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ワニと読むミステリ(アルアル島の大事件)

読むと、啓示の声を聞き逃さないようにしようと思う。

(クリストファー・ムーア著)
おかしな話です。
結構ページ数があるのですが、思わぬ展開になっていき、それを感じさせないようなテンポの良さで進んでいきます。
ミクロネシアということで、サメが出てきますが、ワニはなし。残念!
大事故を起こしたタッカーは、アメリカにいられなくなり、ミクロネシアの端にあるアルアル島の伝道医師セバスチャンに雇われて、なんだか怪しいものを輸送することになります。セバスチャンと妻ベス、その用心棒(ニンジャと呼ばれる日本人数名)は、島でとても贅沢な暮らしをしているのですが、伝道医師って、そんなにもうかるのでしょうか?
アルアル島の島民は、シャーク族といい、サメを狩猟して昔通りの生活をしています。裸同然で、夜は広場に集まって島で作ったアヤシげな酒を回し飲みしながらおしゃべりをするような呑気な生活です。良いですね。でも、携帯電話を使っていたり、なんだかチグハグ。人食いの風習があったのですが、今はとめられています。が、サラプルじいさんは、そんな昔の風習を捨てられず、漂流してきたタッカーたちを食べようとしますよ。このあたり、すごくおかしくて、ワニ好みです。
島民が神と信じているヴィンセントの姿が時々現れ、タッカーたちを指示したりするのですが、このヴィンセントは昔のパイロットだったらしいとか、なんだか神様らしくない。
日本人を顧客にした臓器移植のための臓器売買の話が、このミクロネシアの呑気な島の生活をどう変えていくのでしょうか。
しかし! 日本人が幾人か出てくるのですが、いずれも個性に乏しくて、見分けがつかない。用心棒や会社の顔しかないようで、そのあたりは日本人を見る目ってこうなのかなと、考えさせられます。悪役だし。
頑迷で昔のしきたりを捨てることができないような古い考えに固まっているようなサラプルじいさんですが、島民全員が神様と信じてその儀式に従うところ、ただひとりだけ疑いを持ち、真相に気がついているところは、現代の風刺かもしれません。サラプルじいさん、人食いに戻れるのかな。
こうもりのロベルトは、ヤップ島のおかまキーミのペットです。神のお使いめいた謎の言動あり。キーミも食べられそうになります。

質問: ロベルトの種類はなんでしょうか。

主人公: タッカー・ケース(化粧品会社のお抱えパイロット) 
Male
場所:  ミクロネシア、アルアル島
グルメ: なし
動物:  こうもり:ロベルト
ユーモア: 大


アルアル島の大事件

東京創元社

AMAZONへミステリを買いに行くワニスケ
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