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ワニと読むミステリ(ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻)

ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻 (文春文庫)
P・G・ウッドハウス
文藝春秋


読むと、ジーヴズはお見通し。
 
(P・G・ウッドハウス著)
 短編集です。前半はバーティ(ジーヴズの主人)、後半はジーヴズの語りです。
 20世紀初頭のお話。
 ジーヴズのご主人バーティは、人は良いのだけれど、少々間が抜けています。バーティの親友ビンゴはこれまた人は良いのだけれど、とにかく惚れっぽくて、たえず誰かに恋をして、しかも熱烈に恋をしてそのたびにバーティに相談にきます。バーティは、親友ビンゴの恋の成就のため毎回一肌脱ぐのですが、二人の計画は思いもよらぬ障害が発生し、あらぬ方向へと一人で走り出してしまいます。
 バーティの叔母アガサは、なんとかしてバーティを結婚させようとして、花嫁候補を探し出してくるのですが、結婚したくないバーティはなんとかしてそれから逃れようとして、それがまたとんでもない結果に終わります。
 主要な登場人物はみんな良い人なのですが、その人たちがからまると、なぜか事態は予期せぬ方向へと転がり出し、転がり出すと誰にも止めることができず、それでも結果は、まぁ、いいか、ということで納まってしまいます。
 バーティの服装の趣味を巡っての、ジーヴズとの闘いも、いつもジーヴズが先んじています。
 こんなにおもしろい話はありません。
 このごろは、こんなに文句なしに楽しめる作品がなぜ出てこないのでしょうか。
 もっとずっと読みたくなりますが、うれしいことにすぐに次の本が出版予定です。2011年6月10日がその日です。予約するもよし、その日に書店にかけつけるもよし、とにかくすぐに読みましょう。
 
■P・G・ウッドハウス
 ペラム・グレンヴィル・ウッドハウス。
本の解説によると、1881年イギリス、サリー州ギルフォード生まれ、1975年逝去。93歳。
コミックな作品をたくさん世に送り出す。
作品群や経歴については、巻末に詳しく載っているので、興味のある方はそちらを参照してください。

主人公: ジーヴズ(従僕)
バーティ・ウースター(ジーヴズの主人)
場所:  イギリス、USA
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 大


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