迷宮映画館

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009年01月29日 | は行 外国映画
試写会にて鑑賞。
試写会があったので、今週末に公開かと思ったら、来週末だった。
と言うことで、上映は来週までお待ちください。

まず上映時間の長さにちょっとびっくり。2時間47分!!ただし、エンドロールが5分以上ありましたので、正味はちょっと少ないかも。
で、その長さに二の足を踏みそうな方、長さはあまり気になりません。
あっという間に終わった・・・・とは言いませんが、さすがの今のブラピの登場!となってからは、ぐいぐいと引き込まれます。


さてお話は・・・

第一次世界大戦時、舞台はニューオーリンズ。若者を戦争に取られ、憔悴の両親。戦争に勝った!!などと浮かれている状況の脇で、息子を失い、悲しみに暮れる家族もいた。

時を戻したい!!時を戻せば、戦争などというバカげた状況で命を失った若者たちを、家族のもとに返すことができるのではないか。なんとか時を戻したい・・・と思った息子を失った父親の思いがそうさせたのかはわからないが、ある日、バトン家で生まれた赤ん坊は、80歳の老人のようだった。

母親は、赤ん坊の行く末を父親に託して亡くなるが、その赤ん坊を見た父は、ショックのあまり、ある老人ホームの軒先に赤ん坊を捨ててしまう。

しかし、老人ホームで、働いていたクィ二ーは、その赤ん坊を見て、子供の産めない自分への神の贈り物だとして、その見はなされた老人のような赤ん坊を育てる。すぐに死ぬだろう・・・と思われていた赤ん坊は、すくすくとは言えないが、じっくりじっくりと育ち、じわじわと若返って行く。人とは違う歩みをしていくんだ・・・と言うことが分かってくる。

と言うことで、1918年の第一次大戦の終わった頃から、恐慌、第二次大戦、60年代、・・・そして現代へと物語は続き、80年間の歴史をたどる物語にもなっている。

老人からだんだん姿形が若くなって、見た目はどんどん変わっていくのだが、周りにそれを理解したり、とにかくいい人がいっぱいいるので、それでものすごく困る!とか、それによって人生が破たんしてしまった・・・と言うことがない。

生涯愛したデイジーも、幼いころに(ベンは老人の姿)出会い、一番いい時を一緒に過ごすのだが、一緒に老いられなくても、十分な幸せを手に入れたように見える。数奇な人生・・・と言うより、普通の幸せな人生に見えたのだ。

彼が違ったのは、幼いころ(姿は老人)から人の死や、別れを見てきたこと。絶望のような状態から、どんどんと気力がみなぎるようになっていくこと。でも、それが人生にどんな大きな影響を与えたのか・・・と言うことはあまり見えない。

もともとフィンチャーの映画があまり好きでないので、はなっから好意的な見方をしていないのだが、・・・・彼の映画は、「だから何なの?」とつい思ってしまうもんで・・・・・今まで見たフィンチャーの中では、ずいぶんと人のあったかさを感じた。50過ぎた頃のデイジーと、若くなった(このブラピは、マジに若かった!!『リバーランズ・スルー・イット』のころを思い出した!!あの姿は必見)再会が、優しくなかったかなあ・・・・。

かっこいいとは思うが、あまりブラッドちゃんに思い入れのない私でも、「マジかっこええやん」とは思わせた。ほとんど出ずっぱり、まごうことなきブラッド・ピットの映画だ。ブラッドさんのファンの方は、あのブラッドの姿に、くらっとくること間違いない。

そう、ブラッド・ピットの、フィンチャーによる、ブラッドファンのための映画・・かな。

◎◎◎○●

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

監督 デビッド・フィンチャー
出演 ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット タラジ・P・ヘンソン ジュリア・オーモンド ジェイソン・フレミング イライアス・コーティーズ ティルダ・スウィントン ジャレッド・ハリス エル・ファニング マハーシャラルハズバズ・アリ


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26 コメント

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そうでしたね (miyu)
2009-01-31 13:53:22
あんまり長さを感じないと言うか、
それだけの時間をひきつけ続けるという意味では
なかなかのもんでしたね。
短くっても飽きてしまう映画も多い中
久し振りに見応えのある映画らしい映画でした。
でも、おっしゃるようにだから何?となってしまうのが
痛いところかな。言いたいことはわかるのだけど
もうちょっと見るものに訴えかけるところが
あっても良かったように感じましたね。
>miyuさま (sakurai)
2009-01-31 14:47:32
前半のちょっとたりいところはあくび連発だったのですが、さすがに頭ふさふさになってからのブラッドちゃんの登場からは、ぐいぐい見せましたね。
ケイト・ブランシェットが、気品を出してたような気がしました。
エルちゃんは、本物ですね。
sakuraiさん☆ (mig)
2009-02-03 23:52:49
こんばんは♪
コメントありがとうございました

フィンチャーの映画、わたしは逆に好きなのですけど最近のは今イチだなぁって思ってたところでこれ。
ブラピとはやっぱり相性いいみたいです★
なんでもあと3作は一緒にやるらしいですよ(笑)
若い頃なんてどうするのかと思ったら
さすが今の時代、見事CGで10代後半にもみえるくらい若返りましたよね!
>migさま (sakurai)
2009-02-04 08:07:45
どうもです。
あたしはあの伝説の「セブン」が、どうしてもだめで・・。
あのいつまでも砂を食んだような、じゃりじゃりとまとわりついた感じ。
まあ、独特の表わし方をするので、惹きつけられます。
昨日のNHKの朝のニュースのインタビューによると、毎日数時間をかけてメイクをしたとか。
あの若い頃のキュートな表情には、私も一瞬若くなったような気がしました。
フィンチャー作品 (にゃむばなな)
2009-02-07 18:26:39
私はフィンチャー作品は好きですよ。
『ゲーム』は全然面白くなかったですけど。

でもこの映画はこのせつないお話を凄く丁寧に描いてましたよね。
その丁寧さがこのような長時間の映画になったような気がしましたよ。
こんばんは♪ (SOAR)
2009-02-07 18:49:09
若き日のブラピに会えるだけでもファンにはたまらないですね。未来の彼も見られるし!

もともと顔立ちがあまり好きではないケイト・ブランシェットに、なぜか今回は惹かれてしまいました。ベンジャミンの最後を見届けるシーンもよかったなあ。
こんばんは♪ (ゆかりん)
2009-02-07 22:05:22
コメントありがとうございました。
私もブラッド・ピットには思い入れがあるわけじゃないんですが、変にドキドキしちゃいました。
ファンにはたまらない作品ですねー。
>にゃむばななさま (sakurai)
2009-02-08 09:15:32
「セブン」がだめだったので、その後もどうも素直に見れません。
なので今回のフィンチャーは、ずいぶんあったかくて、タッチが変わったなあ、と感じました。
丁寧さが心地いい映画でした。
>SOARさま (sakurai)
2009-02-08 09:17:21
未来の彼は、そんなに見なくてもいいですが、若かりし頃の姿を、マジに思い出させられました。
ケイト・ブランシェットは神々しささえ感じられましたね。
見事でした。
>ゆかりんさま (sakurai)
2009-02-08 09:19:09
若い時の様子や、バイクでさびしげに去る姿には、どきっとさせられましたよ。
あんまり、ファン!!!!だという方にあわないのですが、いまどきの若い方たちは、どう思ってんでしょうね。

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