キモ男3人衆VSイケメン新山いつき編「野郎の正体は秘密にする」
「皆月だけど、いつきくん。話は聞いたよ。野郎の正体がわかったんだって。それから、あの二人をいつきが作ったサークルに参加させてくれるんだって」
「木太郎くん、それはまだ早いですよ。まずは、いつきが言ったことは一度白紙にしてもらおう」
「えっ、どういうこと。それなりに、お金は用意するのに。」
「はっきり、言おう。僕にとって重要なのは、金、そして、屋敷の謎の解明だ」
「話がちがうじゃないか?」
「よく聞いてくれ、野郎の正体はわかったが、屋敷の謎を解くまでは教えられない。しかし、金は払ってもらう、そしてPETにも参加してもらう、そして、金額の取り決めはいつきの前で行う。ただし、いつきの前では、あくまでも野郎の正体を秘密にすることが口止め料の金額だ。」
「何で、それで、俺がお金を払わなければいけないんだ。オタクの言ってることがさっぱりわからんのだが」
「木太郎くん、君のメアド教えてくれる。今からメール送るから」
「何のために?」
「まあ、僕のメールを見ればわかるよ。僕の言ってる意味が、それから、ファンタ女学院の件は約束を守ってあげるよ」
「本当かい!じゃあ、とにかく、メール待ってるよ」
木太郎は永久が何を考えているのかわからないまま、メールを待った。
振動がした。そして、メールが届く。件名は「こういう風にとるんだよ」
「あっ、これはアユメちゃんとヒラメちゃんだ、うれしそうにピースしている。うまく撮れているな」
また、振動がした。そして、メールが件名は「隠し撮りはいかんよ」
「これは、昨日の俺だ?うあー、挙動不審なとり方だ?何でこんな写真が」
また、振動がした。ゆっくり電話にでる。
「理解できた。君が金を払う理由は2枚目の写真さ。1枚目はサービスさ。わかるよね。僕の言ってることが、ただでさえ三人衆と言われている君のこんな写真をアユメちゃんとヒラメちゃんだけでなく、ファンタ女学院のみんなに送ったら、どうなるだろうね。キモ男じゃすまないよね。」
「俺をゆする気か。」
「いや、彼女たちの勧誘料だ。いつきを証人にして野郎の正体がわかったことにして、プロジェクトリーダーであるお前が話しをつけたことにすれば、オタクらの仲間も少し
は落ち着くだろ!そのための、口止め料さ。オタクにも悪い話じゃないだろ」
「まあ、野郎の件がおさまらないで、次のサークルで浮かれているでは、確かに示しがつかないな。でも、野郎の行動をどう抑えるんだ」
「だから、こう情報を流せ、野郎のHPやブログは好きにやらせる。野郎のHP等を
もう荒らさない。その代わり、野郎も俺たちとはかかわらない。」
「ようするに、野郎を無視してやる代わりに、野郎の好きなままにさせるということ
かい、ずいぶん野郎に有利だな」
「そうかな?野郎のHPに関心あるのは、野郎とつながっていたやつだけだろう。僕やオタクにはどうでもいいことだ。オタクらの仲間にもそうだ。野郎を野放しにして嫌なのは野郎とつながっていた奴だけじゃないか。」
「いや、おれらの仲間も野郎のHPには結構関心あるぞ。」
「それは野郎とつながっていた奴を知りたいなどの好奇心と、そいつを懲らしめたいと思う気持ちだけで、痛くもかゆくもないことだ、僕も読んだが、うんこやハナクソとか勉強ができないとか、キモ男だとかイケメンだとか、どこにもありそうな話しでくだらない話だ。それもフィクションで書かれてる。相手にしなきゃ、結構じゃないか」
「いや、どれも自分がやったと思われたらむかつくよ。それに、キモ男とイケメンじゃだいぶ違うだろが!でも、オタクの言うことも一理あるな、仲間の中にはもうこの問題に嫌気がさしてきているやつもいて、それなりに事情は変わってきているんで、オタクのいうとおりにやって様子をみることにするか、場合によってはこっちはサイトを移転させればいいしな。でも、いつきには何故、本当のことは言わないんだ?」
「あいつはね。ああみえても、結構、信用あって、なおかつ、男って言葉に弱いんで、秘密にしておいてくれと言えば、秘密にするように口は堅いが、根はわりに正直だから、顔に出たりすることもあるんで、本当のことは秘密にしておいた方がいいと思うんだ」
「あと、野郎の正体とそのつながっていた奴を話さない理由は、どうしたらいい」
「プロジェクトのため、内紛は避ける。それで、充分だ。木太郎、オタクがそういえば、みんなついてくるよ」
「そうだといいんだか、まあ、いい方向に考えよう、それから金の方は?」
「いつきのいる前で話す」
「あまり、ふっかけるなよ」
「さあ、それはどうかな。じゃあ、待ち合わせ場所と時間はいつきと相談してメール
くれ」
「了解!じゃあ」
「また」
木太郎は「たしか、いつきの話だと永久はかなりのオバカだと、でも今日の電話で話した限り、かなり鋭いぞ。油断はできないな。それに実は奴が野郎だったなんて?そういうオチはさすがにないか」そう呟いた。
(続く)