林檎の郷から世界へ
バイオ研究および温泉情報 最前線
長部日出雄氏の「神と仏の再発見 ーカミノミクスが地方を救う」を今、読んでいます。長部日出雄は弘前高校の大先輩です。誠に恥ずかしいのですが、長部日出雄の本を手に取るのは初めてです。素晴らしい本です。日本人のソウルを感じました。歴史に不勉強な私にとっては大変勉強にもなります。いつかこの場所に書評でも書ければと思っております。
私が注目したのは、この本が出されている「津軽書房」という出版社です。弘前にこんないい本を出版する地方出版社が存在している、というのには心底驚きでした。大手出版社が出す本の内容と全く遜色ないどころか、ベストセラーに名を連ねてもおかしくない本だと思います。
「津軽書房」について調べてみると、高橋彰一さんという人が一代限りということで設立して、一旦は途絶えたが今はスタッフの1人であった伊藤裕美子氏がその意志を継いで復活し、なお頑張っているとのことでした。長部日出雄を世に出したのもこの津軽書房だと言います。
高橋彰一さんはサントリーの地域文化賞もとっていて、その記事も優れているので読んでみて下さい。記事の中に高橋さんは「失われつつある地方の伝統、文化を現代社会の中に再生していくのが出版の使命であり、そのために地方でこそ“心”の投資が必要である」を信条としていたとあります。この長部氏の本は高橋さんが心から出したかった本ではなかったでしょうか。
最近の津軽書房の姿をお伝えするサントリー文化財団のブログの記事も素晴らしいです。
これらの記事に接し、弘前で誇りを持って地方出版を存続してきた方々の気持ちを思うと、涙せずにはいられない、というのが正直なところです。決して、潰してはいけない弘前の宝です。
P.S.
ハウンドドックの大友康平さんが長部日出雄の甥子さんだったとは知らず、驚きました。