浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

エクスペンダブルな人たち

2012-10-29 19:27:38 | DVD、映画
先週末はついつい映画館に2回も行ってしまいました。

観たい映画があったもので。

どっちもいい映画でした。

本当は1本目の『アルゴ』について書こうかと思ったんだけど、2本目の『エクスペンダブルズ2』のインパクトがあまりにも強かったのでその話。『アルゴ』も本当に骨太ないい映画ですよ、機会があればぜひ。

ということで。

イエーイ!みんな大好き『エクスペンダブルズ2』! 

ストーリーは1行で言える。

「強い奴らがチームを組んで悪い奴を倒す!」以上!

シンプル~。


『エクスペンダブルズ2』木曜洋画劇場風予告編「最強の11人編」

この予告編作った人は本当にわかってる!エライ!やっぱりこのテイストですよね。

あのですね、言わば「90年代筋肉バカ映画」というジャンルがあるんですよ。筋肉ムキムキの映画俳優が難しいこと抜きで悪い奴を倒してハッピーエンドという映画が。

その映画に出てた代表格がシルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツネッガー、ブルース・ウィリスの3人。前作『エクスペンダブルズ』はその3人の共演と言うことでずいぶん話題になった。

前作『エクスペンダブルズ』も素晴らしかったですね。ストーリーはミエミエだし人はたくさん死ぬし銃撃ちまくるし。もし、こんな映画を今どきよく分からない俳優で作ったら「何考えてんだバカ!」の一言で終わりだろう。でも出てる人たちがこういう人たちだからね、みんな「まぁしょうがないよね」とニヤニヤしつつ観ている。

なんて言うのかな、クラスの悪ガキがいて最初の頃は「やめなさいよ、そんなこと」と注意されていたんだけどあまりにも長年それを続けているので「まぁ彼らはそういう人だから」と許されている感じ。

で、前作はそういう感じで頭カラッポのよい映画だった(ストーリー一切覚えてないや、なんかあれでしょ、南米の独裁国家に特攻してドンパチやって勝つんでしょ。そんな映画100本くらいあって中古レンタルビデオ屋に行けば1本100円で買えると思う)けど、大きな不満があった。

それは、

「ヴァンダムが出てねーじゃねーか!!」

ということ。

やっぱりねー、90年代筋肉バカ映画の雄と言えばヴァンダミングアクション!ジャン・クロード=ヴァンヴァンヴァンダムですよ。

その彼が今作『エクスペンダブルズ2』では最強の悪役とのことでいいですねー。

ちなみにヴァンダムの役名は「ジャン・ヴィラン」。「ヴィラン」って英語で「悪役」という意味。本当にもうこの人たちはIQ低いですね。。悪役の役名が「悪役太郎」ってついているようなもんです。

『エクスペンダブルズ2』木曜洋画劇場風予告編第二弾「ヴァン・ダム編」

繰り返しになるけどこの予告編を作った人は本当にわかってる!エライ!ヴァンダミンGO!

観ていると銃弾1発ごとに脳みそのしわが消えていく感じのカラッポの素晴らしい映画でしたよ。ストーリーはご都合主義でピンチになるとどこからか助っ人がやってきてすべて解決、最後はド派手な銃撃戦。ポリティカリー・コレクト?そんなもの糞くらえ、って感じでね。

この時代遅れのカラッポ映画がなぜこれほどまでに観ていて楽しいものにしているか、というとそれは何と言っても俳優全員の「歴史」ってものですよね。

シュワルツネッガーが出てきて「I'm back!(戻ってきたぜ!)」って言うだけでビンビンだもん。もちろん元ネタはターミネーターでの「I'll be back」という決め台詞。

ちなみに今回楽しいのは「地獄のヒーロー」チャック・ノリスのゲスト出演。

この人はどの映画出ても敵を皆殺しにしていて今回もこの人が出てくるだけで敵は全員死ぬ。出てくるたびに「続・夕陽のガンマン」のイントロが流れるのがおかしくておかしくて。。。この人は最近「チャック・ノリスの真実」というネタでインターネット上でおもちゃにされている。チャック・ノリスがどれだけ強いかというジョークなんだけど例えばこんなの。

「チャック・ノリスは時計をしない。彼が今何時何分かを決めるからだ」
「世の中には2種類の女しかいない。『チャック・ノリスに抱かれたい女』と『チャック・ノリスにもう一度抱かれたい女』だ」
「チャック・ノリスの移動の仕方は2つ。『歩く』と『殺す』だ」


このチャック・ノリスジョークがしっかり映画の中でもネタにされてます。

こんな感じでそれぞれの役者の過去の作品だとか実人生が基にしたネタがあるので、知っている人は楽しいよ。

あと、仲間の一人が最初に見せ場があってそれでいなくなっちゃう。普通の映画なら「あいつどこ行ったんだよ!」と文句言いたいけどその雑さがこの映画っぽくて非常に良い。たぶんスケジュールが厳しかったかそもそも存在を忘れてたかどっちかだろう。

ま、結局なんでもいいんです。

何せスタローン、シュワルツネッガー、ブルース・ウィリスが3人並んでマシンガンぶっ放すシーンとスタローンとヴァンダムの一騎打ちだけで好きな人はビンビンなんだもん。好きじゃない人に取っては本当にどうでもいい話だろうけど。

マドモアゼル唯先生とも熱く語ったんだけど、やっぱり我々世代はテレビでこういう映画ばっかり見て育ってますからねー。しばらく「そんな子供だましな映画」とバカにしてましたけどどうもすいませんでした。子供だろうときっちりだませる映画はやっぱり素晴らしいです。

この映画のタイトル『エクスペンダブルズ』ってのも非常に泣かせますよね。『エクスペンダブルズ』は作中の傭兵軍団のチーム名だけど意味は「消耗品、使い捨ての奴ら」ということ。彼らの役者人生自体、使い捨てのようなものでしょう。時代遅れのアクション映画自体がすでに使い捨てにされている。その彼らが集まってまたアクション映画を作っている。

そして、彼らの実人生自体、ひどいもんです。だいたい一人一回は離婚している。酷い人になると3、4回離婚してる。アメリカは離婚するとき相手に財産半分渡さないといけないそうで、ということは3回離婚すると財産は8分の1になってしまう。あとは暴力事件、金銭トラブル、破産、下半身スキャンダル、黒い交際、などなど。更に言うとみんなだいたい仕事が無い。全盛期は映画1本で1億円くらいもらっていたのにね。

シュワルツェネッガーは役者から政治家に転身したものの、家政婦との間に隠し子がいたことがバレて離婚。ケネディの姪という奥さんを失ったことで政治家生命は完全に終わった。映画に復帰する予定だけど依然と違って筋肉はダルンダルンになってしまったのでどうなるか分からない。

ヴァン・ダムは4度離婚し、昔の妻からはDVで訴えられており破産寸前。映画の仕事もほとんどない。それを自らネタにした『その男ヴァンダム』という映画はもう涙なしでは見られない。

ドルフ・ラングレンも仕事が無く一時期は薬物中毒でボロボロだった。

彼は本当はすごく頭のいい人で知能指数が160くらいあるらしい。学生時代はスウェーデン王立大学からフルブライト留学生としてマサチューセッツ工科大学に行ったらしい。そのまま行っていればノーベル賞取っていたかもしれないのに映画と言うヤクザな道を選んでしまったばかりにこんなことに。。。

彼らの映画同様、彼らの実人生自体も『Expendable(使い捨て)』だとも言える。

カラッポのこの映画から無理やり教訓を得るとするとたった一つ。

「こいつらに比べれば自分はまだマシだ」ということ。

彼らの実人生はつらく、輝ける場所は映画の中という「虚構」しかない。これって映画「レスラー」でランディがリングの上でしか輝けなかったことと一緒だよね。

ネットにこんな言葉があった。

「80年代、90年代、ゴミみたいなアクション映画を見続けていいことがあったか?何もない。時間とカネの無駄だった。ただ、ひとつだけいいことがあったとするなら『エクスペンダブルズ』を死ぬほど楽しめたということだけだ」



---
既に続編の製作も決定しているとのこと。もう一生やってなさい(笑)

次に出演が噂されているのはニコラス・ケイジ。彼も3回くらい離婚した上にDVとか酔っ払いで逮捕されている。10億円を超える税金が未納になっているとのこと。

ウェズリー・スナイプスにも声がかかっているらしいけど残念ながら服役中(脱税)のため出演出来ない。

エクスペンダブルな人たちだ(笑)

あと出て欲しいのはやっぱりハルク・ホーガンだよね、今大変だから。奥さんが息子の同級生と浮気して離婚になり財産ほとんど持って行かれた(アメリカだと奥さんが悪くて浮気しても財産は分けないといけない)、更に息子が交通事故を起こし人に障害を負わせてしまったのでその賠償もしなければいけない。諸々あって自殺未遂までしたそうだし。スタローンとしてはロッキー3で共演もしてることだしここは助けると思って出演させるべきだと思うね。

あと今回一応役の上では死んだことになってるヴァンダムにはぜひまた出ていただきたい。ヴァンダムと言えば『ダブル・インパクト』で一人二役で双子役をやっているので今回死んだヴィランの双子の兄とかの設定で。

ああ、そうそう。エクスペンダブルな人ではないけどジャッキー・チェンには出ていただきたいね。エクスペンダブルズが悪人追って乗り込んだ香港で刑事として出てきたりしたら最高。
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