バイオ研究 徒然草

林檎の郷から世界へ
バイオ研究および温泉情報 最前線

アニョハセヨー

2010-02-11 19:07:39 | Weblog
友人の招待で、韓国のYeungnam大学で行なわれたシンポジウムに行ってきました。サイエンスもあることながら、飲み会での手厚い歓迎も受け楽しんでまいりました。韓国の若い研究者とも話す機会をもてましたが、皆、礼儀ただしくて気さくないい人たちばかりだったのが印象に残りました。

ところで、学問のあいまに、統一新羅の首都慶州を訪れました。ここでは昔の王様のお墓やパレス後地、そしてお寺などを訪ねました。ここで案内をしてくれたYeungnam大学の哲学科を卒業したというツアーガイドさんがとても素晴らしかったのです。特に、仏教についての知識が素晴らしかったのです。

ここで彼女が教えてくれたことについて少しだけ紹介しましょう。もちろん、彼女は英語で説明してくれたのですが、前の日に飲み過ぎた私には大変だったのはゆうまでもありません。それでも、思わず聞き入ってしまうほど、彼女の仏教に対する造詣は深かったのです。

1. 涅槃とは。
仏教では輪廻転生が信じられている。すなわち、天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄の6つの世界をいったりきたりするのだ。涅槃とは、この輪廻転生から解脱したさらなる天国であるということであった。(沖雅也が“涅槃で待っている”と言って死んだ意味が理解される)。
2. どうして、お寺の鐘は地面に接しているのか。
仏教ではすべての生けるものの幸福を願うのが基本。地面に接した梵鐘は、地獄で苦痛を受けている人を救済するためである。

などなど、この他にも色々と語ってくれたのでした。もう、一度彼女の説明を聞きに行きたいものです。

ちなみに、彼女が大学生の時に丁度軍事政権からの独立運動があって、大学は2年間ほとんど授業が行なわれなかったそうです。実は、彼女は私とほぼ同世代でありました(ちなみに私は1967年生まれです)。

その他、韓国の人は、“昔、昔、”と言って大昔の話をはじめる時に、“虎がタバコを吸っていた時に”という言いまわしをするそうです。後で、他の人にも確認してみました。これは、「もしかしたら虎がタバコを吸っていたかもしれない。それを確認する手段がないくらい遠い昔にね」ということでありました。Witに富んでいますよね。

Yeungnam大学の図書館。最上階はカフェになっている。


王様のお墓です。


仏様。首が壊れやすいらしく、このようになっています。


仏国寺にてWild pig(猪)。豚にしろ、猪にしろ、韓国では豊穣、金運のシンボル。皆、触りに来ます。


Wild pigが仏国寺に現れた、といってニュースになったらしい。客寄せのためだったらしいが、芸が細かい。

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久しぶりの「プロフェッショナル」

2010-02-02 23:24:17 | Weblog
もうだいぶ前になるのですけれど、「プロフェッショナル」に盲目の科学者、浅川智恵子さんが出演していた。そのご苦労もさることながら、私がハッとしたのは部下の指導で浅川さんが発した一言でありました。
部下が小手先の改善で研究に対して近視眼的になっている時に、
「そんな研究であなたはワクワクするのですか」と。
もっと大きな可能性があって、ワクワクするようなことをめざしなさい、とたしなめたのである。

考えてみると、研究者にとって自分がワクワクすることをするということが、ゆういつの研究に対しての誠実な姿勢であると思う。ワクワクできていなくては研究者とは言えない。また、ワクワクできることが研究者の特権であると思う。
(しかしながら、自分がワクワクできるようなテーマに出会うこと、また、そこまで頑張ることが、自己批判的な研究者にとっては非常に難しいことであると思うのですが。。)。

あくせくした研究生活に追われているうちに、少しだけこのことを忘れていたような気がしました。

P.S.
あすから韓国に出張です。報告しますね。
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