、△33桂▲14角△45桂が気持ちいい手順。読めてはいたものの、避ける手順が思いつかず、クリーンヒットを食らうことになってしまいました。ですが、ここで私の渾身の勝負手が出ます。

▲23角成。△同銀には▲13香成から殺到します。飛車角を取られるので余されていそうですが、元よりこちらが悪いので勝負と迫りました。一旦は王手で飛車を取ってから手を戻す手順の方が良かったようですが、本譜は単に端を受けてきたので、▲45馬と桂を取れて逆転模様に。

以下、私の攻めのターンが続きますが、▲49銀と引いたのが痛恨の敗着。

ここは▲24角と攻めていれば、△25桂打▲23桂打△同銀▲同銀成となって、以下私の玉に王手が続きますが詰まずに勝ちになっていたようです。本譜は受けてしまったために△25桂打が先に入り、速度が逆転してしまいました。以下は粘るところもなく負け。

やはり一軍戦の壁は厚かったですが、落ち込んでいる暇はありません。我々にとって1日目はただの序章に過ぎないのであります。相手が強かったと自分を慰め、本当の戦いに臨むことになります…。

2日目に続く。
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一軍戦振り返り(2日目)

2021-12-06 09:32:51 | フーミン
さて、ここからは一軍戦2日目に入ります。
個人はそれぞれ健闘したものの、チームとしては3連敗。とはいえ、これこそが我々が万年4位の所以であり、既定路線でもあります。上位3大学にボコられたら、下位2大学をボコる。上を助け下を挫く悪代官スタイルで残留を目指すのでありました。


4回戦 関西大学戦
相手は遠藤君。コロナの影響で去年の新人戦がなかった代わりに開かれた2回生限定大会、清流戦の優勝者です。オーダー会議の段階で当たることは予想していたので、せめて勝負になるように準備はしていきました。

将棋は私のノマ三vs金無双急戦の形に。
遠藤君は以前、振り飛車相手にエルモを使っていたような覚えがあったので、対エルモの勉強をしていきましたが、予想を外された形となりました。しかし、次の近大戦で当たると予想される増田君が金無双急戦をしていたという情報を聞いており、運良くそちらも勉強していました。ただここまでやって詰めが甘いというか、本譜の腰掛け銀型は全く勉強していなかったのでした。右四間や早仕掛けの対策を参考に駒組みを進めて以下の図。

この時、私は局面を楽観視していました。というのも、次の△55歩という手に大いに期待していたからです。周りの様子なんか眺めてのんびりしていたら、▲45歩と突かれて飛び上がりました。△55歩で弾き返せるなどと考えていたら、▲44歩△同金▲45銀とぶつけられるではありませんか。一応、そこで△42飛と回っていれば互角だとは思いますが、当時はそこまで頭が回りませんでした。
路線変更して同歩としましたが、飛車先を突破され、▲23飛成と龍を作られました。不思議なところに成るものだと思いましたが、▲44歩打から▲21角打とされてなるほどと思いました。

単純な狙いながらどう受けたものかなと。悩んだ末、団体戦であることを思い出し、△51桂打と徹底的にいきました。相手は▲34龍と歩を取りながら利きを足してきましたが、自然に見えたこの手が実は悪手だったようで、△32歩打という手が生じ、角の働きが死んでしまいました。こうなると、角の打ち場所、飛車の成る位置にまで話が戻るかもしれません。将棋は恐ろしい。

以下は▲43歩成△同金▲同龍△同桂▲44歩打と攻めてきますが、と金当たりを避けた△51飛が角に当たるのが先手となり、その隙に中央を食い破って優勢となりました。私の攻めのターンが続いて以下の図。

△56角に対して▲67銀と受けたところ。ここで△69金打が決め手となりました。受け方は色々あるものの、いずれも即詰みor受けなしに追い込めます(多分)。本譜は▲同金△67角成▲88玉(▲同玉は△69飛成以下詰み)△77馬▲同玉△57飛成▲88玉△77銀打▲89玉△86銀不成と進み、自玉の嫌味を取っ払いながら攻めていけました。以下は▲88金打から粘られますが、冷静に押し潰していけました。


5回戦 近畿大学戦
相手は増田君。お互い、チームの勝利のためには負けられない立場。こういう時にベテランは強いのです。全力でぶつかっていこうと思いました。

最後の一戦は、私のノマ三に対して、急戦をちらつかせながら居飛車穴熊に組むという独特な序盤に。増田戦用の勉強が遠藤戦に生かされて、本番には生かされないという不思議なことになりました。そうなると経験を頼りにするしかないので、私は真部流に組み、相手の仕掛けに乗じて捌いていく方針を取りました。

▲45歩と仕掛けられたところ。△55歩▲同銀△同銀▲同角△52飛▲44角△56歩▲同歩△同飛として捌きを狙います。ここで▲54歩が嫌味な垂らし。飛車を成ってもぶつけられるので、後々の歩成が残っては不満です。本譜は△同飛▲55歩△同飛と進みました。そこで▲同角とされた方が嫌でしたが、▲33角成△同桂▲44角打という順に進んだので、こちらも△59飛成〜△66角打と攻め駒を配置して応戦しました。

ここで▲58飛とぶつけてきましたが、△同龍▲同金△28飛打に対して▲48飛打としたのがやや疑問手で、△同飛成から無条件に金を遠ざけることに成功し、優位に立ちました。そこからは、穴熊に引きつけられた馬を召し捕ったり、金駒を着実に剥がしたりと、優勢を拡大して以下の図。

△78金打に▲49飛打と抵抗してきた場面。△66歩が筋で▲同歩△67角打▲58銀打に△79飛打が決め手。▲同飛△同角成で必至がかかり、投了となりました。

ただ、チームとしては惜しくも2連敗。ついに悪代官は滅ぼされてしまったのです。残念無念。

これで、私の一軍戦は終わりました。勝ち越しを決められたのは、自分の実力1割、最後ぐらい勝たせてやるかという将棋の神様の慈悲9割だと思います。後輩の皆さんはぜひとも徳を積んでください。具体的には、将棋に一生懸命打ち込んでください。棋力も上がるし、神様へのアピールにもなります。出来れば、今から神様に目をかけてもらえるぐらいに頑張って欲しいです。以上、長文失礼しました。

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部員紹介㉓吉村洋一氏

2019-11-03 05:50:40 | フーミン

サイトの部員紹介本編が漢文調なので、内容が不明瞭であるだろうから、少し補足をさせていただく。

基本的に間違ったことは言っていない。趣味は麻雀という典型的将棋部員だ。一人で雀荘に行ったこともあるらしく、ポイントカードを見せてくれたこともある。すごい行動力だ。

しかし、その行動力は一限の壁には惜しくも届かないようだ。単位を落とす大学生あるあるの絶起というやつである。それに辛酸を舐めさせられてきた氏であるが、最近は解決法を見つけた。まさに逆転の発想、全ての日に一限を入れることによって、起床時間を一定にすることに成功したのだ。それによって氏は一限の壁をも越える新たな力を手にしたのである。

 

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部員紹介㉒鈴木智大氏

2019-11-02 21:08:07 | フーミン

将棋部内の野球部門担当。部室にいて暇なときは大抵、野球速報アプリを眺めて一喜一憂している。推しは阪神タイガースであり、同じくファン仲間の徳居氏や山本理氏、ソフトバンクファンの松原氏らと共に熱く語り合っている。(筆者には野球が分からぬ、邪悪には人一倍敏感でありたいと思っているが…) 球団の成績が芳しくないときは、試合の記憶そのものを消してしまう特殊能力を保持している。

所属する応用化学科が単位に優しくないところだとは聞いているのだが、氏に関してはそのような浮いた話も聞かず、堅実な人生を歩んでいるのだろうと推察している。

この場をお借りして、部員紹介を二人分担当していただいたことに感謝を述べると共に、まだ送ってきていない二人に釘を刺しておく。

 

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部員紹介㉑谷昌紀氏

2019-10-15 22:08:33 | フーミン

大学から将棋を始めたので、新歓の頃に出会ったときはリアルな初心者だった。その後、しばらく部室に来ない時期が続き、完全なる幽霊となり、そのまま成仏するかと思いきや現世に復活を遂げた男である。復活のTである。だが再び幽霊期間に突入しようとしているので、恐らく占いババによって1日だけ現世に生き返らせてもらっていたのだろうと推察している。

 

この間の合宿の時に、高校時代は彼女がいたことが発覚し、私の抹殺リスト入り不可避となった。(一生に1度くらい彼女ほしい)

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