下記は教室の新聞の7月号の季節の話題用にネットで調べたものです。
6月の花といえば紫陽花、7月なら朝顔、8月なら向日葵だろうね、と生徒さんと話していました(^_^;)
▲ヒルガオ科の蔓性(つるせい)の一年草。茎は左巻き。葉は大きな切れ込みがある。夏の朝、喇叭(らっぱ)状の花を開く。東アジアの原産で、奈良時代に薬用植物として中国から渡来。江戸初期より園芸植物として栽培され、多くの品種が作られた。別名、牽牛花。槿花(きんか)。しののめぐさ。カガミグサ。朝顔は秋の季語。9月の誕生花。
▲開花時期は、7/1頃~10/10頃。朝のうちだけ開花。日陰にある場合は夕方頃まで咲き続けることもある。夏から秋まで長い間咲き続ける。様々な色で楽しませてくれる。 ▲園芸店などで売られている鉢植えは、「行灯(あんどん)づくり」が殆どです。(竹やプラスチック製の輪がついた支柱に蔓を絡ませて花を咲かせる方法)
▲「朝顔 = 朝の美女」の意味。古代の中国では朝顔は高価な薬で牛と取引されたほどのものだったので漢名の「牽牛(けんぎゅう)」はそれに因み、牽牛子(けんごし)と呼ばれていました。一説に 牽牛星が夜空に現れる七夕の頃に花が咲くことから。今でも漢方では種子を下剤や利尿剤に使います。
▲朝顔の学名は"Ipomoea nil"。"Ipomoea"は「サツマイモ属」"nil"は「 藍色」。Ipomoea(イポメア)は、ギリシャ語の「ips(芋虫)+ homoios(似た)」が語源。物に絡んで這い登るところに由来。または、"Pharbitis nil"。"nil"がアラビア語由来で藍色を意味するように,東アジア原産で明るい青色の花を咲かせる。 アサガオ属Pharbitis(フアルビティス)はギリシャ語pharbe(色の意)に由来し、本属の植物には鮮明な色彩の美しい花をつけるものが多い。
▲朝顔の花言葉は「固い約束、愛情の絆、はかない恋、喜び溢れ(白)」。
▲朝顔は茶花として挙げられる草花の一つですが、この花に纏(まつ)わる千利休の「朝顔の茶会」という話があります。
▲万葉の頃、桔梗(キキョウ)を「朝顔」と呼んでいました。当時、「朝顔」とは特定の花を表す名前ではなく、"朝に咲く美しい花"という意味で用いられていました。そういう意味で、当時は、「ムクゲの花」も朝顔と呼ばれていました。「むくげ」は漢字で「槿」または「蕣」と書きますが、「蕣」には朝顔という日本固有の意味があります。
▲諺で「朝顔の花一時(ひととき)」「槿花(きんか)一日(いちじつ)の栄(えい) (槿花一朝の夢)」は、朝顔の花が、咲いてから僅かの時間で凋(しぼ)むことから物事の衰えやすいこと、儚いことの譬え。
朝顔の茶会
利休の屋敷の庭に、朝顔の花が一面に咲く様子が大変美しいという噂を聞いた秀吉は、利休に「明日の朝、そなたの屋敷へ朝顔を見に行くから」と言いつけました。
翌朝、秀吉が利休の屋敷へ行ってみると、朝顔の花などどこにも咲いていません。秀吉は、あの噂は偽りだったのかとがっかりし、「まったく利休のやつ、朝顔の花が咲いていないなら咲いていないと、はっきり言えばいいものを」と腹を立てながらも、仕方なく躙口(にじりぐち)を開けて茶室を覗いてみると、床に一輪の朝顔が生けてありました。それを見た秀吉は、庭一面に咲いている朝顔とは違う、独特の美しさに深く感動したのです。
利休は前日中に庭にある朝顔を全部摘み取ってしまい、一輪だけ残しておいてそれを生けたのだそうです。これすなわち、キンキラキンの黄金の茶室を、ことあるごとに得意そうに見せびらかしている秀吉に対して、一輪の花が持つ美しさを示した利休の、いわば無言の諫言であったのかもしれません。
お茶はどこから来たんだろう?~歴史編 秀吉と利休~茶のこころ~
http://www5b.biglobe.ne.jp/~k-hokuto/cha/hiderikyu.htm より