旋律はいつもドリン系

高校時代のマンドリンクラブの話です。
若干、ほんとのことをベースのフィクションです。

(24)『福田先輩のどん欲さ』byワシ。なのじゃ。

2008年11月28日 01時22分17秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
「今日は、おまえの思う通りやってみろ」と言われた。ワシは先程の続きでまた、ゆっくり集中して弾く練習を始めた。隣で先輩が基礎練習のスケールをやっている。いつもより心なしか遅い気がした。 . . . 本文を読む

(23)『これしか、すがるものがない』byワシ。なのじゃ。

2008年11月25日 21時50分05秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
3時には目が覚めてしまい、それから寝れなくなって、5時過ぎには学校に来てしまった。部室に飛び込むように駆け込む。ギターケースの蓋を開けるのも、もどかしくギターを取り出す。「はあ、はあ、はあ」ワシは興奮して息が荒い。指ならしもせずに、いきなり『ローマトリノ』を最初から弾く。集中!! . . . 本文を読む

(22)『首にロープ』byワシ。なのじゃ。

2008年11月19日 01時24分43秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
こんな風に自分の身体を意識したことがなかった。ペダルを踏む時、手にも力が入っているのにも気付いた。ハンドルを握った手に意識を集中していると、驚いた事に腹筋にも力が入っているのに気付いた。福田先輩が言っていた「指の先まで意識しろ」とは、こういう事ではないじゃろうか? . . . 本文を読む

(21)『13階段の2段目』byワシ。なのじゃ。

2008年11月17日 22時20分31秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
ワシはこれまでの日曜練習や朝練の苦労が水の泡になるのかと思い、気持ちがぐらついた。13階段の2段目。「練習時間が増やせないなら後は、『質』を高めるしかない」『質』と言われても、どういう事なのかわからない。ワシは指事されたら、何でもやる気になっていた。何でも言ってくれなのじゃ。ワシは息を飲んで、次の言葉を待つ。何を言われるのか…。 . . . 本文を読む

(20)『13階段の1段目』byワシ。なのじゃ。

2008年11月11日 21時59分56秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
先輩が出て行って、しばらくは真面目に練習をしていたが、なかなか戻ってこないので、少しサボっていた。しかし、サボってるのがばれると怒られるので、音階練習(ドレミのスケール)を音量だけは大きく、うわの空で、しかも適当に弾いていた。 . . . 本文を読む

(19)『棗田先輩の瞳は奥二重』by福田。なのじゃ。

2008年11月08日 19時30分02秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
棗田先輩の右手の指を思い出した。綺麗な爪はピンクで光沢があった。何か塗ってるんだろうか?ギターを持つ左手の手首を思い出した。『くっ』っと曲げた華奢な手首。その曲げた角度が美しい。制服姿の腰が細い。顔がふくよかだから、ぽっちゃりした印象だが腰は細いのだ。 . . . 本文を読む

(18)『棗田先輩は美人なのか?』by福田。なのじゃ。

2008年11月05日 22時54分52秒 | 3章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争
突然の言葉にワシの思考は一瞬停止した。停止した思考が戻ると同時に驚きと怒りが込み上げて来た。そんな馬鹿な。ワシには天使のよう棗田先輩と、何を考えてるんだか分からない八守先輩が恋人だったなんて、信じられない。きっと棗田先輩は八守先輩にダマされたんだ。そうに違いない。いや。もしかしたら頼り無い八守先輩に同情したんだ。ワシの中で、大阪もギターも江本の事も全部ふっとんでしまった。「そ、それは、ほんまですか?」 . . . 本文を読む