晴晴ブログ

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日本人の深層文化 

2021-09-28 14:17:52 | 日記
それぞれの国や地域には、長い歴史と風土の中で育まれた 特有の文化、ものの考え方があります。
それぞれの国には、ふだんは表に出ないが何か一大事が起きると、それが表面化する。所謂、「深層文化」と呼ばれるものです。
深層文化とは、個人個人独自のものではなく、ある集団のなかに存在する共通の 潜在意識と言えるでしょう。

深層文化は「集団的レベルにおける潜在意識」と定義されます。

私たち日本の深層文化というものは、陰陽道的な傾向が強く、非常に垂直的で、そして実務的という特徴があるとされます。
陰陽思想とは、全ての事象は それだけが単独で存在するのではなく、「陰」と「陽」という「相反する形」で存在し、かつ、相反しつつも一方が無ければ、もう一方も存在し得ず、また それぞれが生成消滅を繰り返して成り立つという思想を指します。

陰陽五行思想の影響は、日本の民間の風習の中に今も多くみられます。
婚礼や葬儀の日取り、友引・仏滅、移転の方位、鬼門、縁組、季節の節句、七五三、水引、鬼門など数えたら切がありませんが、「陰陽五行」は古代中国で生まれた、森羅万象を説明しつくす自然哲学でした。
また、陰陽五行思想は、それぞれの事象が持つエネルギーのバランス調整理論であるともいえます。
バランスの取れた状態が最良の状態であるという、実はシンプルなものの見方は、人間の生活や社会の事象の全てにあてはまるといえるでしょう。

日本の深層文化の特徴は、
(1)自然観、自然哲学(自然の移り変わりを重視し、この世の出来事のすべてには、良い状態の時も、悪い状態の時もある という見方。「成り行き任せ」ともいえる)。
(2)垂直的な構造(下に向かっては横柄な態度をとるが、上に向かっては、こびへつらう。個人レベルだけでな く、国家として世界に対する態度も同様)。
(3)集団性(孤立をおそれる)。
(4)撤退の選択(困難に立ち向かうよりも、引き下がる、身を引く)。
(5) 妥協(徹底的に自己主張するよりも、適当に手を打つ)。
(6)調和主義(全体の調和を優先する。実際の問題に触れずに、態度と行動を重視する)。
以上の6つのものが考えられますが、如何でしょうか?

因みに、アメリカの深層文化は「二元論的で、水平的で、楽観的」であると言われます。
ひとつの物事に対して、それぞれみんなで協力して結果を出そうとする傾向があり、社会の構造が水平的である点、 将来について基本的に楽観的、やればできるという考え方が強いとされます。

また、中国の人々は「陰陽道的、垂直的、実務的」な発想をする。陰陽道的とは、二元論的なものの捉え方と対比されるもので、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があり、両方合わせて意味があるというふうに、物事を表面的に見て判断してしまうのではなく、もっと複雑な捉え方をするということ。

案外、中国と日本の深層文化が類似しているかも知れません。


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