（34）そして、いつものように。なのじゃ。

こうして、ワシの早朝練習は終わった。明日からゆっくり起きれる。電車でのんびり行こう。ネンは何両目の車輌だったか？その日は久しぶりに水曜ロードショーを見てから寝た。 . . . 本文を読む

（33）胸をはって、兄貴に会いに行くのじゃ。

いつも、左手の指先がジンジンして痛いのが、嫌だった。いくら練習しても弾けないのが、嫌だった。すぐに、物差で手をたたく、福田先輩が嫌だった。どんなに頑張っても藤本に追いつけないのが、嫌だった。 . . . 本文を読む

（32）日曜日くらいはゴロゴロしたいのじゃ。

「でも、この1週間でだいぶ上手くなったじゃない。」ネンは、居残り練習を時々つき合うので、ワシが上達するのを生で感じていた。「えっ。そうなんか。俺も負けられんのう。」 . . . 本文を読む

（31）アイ・ラブ・マイギター。なのじゃ。

ハードケース代込みで、ギターもマンドリンも2万円。それと、教則本600円だ。ギターは『カルカッシ』。ドリン系は『オデル』。さすがに、この日は福田先輩も「さっさと練習しろ！」とは言わなかった。 . . . 本文を読む

（30）練習は裏切らない。のじゃ。

旋律はドリン系ばっかりだけど、時々ギターにもカッコイイとこがあるんだ。特に、ギタートップになると、ソロがあったりして目立つんじゃ。」「なるほど！！」ワシは、ギタートップになると、目立って『モテル』と理解した。 . . . 本文を読む

（29）史浩にいさん！あなたって人は。なのじゃ。

ワシの早朝練習は、まずコーヒーを買ってくる事から始まる。初日の練習以来、福田先輩は毎朝、コーヒーを奢ってくれた。朝練3日目にコーヒーをすすりながら、ぼそっと福田先輩が言った。「なんぼ、なんでも朝の6時は早すぎたかのう。」 . . . 本文を読む

（28）さあ、早朝練習開始。なのじゃ。

6時少し前に部室に入った。初めての自転車登校なので、6時までに来れるか不安だったのだ。福田先輩はすでに来ていた。ギターを出してチューニングをしている。 . . . 本文を読む

（27）福田（の野郎）先輩は鬼。なのじゃ。〈3〉

「チハルくんが言うほど、福田先輩。嫌な感じの人じゃないけどなあ。川田先輩と話しをする時は、よく笑ってるし。僕には、そんなに偉そうには、見えないけどなあ。」 . . . 本文を読む

（26）福田（の野郎）先輩は鬼。なのじゃ。〈2〉

「じゃ。明日から朝6時に部室へ来い。」「明日から朝6時に部室へ来い。」「朝6時に部室へ来い。」ワシの頭の中は福田先輩の声が渦巻いている。 . . . 本文を読む

（25）福田（の野郎）先輩は鬼。なのじゃ。

まだ先輩全部を覚えているわけではなかったが、3年生でギター男子の先輩なら知っていてもおかしくない筈なのに、この福田という先輩はどうも見覚えがなかった。しかも、この福田先輩、ずっと不機嫌そうな顔をしている。 . . . 本文を読む

（24）ワシは、ほんとに全国大会に行けるのか？なのじゃ。

『全国高校ギター・マンドリンフェスティバル』これは、コンクールなのである。全国のマンドリンクラブ（主に近畿地方の学校が多い）が一同に会して『優秀賞』を目指して熱戦を繰り広げるのである。 . . . 本文を読む

（23）藤本って才能あるの？。なのじゃ。

ある程度、右手の練習が進むと『カルカッシ（有名なギターの教則本です）』を使っての練習に入る。 . . . 本文を読む

（22）コードって何？。なのじゃ。

よくぞ、聞いてくれた。という顔をして、もぞもぞとEm（イーマイナー）を押さえてボローン。もぞもぞとAm（エーマイナー）を押さえてボローン。 「これが、コードじゃ。」 . . . 本文を読む

（21）最初は右手の練習よ。なのじゃ。

しかし、このギターというやつはどうも持ちにくい。クラシックギターは足を組む場合、正式には左足を上にして足を組むそうじゃが。ワシは通常、足を組む場合に右足を上にする。左足を上にすると違和感がある。 . . . 本文を読む

（20）マンドリン部に入れ。ベースを弾くのじゃ！〈2〉

ネンはガクガク頭を上下させた。うなずいたのか、震えているのか。そして、今まで見せた事ないようなすごい目つきでワシを睨んだ。ゆるせ、ネン。これもワシがギターを弾くためじゃ。ワシに彼女ができたら、きっとその友達を紹介するぞ。 . . . 本文を読む