辞 ～クビにされるくらいなら、こっちから辞めてやる！～

社長の客がやって来た。

何でも、履歴書を１枚渡し、「就職先の面倒を見てほしい」とのこと。


ストレートに訳せば、

「ココで雇ってくれないか？」ということ。


ちなみに、私と同じポジションの女の子だったりする。


勿論、私の他に雇える程の余裕は、

ない。




「困った困った」と悩む社長。

何でも、医者一家のお嬢様（？）で、無碍には出来ないとか。（ケーッ！）


履歴書を見てみると、

大学は、興味のある学部へと進んだらしく、大した所ではなかったが、

高校は、この辺でレベルが一番高い所を、トップに近い成績で卒業！


性格も真面目で明るく、非常に責任感もあり、面倒見もいいらしい。

部活（サークル）やバイトにも積極的だとか。

顔写真も、白黒コピーで見づらかったが、決してブスではない。


・・とまぁ、例えいい所を割り増しに書かれる履歴書であるにしても、

中々好印象なお嬢さんで。

私が勝てる部分は、字の上手さだけなようで。


字が下手なのは仕方無いにしても、彼女、履歴書の書き方が全然なってなかったね。

履歴書というものを、ナめ過ぎだと思うよ。

履歴書に関しては、ちょっと五月蠅いのでヨロシク。（ウザー）




ノリ気でなかったはずの社長は、この履歴書を見た途端、

「ほっほーぅ」とか「凄いな・・」とか、少なからず絶賛。


しまいには、私に「どうしたらいい？？」と問い掛けてくる始末。




え、何？


遠回しに「辞めろ」って言ってんの？？




つーか、途中まで“医者”の道を歩んでいたらしいのに、

何で突然、“事務職”に変更してくる訳？！

それだけの脳味噌と環境が整っていれば、

別に医者を目指さなくとも、他に選択肢をもっと広げられるはずではないか？！


それに事務職なんてのはなぁ、

課長・部長にお茶出して　小言・セクハラ腹が立つ♪　は～しんど・・

幸せ一杯飲みたくなるもんなんだぞ！（某ＣＭ風）


来客にニコニコ、電話でペコペコ、全ての雑用・要望を愛想良く引き受ける、

ここも一種のキャバクラだぜ！（え）




社長も社長だ！

私の変わりに彼女を入れたとしたら、仕事も一から教え直さなければならないし、

大卒になるから、給料も上げなくてはならないではないか！




社会とは、勤めてすぐ辞める若者にも冷たいが、

長く勤める若者にも冷たいね・・。