旋律はいつもドリン系

高校時代のマンドリンクラブの話です。
若干、ほんとのことをベースのフィクションです。

(04)知ってるも何も…。なのじゃ。

2010年08月09日 02時54分22秒 | 4章-スターウォーズと夏の日の恋(仮)
目 次
〈1 章-はじまりは、こんなもん〉の最初から
〈2 章-D線の切れる音〉の最初から
〈3 章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争〉の最初から
〈4章-スターウォーズと夏の日の恋〉の最初から


ワシはこの先輩の新たな一面を……。

それからは二人とも練習に身が入らず、早々に朝練を切り上げてしまった。
福田先輩が先に楽器を納めて部室から出ていった。

残ったワシが部室の鍵をかけていると、ふと疑問が湧いてきた。

「何故、ワシを映画に誘ったんじゃ?」と、いうことである。

男同士で映画に行くこと事態、珍しいことじゃないが、
誘うならワシではなくて、親友であるベースの川田先輩ではないだろうか。
川田先輩なら、映画代を奢(おご)ることもないのだから。

だけど、いくら考えても解からなかったので、考えるのをすっぱり止めた。
あきらめが早いのがワシの長所である。

欠点ともいうが。

それよりも映画である。『スター・ウォーズ』である。無料(ただ)なのである。
体の底から喜びが湧きあがってきた。

「うしし」なのじゃ。

しかし、例によってクールなワシの外見に、ニヤケ顔は似合わないので、
照れ隠しに不機嫌な顔をしながら教室に向かった。

だけど体は正直だ。
足取り軽く、教室がある3階まで要した時間は、いつもの半分。
どうやら階段を全て、2段飛ばしで駆け上がったようだった。

教室のドアも勢いよく開けると、いきなり藤本が声をかけてきた。

「チハル。遅いぞ」

ワシは、7時前には学校に来てたんだ!

と、頭の中で抗議したところで、
藤本が座っている席の横に立っている二人に気付いた。

ベースのネンと、ギターの江本が、
ワシの方を見てニコニコ笑っている。

ワシがいない時に、この3人が一緒にいるなんて事は、初めてだったので、
驚いていると、藤本が再び口を開いた。

「スター・ウォーズって云う映画がやってるだろう。
知ってるか?」

知ってるも何も…どこかで聞いたようなセリフである。

本日、二度目の(・_ ・)目が点であった。

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