旋律はいつもドリン系

高校時代のマンドリンクラブの話です。
若干、ほんとのことをベースのフィクションです。

(25)ワシらは『ジ・エンターテナー』。なのじゃ

2008年07月28日 11時47分52秒 | 2章-D線の切れる音
『スティング』のジ・エンターテナーじゃ。曲自体も、ゴキゲンな曲なのじゃが、編曲がギターにとって大変好ましい作りじゃった。ギター大活躍の曲なのじゃ。曲の始めから3分の1がギター合奏になっている。ギターは3パートに別れている。 . . . 本文を読む

(23)涙の夜汽車は部長を乗せて。なのじゃ。

2008年07月26日 09時33分02秒 | 2章-D線の切れる音
帰りは新幹線だ。荷物運びは新幹線に乗ってしまえば、もうお役ご免だった。ネンが左手を痛めたワシを、気づかってくれたのだ。関西方面のOBは、新大阪駅まで見送りに来てくれた。兄貴との別れは「じゃあの。」「じゃ。」で終わりだった。新幹線に乗り込む頃には、沈んでいた雰囲気も、だんだん明るくなっていく。 . . . 本文を読む

(22)藤本の涙とワシの涙。なのじゃ

2008年07月25日 10時49分50秒 | 2章-D線の切れる音
優秀賞の重みを理解したのは正に、この時かもしれない。個人的には、自分の演奏には満足していた。アクシデントはあったものの、演奏中の一体感。集中力など、練習中には味わえなかった経験ができた。先輩達も、自分が経験したような感覚を合奏中に経験しているのだろうか。 . . . 本文を読む

(19)世界は『ローマ・トリノ』で溢れた。のじゃ。

2008年07月21日 00時16分18秒 | 2章-D線の切れる音
藤本の力強い親指の弾弦(だんげん)に、切れかけていたD線が限界を超えた。弦は切れただけでは、音はしない。切れた瞬間、弦が鞭(むち)のようにボディのどこかを叩くのだ。切れた瞬間を見たような気がした。敏(ビン)と弦が切れた瞬間、空気の波を感じた。 . . . 本文を読む

(17)こころを一つに。なのじゃ。

2008年07月19日 12時36分19秒 | 2章-D線の切れる音
直前の学校の演奏が始まる。舞台のそでで、待つ。音はたてられない。演奏をのぞくと、一緒に満員の客席も見える。少し前まで、自分もそこにいた。不思議と緊張がなくなっていた。1年生の自分には、まだ責任感もない。演奏に集中しようと、それだけ考えた。 . . . 本文を読む