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ワニと読むミステリ(老検死官シリ先生がゆく)

読むと、まったく油断がなりませんが、人間の心理は普遍です。

(コリン・コッタリル著)
ラオスが舞台というきわめて珍しいミステリです。
ま、どこの国で起ころうと、ミステリはミステリなので、かまいません。
シリ先生は、フランスに留学したこともありますが、最愛の妻に先立たれ、今は故郷のラオスで唯一の検死官をしています。設備もない、医薬品もない、というないないづくしの中で、なんとか知恵を働かせ謎の死体の解明に立ち向かいます。
しかしスパイがいっぱいで、何を話すのも油断ができません。
運び込まれた水死体は、どうやらベトナム人らしく、しかも外交官であることが判明し、事件は国際紛争めいてきます。
これだけでもシリ先生のアタマが痛いのに、さらに上級共産党員の妻がイベントの席上で突然亡くなり、どうやら毒殺されたらしいということで、こちらも気がかりです。
真相解明に忙しいシリ先生に魔の手がのび、狙撃手が現れます。
いったい誰がシリ先生の命を無きものにしようというのでしょうか。
72歳ながら、シリ先生の事件解明の意欲は衰えず、命の危険を冒しながら雄雄しく立ち向かって行きます。
しかも、シリ先生には、霊的能力がありそうな。
うーむ、なかなか。
亡き妻ブアとの若き日の思い出や、ブアの死にいたる真相が明かされるところなど、ちょっとキュンときます。

検死官事務所の看護婦デツイ、助手でダウン症のグン君、シリ先生に特別メニューのサンドイッチを作ってくれるラーおばさん、シリ先生の友人など、ほのぼのした雰囲気もあり、また読みたいという気になります。

■コリン・コッタリル
 イギリス人です。
 本のあとがきによると、チェンマイ大学で教鞭をとりながら、年一作のペースでシリ先生シリーズを発表しているそうです。
 次の翻訳が楽しみです。
 
主人公: シリ・パイブーン(ラオスでただひとりの検死官)
場所:  ラオス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中


老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス)
コリン コッタリル
ヴィレッジブックス

ほのぼの謎解きしたい方に
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