浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

イケメンのコイバナ

2017-06-25 22:55:16 | 食べ物
知り合いのラジオ番組に「イケメンのコイバナ」って企画を提案したんどけど通らなかった。

「イケてる麺の濃い話」ね、ずっと麺の話をするの。面白いと思ったんだけどなー。

ここ数日、自分の中の麺欲が強くて麺をよく食べてます。



これは蒲田の麺屋Voyageと言うところのラーメン。ホタテとキノコ出汁で美味しい。岩海苔が嬉しいね。



こちらは蒲田の駅ビルに入ってるつけ麺屋銀四郎のつけ麺。スープが濃くてドロっとしてて美味い。



こちらは蒲田の麺バカ息子のつけ麺。麺の上に立てかけられてるのは海苔丸ごと一枚。これは嬉しいね!最近、僕はラーメンのトッピングでは海苔が一番好き。チャーシューも玉子も無ければ無いで構わないとすら思うんだけど海苔は欲しいね。

つけ麺って昔はそんなに好きじゃなかったけど最近は好きよ。

「なぜ嘘つきばかりの世界になってしまったのか」内田樹・平川克美トークショーから

2017-06-23 11:44:07 | 
内田樹氏と平川克美氏のトークショーがあったので行ってきた。

内田樹については何度も書いてるので割愛して、平川克美という人は内田樹の古くからの友人で何冊か本を出されている。僕は内田樹の本を通じてこの人の本も読むようになった。


「移行期的混乱」以後 ──家族の崩壊と再生

内田樹については、僕は著作を愛読しているし、出演されてるラジオも愛聴し、僕が合気道を始めるきっかけにもなった人でありながら、生で観るのは初めて。

前に「9条どうでしょう文庫化記念ライブ」というのがあって、それはチケットも取っていたのに仕事の都合で行けなかった。。後で音声データを購入して聴いたんだけど、とんでもなく面白くてつくづく後悔している。

その時の話はこちら→「「9条どうでしょう」文庫化記念「ライブ!9条どうでしょう」から。

さて、今回のトークショー。大変面白かったよ。

テーマはもちろん、昨今の様々な政治状況やこれからの日本の話がメイン。

面白かったのは、なぜ日本の国会、政治家、官僚はこんなに嘘つきばかりになってしまったのか、という話。

聞きながらメモした内容に基づき、僕なりの理解を書いておく。

"Honesty pays in the long run."という言葉がある。簡単に訳せば「長い目で見れば正直者が得をする」という意味。

この言葉を逆に取れば「短期的には嘘つきが得をする」と言うことになってしまう。確かにそうだよね、例えば今この瞬間だけで考えれば、失敗を正直に話して怒られるよりも嘘ついて「私はやってません」と言えば、とりあえず「今日は怒られない」ということは多々あるだろう。

ライブの中で内田樹が例に出して、僕もハッとさせられたんだけど、昔、例えば僕の子供時代って「未来予想図」というものがたくさんあった、雑誌とか本とかで。今となっては絵空事なんだけど、ほら、「21世紀はこうなる!」とかさ。

なんかみんな銀色の服を着て、車は空を飛んでて、場合によっちゃ背中にジェットエンジン背負って空飛んでたりしてさ、そういう未来予想図ってあったでしょ?逆に未来は公害ばっかりになって核戦争が起こって人類は滅亡の危機に、、って暗い未来予想図もあった。

でもさ、現代ってそれあんまり見ないよね。

「21世紀」という近未来がもう来ちゃって、次の「22世紀」はあまりにも遠すぎる。たぶん今生きている我々は22世紀にはほとんど死んでる。だから予想もしない、ってはひとつあるだろう。

もうひとつは、あまりにも先の事が分からなすぎて予測不能ってのもある。例えば来年、日本の総理大臣がまだ続いてるかどうかだって分からない。来年どころか半年後だって分からない。総理大臣がコロコロ変わるのは日本じゃいつもったって、今となっちゃアメリカの大統領だって来年どうなってるか分からない。

つまり、「長い目で」なんて誰も見られない。長い目で見たって未来なんて分かんない。だから、とりあえず短期的に今目の前の状況をやり過ごすしか無い。で、やり過ごすために一番良いのは「嘘をつく」ことなのではないか、という話だった。

なるほど。

ただ、僕は思うけど、やっぱり嘘をつくのは長期的に観て「身体に悪いだろうなぁ」と思う。特に衆人環視の中で、つまりTVに映る状況とかで嘘をつくのは本当に身体に悪いと思う。特に自分に子供がいる人はね。子供は絶対にバカじゃないから、TVで自分の親が嘘ついてたら分かるだろう。日頃、自分に「嘘をつくのは悪いことだ」と言っている自分の親がいけしゃあしゃあと嘘をついている、そういう状況を目にした子供の非常に屈折した思いというのは絶対に巡り巡って親に来ると思う。嘘をついて今目の前をやり過ごすことと、自分の子供に非常に屈折した思いを与えることの2つを比べれば、こんなに割に合わないことは無い。

だからまぁ、ホントに嘘つくのはやめたほうがいいと思うけどねぇ。。

今回のライブはまたラジオデイズというサイトで販売されると思うのでよろしければ是非。

あと、ちょうど内田樹氏の新刊が出たばかりだったのでサインを頂いた。読み終えたけど面白かったのでこちらも是非。


日本の覚醒のために──内田樹講演集

無人島でAmazon

2017-06-20 11:07:40 | 日記
先日、テレビを買いました。43型。



これ。

今までうちにあったのが19型で、流石に小さい。もう少し大きなの欲しいなぁと思っていたところにamazonで4万円弱のがあったので購入。大きい画面は良いね。相変わらずアンテナは繋いでないので地上波は観られない。まったく問題ない。

AmazonのFire TV Stickを繋いでAmazonビデオばかり観てる。プライム会員(年会費が3,000円ちょい)になってると映画が見放題なのでたいへん助かるね。

更にFireタブレットも持ってるのでこちらでもAmazonビデオばかり。


Fire 7 タブレット (Newモデル) 8GB、ブラック

このタブレット、買ってよかったな、と思うのがAmazonビデオをダウンロード出来ること。Amazonビデオはスマホやパソコンでも観られるんだけど、ダウンロードが出来ない。Fireタブレットはダウンロード出来るんでWi-Fiのある時に観たい映画をガバッとダウンロードしておいて、飛行機の中なんかで観てます。

しかしさぁ、Amazonは便利だねぇ。。

例えば「1年間、無人島でFireタブレットだけで過ごせ」って言われても行けちゃう感じがするね。食べ物をAmazonで買ってAmazonで映画観て本読んでりゃ1年なんてすぐ経ちそうだ。

札幌の「コントローラー」は僕らにとっての夢の国だ!

2017-06-07 21:37:57 | 日記
先日、北海道に行った時にちょっと教えてもらって「コントローラー」というお店に行ってきた。

場所としては札幌の大通西11丁目。ま、札幌市民なら「ああ、あのへんね」とお分かりいただけるかと思う。

このお店は、昔のファミコンゲームなんかをモチーフにしたアパレル、グッズなんかを扱っている。

もうね、入った瞬間、クラっと来ましたね。。

ゲーム「スプラッターハウス」のTシャツ!!

ご存じですかね?昔、ゲーセンにありましてねぇ、、ええ、ええ。

更に「エレベーターアクション」のワークシャツ!

一周回ってカッコイイな、このロゴ。当時は気づいて無かったけどこれ、ジェームス・ボンドオマージュなんだな。

僕が買ったのはまずアイスクライマーのTシャツ。

これね、ポケットのところのワンポイントがプリントではなくて刺繍なの。

わかります?刺繍で8ビットを表現しているんです。

それからゲームボーイマグカップ。

お湯を入れると絵が変化する。

画面の左の電源ランプに当たるところまで緑になる(つまり、電源オンを表現している)というのが芸が細かいね。

それからセガの歴代ハードのマグカップ。

これは買っちゃうよなぁ。

伺った時は本当に時間が無くて、ババっと行ってざっと買う、みたいな感じだった。非常に残念。もう少し時間があればもっと見られたんだけど。時間があればねー、ちゃんと試着して、エレベーターアクションのシャツ買っていたね、たぶん。

このお店で扱っているグッズで特筆すべき点は2つ。

まず、シャツなんかの作りがとっても良い、ということ。こういうグッズだとTシャツとしてペナペナだったりするじゃないですか。この店のアパレルはそんなことまったくありません。Tシャツとしても作りがしっかりしている。あとね、胸ポケットの裏にもデザインがあって。。芸がこまかい!!

それから、デザインが突飛過ぎない。もちろんドドンと「ゲーム・グッズ!」というデザインのものもあるんだけど、いくつかはワンポイントだけで「見る人が見れば分かる、分からない人にとってもそんな突飛なデザインじゃない」というものがある。

おそらくね、ファミコン世代じゃない人だっていくつかのTシャツは単純に「わー、可愛いー♪」って思うと思う。

ファミコン世代は号泣ものですよ。「えー!!??あのゲームがTシャツになってるの??」って。

時間さえあればなー、姪っ子に買ってあげたいな、と思ったのもあったよ。

一番「買えばよかったな」と思ってるのはエキサイトバイクのTシャツ。ただ、僕は霜降りグレーのTシャツがあんま好みじゃないので諦めた。白いTシャツだったら即買ってましたね。。

いいお店ですよ、札幌の大通からすぐなんでぜひぜひ。

オンラインでも買えるから。5,000円以上なら送料無料みたい。

こちらね→CONTROLLER / コントローラー

映画「ローガン」を強くおすすめします。

2017-06-05 15:37:47 | DVD、映画
6月1日に「ローガン」という映画が日本公開されました。今日はその話。



※ストーリーのネタバレはほとんど無いと思いますが「何も情報を入れずに観たい」という方は鑑賞後に読まれたほうがいいと思います。

※日本版Wikipediaのローガンのページは映画の細かいところまでネタバレなので読まずに映画をご覧になられたほうがいいと思いますよ。

とても良い映画だと思う。あのね、一人の男の生き方としても大変面白く感動的だし、少女役を演じたダフネ・キーンという女優(本来なら11歳だから「子役」と呼ぶべき年齢だろうけど、もうね堂々たる「女優」だと思います)が素晴らしいから是非ご覧いただくと良いと思う。僕は「レオン」を映画館で観た時にナタリー・ポートマンを「すごい女優だな」と思った時のことを思い出した。すごい女優さんです。何年か後、「11歳のダフネ・キーンを映画館で観た」というのは自慢できると思う。ぜひどうぞ。

さて、これも例の「アメコミスーパーヒーロー物」のひとつ。この作品を説明するにはやっぱりアメコミスーパーヒーロー映画の系譜から話していかないと行けない。そのあたりのことを話していきます。前回、僕が主張したのは下記。

1989年にDCコミックスのバットマンが大ヒットし、1989から1999年まではバットマン全盛期だった。その10年間、DCコミックスのライバル出版社であるマーベルはほとんどヒットを飛ばせていなかった。つまり僕は、1990年代とはDCコミックスに軍配が上がった10年だと思っている。

ここの潮目が変わるのは2000年。映画「X-メン」の公開。X-メンというのは超能力を持つミュータントたちの活躍を描くマーベルのシリーズなんだけどこれが2000年に公開されてヒットした。ある意味、マーベルにとっては対DCコミックスの反撃の狼煙となった。

(以後、副題が面倒なので1,2、、という表記で行きます)

その後、続編が作られて、2003年にX-メン2、2006年にX-メン3が公開される。更に2008年にはX-メンシリーズに出ていたウルヴァリンというキャラクターの単独映画「ウルヴァリン」も公開される。0年代はこのX-メンシリーズと、スパイダーマンシリーズ(2002年、2004年、2007年)もあり、かなりマーベルが勢いづく。

X-メンシリーズの映画をずらっと並べていくとこうなる。
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2000年:X-メン
2003年:X-メン2
2006年:X-メン3
2008年:ウルヴァリン
2011年:X-メンファースト・ジェネレーション
2013年:ウルヴァリン2
2014年:X-メンフュチャー&パスト
2016年:X-メンアポカリプス / デッドプール
2017年:ローガン
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なんとこの17年で10作品が公開されているということになる。よくもまぁ続くもんだし、よくまぁ観るもんだ、我ながら。

X-メン1,2,3というが続き物で、ウルヴァリンはその中に出ていたキャラクターの単独作品、更に2001年のX-メンファースト・ジェネレーションから始まる、フューチャー&パスト、アポカリプスは新三部作と言われるものでX-メンの始まりを描くもの。更にX-メン映画シリーズには出てなかったけどX-メンのキャラクターである「デッドプール」の単独作品が「デッドプール」。何がなにやら、という感じでしょう?まぁご存じない方はこの辺、無視していただいて結構です。

僕自身、X-メン1,2,3は映画館では観ていない。後からDVDで観たと思う。しかもそんなに大好きなシリーズというわけではなかった。たぶんこのシリーズでちゃんと映画館で観たのはファースト・ジェネレーション。


X-MEN:ファースト・ジェネレーション

これをなぜ観たかというと「キックアス」という映画がありまして。大層面白かったの。で、キック・アスの監督がファースト・ジェネレーションを監督するってんで観たの。今回、ローガンを観終えた後にまたDVDで観たけどやっぱり面白かった。

それからはウルヴァリン2、X-メンフュチャー&パスト、デッドプールを映画館で観て。アポカリプスはDVD。

これまた複雑な話でさぁ、僕は全作品観ているけど、どれもすべて面白いか、と言われると首を捻らざるを得ない。ファースト・ジェネレーションは文句なく傑作。それ以外はまぁまぁ。中には「ちょっとこりゃ無いだろう」と思うものも無くは無い、どれとは言わないけどね。

さて、このX-メンシリーズ、特筆すべきはやっぱりヒュー・ジャックマン演じる「ウルヴァリン」なんだよね。ヒュー・ジャックマン自身、2000年のX-メンで有名になったと言っても間違いではない。この17年に渡るX-メンシリーズ全9作品に彼はウルヴァリン役で出演している。これ自体がすごいことだと思う。

なんたってね、この作品のウルヴァリンというキャラクターは改造人間で、歳を取らない、という設定なんですよ。実際の世界では17年経っているけど作品中では同じ見た目を維持しなければ行けない。これはねぇ、役者として大変なことだと思いますよ。現在彼、ヒュー・ジャックマンは48歳で、つまり31歳から48歳まで同じ体型、見た目を維持しなければいけないんだから。よく頑張った、と言ってあげたい。

さて、今回の「ローガン」。

流れとしてはウルヴァリンシリーズの3作目ということになります。ローガンというのはウルヴァリンの本名ね。公式的にヒュー・ジャックマンはこの作品がウルヴァリンを演じる最後、ということになっている。おそらくそれは本当だろう。17年ひとつの役を演じる最後。こちらもねぇ、まぁ最後だし、とりあえず観るか、と観てきました。

結論。

最高です!

いやはやX-メンシリーズ中最高傑作なんでないの?個人的には、X-メンシリーズの中で僕が一番好きな「ファースト・ジェネレーション」と並びました。非常に苦い、切ない、よい映画になっております。

もちろんX-メンシリーズ全部を観てからご覧になったほうが楽しめると思いますが、そんなの面倒くさい、という方は下記設定だけ知っておくと良いと思います。

身も蓋もないこと言いますけど、全部観ている僕だって「あれ?あの話ってどうなってたっけ?」って部分ありますよ。何せ過去作が9本もあるんだから。更に話の中で一回タイムスリップしたことになってるので幾つかの話が「無かったこと」になっている。だから過去のつながりをまともに理解しよう、ってのがそんなに意味あることだと思わない。もちろんきっちりまともに理解されている方は尊敬しますよ。

ローガンを楽しむために、知っておけばよい設定は下記だけだと僕は思う。

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この世界にはミュータントという突然変異の超能力者たちがいる。
ウルヴァリンもその一人。能力は不老不死、更に怪我してもすぐ治る能力と拳から出る爪。
だけど、その能力を失いつつある。

流れ者のウルヴァリンを味方にし面倒をみてきたのはチャールズ、別名プロフェッサーX。
チャールズは世界最強の超能力者と呼ばれたけど今は年老いている。
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結局さ、X-メンシリーズで僕がどうも乗り切れないのって「不老不死」なんだよね。そんなんだったらもうなんでもありじゃん。不老不死の能力持っている人がいくらピンチになっても「どうせ死なないんでしょ」と思っちゃう、僕はね。

それが今回のウルヴァリンはその能力を失いつつある。それは前作のある出来事によるものなんだけど、まぁそれはいいです。つまり今回のウルヴァリンはもう単なる普通の中年男性になりつつある、ということ。

更に一緒に暮らしているチャールズは完全にもう介護の必要な老人。このあたりも切ないねぇ。。そこに出てくる謎の少女、ローラ。これまたねぇ、思春期の少女を面倒見るウルヴァリンが切なくも面白くて。

介護と子育てに苦労するスーパーヒーロー、っていう設定が目新しいしリアルで大変興味深い。

あと、この映画が素晴らしいのは様々な名作映画の要素を盛り込んでいる。具体的に映画の中にある名作映画が出て来るし、おそらく「レオン」「子連れ狼」あたりもアイディアの基になっていると思う、観ればわかると思います。

あ、あと、最近の邦題の適当っぷりにイライラしている身としては今回の「ローガン」というタイトルも素晴らしい。余計なものを入れなかったのがエライ。

X-メンシリーズファンには大満足の作品、映画ファンにもおすすめ、また何も知らなくても一本の映画として「男がどう生きるか」というテーマの作品としても素晴らしい。

繰り返しになるけど大女優ダフネ・キーンを観るだけでも価値はあると思う。

僕は2回目に吹替版で観てみたけど、こちらもこれまた素晴らしかった。スペイン語を喋るシーンとかもあるのでどうなるのか、と思ってたけどまったく問題無い。よく分からないお笑い芸人さんとかを無理くり使ってないのも素晴らしい。やれば出来じゃないですか、日本の映画会社も。

大変におすすめです、ぜひどうぞ。

ただ、一つだけ、R指定(なんだと思う、どこを探しても明確に書いてないからよく分からないんだけど)なのでお子様とか「血が一切ダメ」って方にはおすすめしません。

次回、機会があれば「アメコミスーパーヒーロー映画に観るR指定表現」について書きたいと思っています。

アメコミ映画全盛時代

2017-06-04 13:23:23 | DVD、映画
先日のラジオで「アメコミ映画」の話をした。ちゃんと作品の年表を作ってね。

こういうのは真面目にやるの、僕。

改めて年表にまとめてみたらやっぱり面白かった。

一口に「アメリカン・コミック」と言ってもそれには様々な種類が当然あるわけで、ここではいわゆる「アメコミ・スーパーヒーロー物」、つまりヒーローが出てきて活躍する類のものに限定します。(以下、アメコミと書いていたらアメコミ・スーパーヒーロー物とお考えください)

僕はハリウッド映画の歴史を50年後くらいに振り返った時に、1989年~2020年の30年は「アメコミ・スーパーヒーロー映画時代」と称されるんじゃないかと思っている。

例えば1960年代後半から1970年代が「アメリカン・ニューシネマ時代」と言われたようにね。

1989年からと書いているのはアメコミ映画にとって「バットマン」(ティム・バートン版)が公開された年だから。


バットマン

これは今までどうしても子供向けというイメージがあったアメコミ映画において、ちょっとダークで、大人向けにした意味があったと思う。

年表は「DCコミック」「マーベル」の2軸を年ごとに書いてみたんだけどこれがまた面白くて。

DCコミックとマーベルというのはアメリカの漫画出版社。日本でいえば少年マガジンと少年サンデーみたいなイメージ。スーパーマン、バットマンはDCコミックのもの、スパイダーマン、アイアンマンなんかはマーベル。だからスーパーマンとバットマンは同じ映画に出ることもあるけど、スーパーマンとスパイダーマンが同じ映画に出ることは無い。

この2つの軸で見ると1989年~1999年の10年の流れが興味深い。
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1989:バットマン
1992:バットマン・リターンズ
1995:バットマン・フォーバー
1997:バットマン&ロビン
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1989~1997年の間にDCコミックスはバットマン4作品を作っている。

一方、マーベルのほうはこんな感じ。
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1989:パニッシャー、キャプテン・アメリカ卍帝国の野望
1998:ブレイド
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なんと3作品のみ。

つまりどういうことかというとバットマン映画がヒットして4本作られたこの10年、マーベルはほとんどヒット作を作れてない、ということ。マーベルの看板キャラクター「キャプテン・アメリカ」だってこの作品は日本未公開だしね。

これが2000年代前半になると一変する。

マーベル映画を2005年まで並べてみると、
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2000:X-メン
2002:スパイダーマン、ブレイド2
2003:X-MEN2、デアデビル、ハルク
2004:パニッシャー、スパイダーマン2、ブレイド3
2005:エレクトラ、ファンタスティック・フォー
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と、なんと11作品。

一方、同じ5年間のDCコミックはリーグ・オブ・レジェンドをアメコミ物と入れたとしても、リーグ・オブ・レジェンド、キャットウーマン、バットマン・ビギンズ、コンスタンティンの4作品。しかもキャットウーマンは大コケしてる。

これは明らかにバットマンシリーズの「バットマン&ロビン」の興行的失敗によるものだろう。僕はこの作品嫌いじゃないんだけどね。

DCコミックが息を吹き返すのは2008年「ダークナイト」の大大大ヒット。


ダークナイト

しかしこの年はマーベル側にも大きな出来事がある。それは「アイアンマン」「インクレディブル・ハルク」の公開。


両作品とも公開時には決して「大作品」というわけではなかった。実際に制作費を観てみると、

ダークナイト=1.85億ドル
アイアンマン=1.4億ドル
インクレディブル・ハルク=1.5億

という感じ。


アイアンマン

しかしこの2作品、特に「アイアンマン」が大きかったというのは2010年代を席巻する「マーベル・シネマティック・ユニバース」の1作目だと言うこと。「マーベル・シネマティック・ユニバース」というのは別々の作品がそれが全部同じ世界で繋がっている、ということ。つまりアイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカが同じ映画に出てくるいわゆる「アベンジャーズシリーズ」は2008年のアイアンマンから始まった、ということになる。

更に非常に興味深いのが翌2009年にはマーベルをディズニーが買収している。この出来事から僕は個人的に2010年代は「ディズニー・マーベル時代」だと思っている。

2010年以降2017年5月末時点まででも公開されたアベンジャーズシリーズは、(面倒なの副題では無く1,2、、という表記で行きます)
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2010:アイアンマン2
2011:マイティ・ソー、キャプテン・アメリカ
2012:アベンジャーズ
2013:アイアンマン3、マイティー・ソー2
2014:キャプテン・アメリカ2、ガーディアンズオブギャラクシー
2015:アベンジャーズ2、アントマン
2016:キャプテン・アメリカ3、ドクター・ストレンジ
2017:ガーディアンズオブギャラクシー2
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な、なんと13作品!もうこれは「ディズニー・マーベル時代」というか「アベンジャーズ時代」というしかない。

このように明らかに後世に残るだろうと思う「アメコミ映画」、同時代に生きるものとして一本くらい観ておいても損は無いんでないかな、と思います。

「こんだけあるとどっから観ればいいの?」と思われる方に僕がおすすめしているのは、まず「アベンジャーズ」を観てみて、面白かったら遡る、という方法。


アベンジャーズ

アベンジャーズはいわゆるヒーロー集合物だから楽しめるのは保証付き。アベンジャーズ観てから「アイアンマンってどんな人なの?」と思ったらさかのぼってアイアンマン1観る、という見方もあるし、「アベンジャーズ」が面白かったらその続きである「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」に行く方法もある。そこから「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」って流れは外さないですよ。

とにかく、今我々は大きな歴史の流れの中に居るわけで、その歴史を映画館なら1,800円、DVDなら数百円で体験出来るんだから体験してみるのもいいかな、と思います。

で、次回、マーベルのもう一つ大きな流れである「X-men」シリーズの話をします、多分。

地域密着・あなた密着

2017-06-02 14:44:13 | 日記
ラジオに出てきました。

元々僕、大学でラジオを作る部に入っててさ。大学入学した時に本当は映画を作るサークルに入りたかったの。でも入学して見学しに行ってみたら映画研究会というのは作るよりも観る方で。もう一つ、映像研究部というところがあってそちらが作る方だった。そこに見学しに行ってみたら部室では男性4人が麻雀をやっててね。僕は麻雀をやらないので「うーん、どうもな」と思ったの。もちろんそのタイミングだけで普段はちゃんと活動している、ということが後になって分かるんだけど。で、その部を出て帰ろうとしたら向かいが放送文化研究部というところで「ついでに観ていかない?」と誘われて話聞いたら、その部室はけっこうたくさん人がいて、女性も半分くらいで賑やかで、ラジオなんてほとんど興味無かったけど入った。これもまたタイミングでさー、映像の方だって部員はたくさんいたし、放送の方は結局飲んでばっかりだったんだけど、まぁタイミングって大事ね。

大学時代は年に2回ほどラジオドラマを作っていた。僕がシナリオ書いて、アナウンサー役の人に喋ってもらってスタジオ(大学にあったの、結構立派なのがね)で録音して、機械で編集して、、と。

改めて振り返ってみると、大学生の趣味の範疇とはいえラジオドラマってのは面白いな、と思うね。例えばさ、映像だとどうしても機材はそんなに良くないし照明・録音機材だってそんなにお金はかけられない。演じる人だって素人、結果として出来上がった映像作品というのはどう比較したってプロの作品にはかなわない。もちろん本気でやってらっしゃる学生の方でプロ並みの作品を作る方はいらっしゃるんだろうけど。

一方、ラジオってのは音だけだから、機材も演者もプロには比較にならないけど、それでもなんとか工夫すればそれなりの物が出来るんじゃないかと思う。大きいのはさ、音楽を使えるってことだよね。機材が貧弱とは言え普通のCDを使って流せばそりゃそれなりのものになりますよ。

まぁとにかくそういうサークルにいて、その中のひとりが今、地方のラジオ局でアナウンサーをやっている。元々この同級生は高校の頃から放送部とかにいて全国大会とかにも出ていたと思う。学生の頃からの夢を叶えているという点で本当に素晴らしいことだと思う。

その同級生の番組があってある時、「ちょっと電話でゲスト出演してよ」と言われた。何度か出してもらって、今回はちょうど時間もあるし久々に北海道行きたいし、ということで「生で出るよ」ということで行ってみた。

20時からの生放送のために18時に駅前で落ち合って軽くご飯食べて

(小樽でウニ、マグロ、シャコ)、19時にスタジオ行って放送10分前に「じゃよろしくー」と言われてマイクの前に座って2時間生放送。

気楽でいいやね。(もちろん僕は適当なゲストだから気楽なだけで同級生やメインパーソナリーティーの方は色々きちんと準備されていた)

放送後、焼肉をつつきつつ反省会。

話は当然、ラジオの話。

僕はここ数年、ラジオを良く聴いている。家で仕事をしている時はだいたいTBSラジオを流しっぱなしにしているし、テレビが無い(あるけどアンテナ繋いでないから地上波は見られない)からテレビ観ない。ラジオはやっぱり音声だけのメディアだから仕事していても洗い物していても聴けるのがいいよね。じゃ、音楽でもいいじゃんと思うかも知れないけどなんだかんだ音楽って飽きるんだよね。。ラジオを流しっぱなしにしていてたまに知らなかったけどいい感じの音楽が流れてくる、なんてのはやっぱり楽しい。

「ラジオの力」ってのはやっぱりあると思っていてさ。個人的に、例えば今のテレビ放送はもしかしたら滅びちゃうんじゃないかな、と思っている。テレビ放送というのは民放で言えば「決まったテレビプログラムがあって、決まった時間にテレビで放送される」というものね。実際、これだけネット・スマホが普及して、もし観たい番組があればいつでもどこでも観たい時に観られる、という世界になっちゃうと「決まった曜日の決まった時間にテレビの前にいないとその番組が見られない」というのは厳しいなぁ、と思うもの。

「決まった時間の放送」といえばラジオもそうなんだけどラジオはほらイヤホンで聴けるからさ。外出していても聴けるし、運転中もカーラジオで聴けるでしょ? 映像はやっぱりね、歩きながら運転しながら、はきつい。やめよう歩きスマホ。

それから最近のメール、Twitterの発達はラジオにとってはメリットだと思う。昔、ラジオ番組といえばお葉書が基本だった。放送聞いてそのお葉書が届くのが数日後。だけど今なら例えば2時間のラジオ放送の冒頭にメール募集して、その放送中にメールが届いて紹介出来るからねぇ。リアルタイム性が違いますよ。Twitterでもハッシュタグ付けて呟けば拾ってもらえたりするじゃん。

このリアルタイム性がテレビではなかなか出せない。テレビの出演者がずっとパソコン観てるわけに行かない。ラジオだと出演者がちょこちょこパソコン・スマホチェックするってことが出来る。

観てる方だってずっとTwitterのハッシュタグおっかけながらだとテレビは観られないでしょ?ラジオなら聞いてるだけだからTwitter観てられる。

あと、「あ、これは素晴らしいことだなぁ」と思ったのがそのラジオ出演の際に観覧の方がいらしたのね。ブースの外で2、3人観覧されてた。これは素晴らしいことだよねぇ。地方の小さい局の20時-22時の放送を生で見学しに来る、って方がいらっしゃるんだから。同級生に伝えたんだけど、観覧に一人いらっしゃるってことはその後ろには更に数人、場合によっちゃ数十人の人が聴いてるってことですよ。メールも意外と来るんだけどメール出す人の後ろには数十人の「メールは出さないけど聴いてる人」がいるってこと。これがねぇ、ラジオの力です。

やっぱりね、ラジオは「地域密着」であるべきだと思うし、更に言うと「あなた密着」であるべきだと思う。「全国の皆様」に向けてではなく、「この街の、あなたに、届けたい」、これがラジオだと思うなぁ。

よくラジオだと「お悩み相談」のコーナーがあるんだけど、こういうの聴いてるとほんとそう思う。ラジオにお悩み送る人ってもちろん解決したい、という気持ちもあるだろうけどそれと同じくらい「誰かに聴いてほしい」というのがあると思うんだよね。顔見知りには相談出来ない、それでも誰かに聴いてほしい、と思ってメールを送るってときだってあると思う。それをラジオパーソナリティーが聴いてくれて、解決することもあるだろうし、パーソナリティーの方も解決出来なくてそれでも「わかります」と言ってくれただけで救われる、ってことってあると思うし。そして聴いてる多くの人がTwitterなんかで「僕も分かるなぁ」とつぶやく、こういう寄り添い感がラジオはいいよね。

ラジオは滅びないと思うなぁ。