晴晴ブログ

このブログは私の見たり・聞いたり・感じたりした事柄を忌憚なく書き記したものです。

「監視社会」の中国

2019-10-28 14:31:53 | 日記
中国は17年の時点で、全国各所に約1億7600万台もの監視カメラの監視網が形成されており、その監視網は「天網」と命名され、配置された監視カメラは「天眼」となり、人々の日常生活に溶け込んでいると言われます。

監視カメラは高画素で、自動識別と検索機能も備えられ、つまり、人工知能化しているのです。その「天眼」システムが備えている顔識別機能は、極めて短い時間で全国民の顔情報に照合ができ、目的の人物が特定できるようになっているといいます。

地下鉄の出入り口、駅、通り、ショッピングセンター、スーパー、体育館、図書館、団地……。公共の場所での一挙手一投足は、すべて記録されると言っても過言ではないようです。例えば、3分間以上、ターミナルの前に駐車すると、監視カメラに車のプレートナンバーを記録され、その画像がビックデータによって解析されて、駐車違反とされます。車のドライバーは、後日、違反切符が切られ、罰金とポイントの減点に関する通知書が届けられるのです。高速道路にも 完備されており、スピード違反は全て検挙の対象になるようです。

中国では、満16歳の国民は全員必ず政府が発行した写真付きの身分証を持っています。したがって、政府はびっくりするほどの規模を持つビッグデータを管理していることになります。

社会全体と国民個人に対する政府のガバナンスも、無限に強化されていきます。
顔認証システムの強化により、陳情、権益の保護、実権を握っている人に対する批判などの行為も監視され、抑制されてしまいかねない問題にもつながって いきます。それらは、やがて大きな社会問題へと発展していく恐れがあります。

「天眼」監視システムは今後、さらに精度を高め、網膜認証も導入すると、米ニューヨーク・タイムズ中国版は中国監視社会について報じています。 中国は、もはやプライバシーはあるようでない時代に突入したのかも知れません。

「天眼」監視システムは犯罪を抑制することが目的とされていますが、本当のところは、国民の監視に使われていることは明白ではないでしょうか?

話題のファーウェイは都市、鉄道交通、政府機関に対して、それぞれのニーズに合った監視ソリューションを提供でき、監視カメラも製造していると見られ、しかも「天網」システム構築の主力だとも伝えられています。

プライバシー保護とのせめぎ合いは、個人としてのプライバシーはどこまで侵害されているのか、という国民の不安を呼び、社会問題化して来る事は間違い ありません。

正に現代版パノプティコンの世界と言えるかも知れません。