虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

色々と振り返り(春個人編)

2018-05-16 18:01:51 | F
前記事に引き続いて私が反省を綴っていきます。今回は春季個人戦です。
今回は理事という立場のためにささやかなシードを得ることになりました。とはいえ春は特に新入生もいるため、強敵と当たる可能性は決して低いとは言えません。今回入ったブロックの第一印象も案の定新入生がいることもあり、何とも言えないという感覚でした。
予選一(二)回戦 vs武田(立命館)
事前に相手が決まっていたので入念に相手のことを調べて対策を考えていました。石田流や角交換振り飛車を得意とし序盤でリードを奪って、受け駒を惜しまずに自玉を硬く保って攻める手厚い棋風、という印象だったので初手は先手なら▲26歩に決め、序盤に離されないように相手の陣形に常に注意を払うようにしました。
本局は先手番を得たところ、相手が中飛車にしてきたため一直線穴熊に組んで勝ちやすい将棋を目指しました。
小競り合いの後に5筋から開戦。以下△62角▲55歩△同銀▲45歩△56歩▲53歩△同飛▲65歩△54飛▲64歩△同銀上▲同角と穴熊らしく攻めました。硬さを活かして実戦も好調に攻めることができました。しかしソフトに言わせれば▲53歩以下はやりすぎだったようで、もう少しポイントを稼ぐのに徹するべきだったかもしれません。

進んで図の▲64歩が鬼の様に厳しくぶっ刺さり、優勢を意識しました。その後も寄せが微妙で粘られたものの勝ち切ることができました。
予選決勝 vs水谷(阪大)
問題の新入生。高校時代は奈良で活躍されていたそうで事前のリサーチではやや攻め好きの三間飛車党ということくらいしか分かりませんでした。先手番を得たのでとある知る人ぞ知るブログにも解説されている対三間箱入り娘急戦を採用し、研究に嵌めることができました。とはいえ相手の方もとことんソフト最善、次善を積み重ねまだブログにも上がっていない難解な変化へと突入しました。

図の辺りは研究したはずなのですが内容をド忘れしていました。本譜は図で▲22飛成としましたが単純に▲54飛が優りました。その後も思ったように龍が働かずに微妙な形勢となりました。

進んで図の局面で△39飛成は▲52成桂で先手優勢。ここでは途中下車の△34飛が軽視していた受けの好手でソフト最善でもあります。以下角を切るしかありませんが後に△44角と味良く打たれる手が生じて悪くなり、勝負勝負と変な手で迫ったものの大した見せ場もなくじわじわと負けになりました。
研究ありきの仕掛けなのに、その研究が甘い上、忘れるなど論外で、ただ猛省するしかありません。
これで今季も予選突破はなりませんでした。本戦には誰もが認めるエースで本戦シードの名和さんだけでなく、同期の田和も格上を倒して出場を決めているだけに自分はただただ不甲斐ないばかりで申し訳ないです。
後日、やむなく理事としての参加となった本戦では名和さんが学名進出を決めました。もはや驚きというよりも安定感さえ感じさせる強さを見せていただきました。本当におめでとうございます。
そして大学としては一軍戦まで1カ月を切りました。私が堂々と言える資格があるかはありませんが、皆さん準備は進めているのでしょうか?神大は大会の参加率が他所に比べて明らかに低いです。個人戦参加人数の少なさもA級所属校とは思えませんし、特に最強戦の参加人数は異常でしょう。当然部員の一部は頑張っていますが、7人14人で戦うのが団体戦です。果たしてこれで残留が当たり前だと言えるのでしょうか?
一軍戦では厳しい戦いが予想されます。全国の理想を掲げるのは勿論ですが現実的には常にB級の影が見え隠れするでしょう。その為にも皆さんの力を貸していただきたいです。部室によく現れて頑張りが感じられる方は積極的にオーダーに起用されるのではないでしょうか。自分が一軍戦に出場して勝つ、という最高の体験が味わえるよう、私と一緒に勝利を目指して日々頑張りましょう。
もちろん全員がいわゆる「ガチ勢」である必要はないです。将棋は楽しむもので誰からも強制されるべきものではありませんし、負け=悪でもありません。しかし本当に一番楽しむ方法はやっぱり勝つことですからね。
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色々と振り返り(学生選手権編)

2018-05-16 10:53:06 | F
初投稿になります、神戸大学2年の古田です。
一軍戦の投稿するする詐欺を働いた挙句、今になって更新が途絶えてるのを見て更新してみようかと思案し始めました。その結果誰も投稿していない学生選手権と関西春季個人戦について自身の棋譜を振り返る形で更新してみようかという結論に至ったため筆を取りました。
早速内容に入っていきましょう。まず学生選手権団体戦ですが、私は日程を一日分読み誤ってしまい参加出来ませんでした。大きなイベントで楽しみにしていただけに残念でしたが、その分個人戦で頑張ろうと決意を新たにしました。以下は
個人戦1局目 vs大井手(日大)
初戦から全国で活躍なされている日大のレギュラーの方という強豪で楽しみ半分、辛さ半分という気分でした。一応事前に大井手さんの棋譜を並べていましたが、(といってもDBの2局分だけですが)居飛車振り飛車共に将棋を上手くまとめてくる印象で、戦型が読めませんでした。序盤はこちらの居飛車穴熊から趣向を見せ図のようになりました。

角を37に運び、相手に制約を与えつつ自玉が堅いのでまずまずの形成かと思っていました。以降は振り飛車が仕掛け、長いねじりあいが続きました。

図の局面は寄せにいった終盤です。図で▲14香と打ちましたがこれが悪手。△81玉の局面が意外にも寄らずにうまく粘られ負けになりました。代えて▲72金と先に打つべきで、それならば難解ながらも自玉が寄せられる時に駒が入る上、攻めは際どく切れず勝ちのようでした。
2局目 vs中原(島根大)
長引いた初戦を落とした精神的ダメージは大きかったものの、落ち込んでばかりはいられません。
始まって早々に千日手になり、指し直し局は相振りに。

(便宜上先後逆)
図で▲63成香と切り合い、上に打ち上げて粘りにくくなりました。その前で△52金左では△52歩の方が手堅い一着のようです。以下は危なげなく勝つことができました。
3局目 vs磯野(金沢大)
予選突破がかかった大きな一戦。戦型は角換わりに。私も角換わりには自信があったのですが、相手の方の研究範囲のような展開に飛び込み、まずいことになりました。懸命にハッタリでごまかして図の局面。

図で▲53桂成△同金▲63銀が必殺の寄せ。取ると▲55桂〜▲53飛成が詰めろになります。本譜は▲63銀に△41玉とされましたがやはり▲53飛成が▲42銀△同金▲23角以下の詰めろになって勝負あり。予選突破を決めることができました。ちなみに他の神大生も全員突破ということでお見事です。
本譜T一回戦 vs吉田(名工大)
本戦まで来たのであとは自分の全力をぶつけるだけです。同じ名工の方から吉田さんが穴角をされると伺ったのですが、騙されました。相手の方の中飛車に対し私の一直線穴熊に。

図で何も考えずに▲53角と放り込んだのが穴熊らしい一着。△72飛とされたら当然▲71角成です。本譜はそれを嫌って△同飛と食いちぎってこられましたが、後の▲74香が刺さり一手勝ちコースに入りました。
本戦T二回戦 vs柴田(京大)
相手は京大を昔から支えた実績多数の強豪の方です。しかしここまで来たらどう頑張っても強豪は避けられません。戦型は相手の方の角換わり早繰り銀です。苦手な戦型で苦戦を意識しました。

(便宜上先後逆)
図では何だかんだまとめることができそうで悪い局面ではないのですが、▲45歩と仕掛けたのが急ぎすぎでした。代えて一回▲67銀と締まってから次の仕掛けを見せるべきでした。本譜は攻めが続きそうながらも際どくギリギリ凌がれ、76の銀が浮いたのも祟って反撃が厳しく負けました。
結果3勝2敗のベスト128という微妙な成績でしたが、強豪相手に自分の力を試すいい機会となり、自分の中では満足しました。
長くなったのでキリンレポ一本となってしまいましたが一回切って、次は個人戦の反省をしていきます。
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