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ワニと読むミステリ(魔の淵)

読むと、怪奇現象も欲がからむ。

(ヘイク・タルボット作)
 長編はたった2冊しか書いていません。
 もう1冊は、絞首人の手伝い
 出版されたのは、「魔の淵」が先ですが、ワニは、逆の順番で読んでいます。
 密室殺人です。
 今回は吹雪で外界から遮断されてしまった雪山の山荘で起こる殺人事件。
 いいですね、こういう設定。登場人物は数少なく、しかもこの人たちの中に殺人者がいることははっきりしていて、みんな誰かを疑いながらも、山荘を離れることができない。究極の密室殺人事件。
 それに、降霊会まで用意されているのですから、申し分ないです。
 伐採事業を巡って争いが起こっているのですが、その伐採は、14年前に亡くなったデザナの遺志が関係していて、勝手に木を切ることができません。なんとかこの現状を打開しようと、材木業者オグデンは、デザナの霊を呼び出して、その遺志を確認しなんとか木を切ることができるようにしようと考えます。降霊会を開こうというのですが、その霊媒を務めるのは、オグデンの妻でありデザナの元妻のアイリーンです。これだけでなにかが起こりそうでしょう。
 降霊会では、デザナが現れ、散々アイリーンを罵って色々な霊現象を起こし、さっと消えてしまいます。降霊会に参加した面々は翻弄され、なにがなんだかわからないままに降霊会は終わってしまいます。
 しかし、恐ろしいことに、霊媒のアイリーンが、頭を斧で割られて亡くなっているのが発見され、降霊会は思わぬ事件を呼んでしまいます。
 降霊会のたくらみが、のちほど謎解きされたりで、舞台裏を覗く楽しみもあります。
 探偵役は、「絞首人の手伝い」と同じく賭博師ローガン・キンケイド。
 チェコからの亡命者がいて、これがまた怪しげで、この頃の時代の感じが好きです。

 タルボットの長編はこれでおしまいのようなので、あとは短編の出版を期待します。

主人公: ローガン・キンケイド(賭博師)
場所:  カナダ、ケベック州
グルメ: なし
動物:  イヌ:ソー(グレートデン)
ユーモア: 小


魔の淵 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ヘイク タルボット
早川書房

怪奇と密室に目がない方へ
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