ギリシャの財政赤字の最大の要因は公務員労組が守ろうとする「超巨大な政府」にあると言われています。ギリシャの人口は1094万人、そのうち公務員は約100万人で人口の1割弱、全労働人口の25%を占めているのです。
ここまで公務員の数が膨れあがった理由は1974年の軍事政権崩壊以降、右派、左派が政権交代を繰り返し、そのたびに自分たちの支持者を公務員として採用し、幹部の首もごっそりすげ替えたのです。公務員には両派の支持者が混在し政権基盤を固めるために自派側の公務員労組の要求を次々に受け入れ、公務員の既得権が膨れあがっていったようです。
“特権”ぶりは身分の安定だけではなく、恵まれた早期退職制度、早期年金受給などにも及び、ギリシャ国内で、公務員は、学生の就職人気ランキングで常にナンバー1だとか。
中でも最優遇は、経済関係の中央官僚で、表向きの基本給は月約2千ユーロ(約21万円)だが、各種手当が加算されると月約7千ユーロ(約74万円)になるらしい。また時間通りに出勤すると支給される特別手当もあると言われる。
更には、年金の相続という常識外れの制度も存在し、一部の公務員は、本人と配偶者が死亡した場合、未婚または離婚した娘が親の年金受給を引き継ぐことができ、現在約4万人の女性が受給していると言われ、年間の支出額は約5億5千万ユーロ(約644億円)になるという。
ギリシャ政府は、欧州連合、国際通貨基金、欧州中央銀行の3機関からつなぎ融資80億ユーロ(約8400億円)を確保するため、公務員3万人の一時休職、給与を4割削減、課税免除引下げ、年金受給額の2割減等々追加緊縮財政策を発表しましたが、政府は本気で実行するのでしょうか?
ギリシャは10月半ばまでに追加融資を受けないと、デフォルトに陥る危険があると言われています。