サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

10冊の本

2016年12月14日 | サカタだよ
2016年も押し詰まってまいりました。今年1年どんな本を読んだかな? 読書記録をふりかえってみると
驚くほど仕事関連の本ばかり! 趣味で読んでる本なんか数えるほどしかありません。貧しい人生ですよ。
よよよ……(咽び泣く声)。

涙をふいて、純粋に楽しみで読んだ本、仕事に関係なく読んだ本、ただ単に面白かった本を10冊選んで、
心の栞にしようと思いました。


ニッポン沈没

斎藤美奈子さんの本です。『妊娠小説』のころ(20年以上前?)は『超一流主義』の斎藤澪奈子さんと混同
しそうになった覚えもありますが、『紅一点論』とかその後も著作を読むうちに間違えようがなくなりました。
『ニッポン沈没』は時事ネタを関連書3冊の書評であつかう、手の込んだ本で、NHKの偏見を茶化している
(と思われる)「余計なお世話の『無縁社会』」の回がとくに楽しい。それから、まえがきに書いてあること…
近年この国を襲った大きな「人災」として「東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故」(2011年3月)と
もうひとつ、「第二次安倍晋三政権の誕生」(2012年12月)というのを見て笑ってしまいました。その他にも
いろいろ笑いのツボを突きまくる内容の濃い本です。


文壇五十年

キンドルで正宗白鳥の無料のコンテンツを読んでいるうちに、まとまったものが読みたくなって買って読んだ
明治・大正・昭和の文壇史です。正宗白鳥その人が明治・大正・昭和を生きたので、同時代の人の受け止め
方がとても生々しく垣間見えるのが魅力です。よくいえば透徹した目を持っている、悪くいえば辛辣そのもの。
そんな正宗白鳥の個性が全開になっていて、ずっと笑い通しです。いま生きてたら面白いのに!


誰にも書けない
アイドル論


とても厳しい家庭に育ったクリス松村(男のお姉タレント)が、父に認められない歌謡曲を心の支えに必死で
生きてきた思いのたけが記されていて、圧倒されます。非常に克明な記憶と、客観的なデータで説得力ある
アイドル論が展開されますが、本質は情念の書で深い感動を覚えました。確かに誰にも書けません。


モードの身体史

近世フランスの服飾にみる清潔・ふるまい・逸脱の文化、というサブタイトルがついた本です。ファッションが
社会の階層と密接に結びついていた時代、旧体制のモードについて、知らないことがたくさん書いてあって
刺激的でした。上流の人物は白い服を着替えることで清潔が保たれる、ゆえに入浴しないどころか、入浴は
害毒であると考えられていた話とか。脳が裏返りそうな逸話が、いっぱい詰まっています。


パナマ文書の正体

今年はタックスヘイブンに注目が集まりましたね。いま世の中が乱れているのは、かなりの度合いでタックス
ヘイブンのせい。タックスヘイブンがパナマ以外にもあちこちに存在しているのは、かなりの度合いでイギリス
のせいだとわかって、はらわたが煮えくり返りました。日本は関係ないかのようですが、とんでもないことです。
関係大ありどころか、完全に巻き込まれていて、もう笑うしかありません。


QUEEN OF THE DAY

ミュージックライフの編集長だった東郷かおる子さんが、クイーンを追いかけていた(海外まで追いかけていた)
当時をふりかえり、当時の記事も掲載してまとめた本です。『誰にも書けないアイドル論』に優るとも劣らぬ情念。
一文字たりとも目が離せないスリルに満ち溢れています。変態としか思えない衣装を身に着けたバンドの写真が
(フレディ―・マーキュリー以外の3人もかなり奇天烈!)カラーでたくさん掲載されているのも、ものすごいです。
1970年代にはきっと見てはいけないものが山ほどあって、時の流れの中に埋もれているにちがいありません。
1974年のミュージックライフ12月号の人気投票によると、「クイーン、遂にイエスを追い抜く!」だそうで、1位が
エマーソン・レイク&パーマー、2位がレッド・ツェッペリン、3位がクイーンで4位がイエス……なんだその顔ぶれ
とあっけにとられました。


ブギーポップ新作

『ブギーポップは笑わない』から20年近く続いているシリーズ、全部読んでいます。ゲーム小説とか呼ばれてた
ものがライトノベル……略してラノベになって、2000年代ものすごーく勢いがありましたけど沈静化しましたね。
そのあいだずーっとブギーポップはスタンスを崩さずにシリーズを重ねています。『螺旋のエンぺロイダー』とかも
書いてる(読んでる)から新作はおあずけかなと思っていたら出た『ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティヴ・
エゴの乱逆』という長いタイトルの本も、やっぱり面白かったです。説明するのは長くなるからしません。


気になる部分

偏執的にささいなことを気にするエッセイを集めた本です。明らかに人を笑わせることに必死になっている本で、
冗漫さが全くなく、本来の意味でスタイルがあります。文体のほうのスタイル。ときどきショートショートのような
ブラックユーモアが仕組んでありますが、人を笑わせようと真剣になるあまり、そうなっているんだと思います。
『ねにもつタイプ』と『なんらかの事情』も同じです。


とんでるバカ本

タイトルに面白ってついてる本が面白かったことはありません。しかし、バカってついてる本はたまには面白い
場合があります。この『お待ちかね版とんでるバカ本』は、豆たぬきの本というシリーズが懐かしいな~と思って
よく考えずに買った古本なんですけど、『學問』とかで有名になる前の夏目房之介が才能を持て余してるような
変な本で、面白いから『2』も読んだらそっちは『學問』っぽい漫画エッセイが多くて今ひとつでした。


元号でたどる日本史

大化の改新の大化という元号は、なかったのではといわれている……とか、のっけから面白いこと書いてある
ので読み始めたら、昔の人は白い雉を見てめでたいから白雉という元号にしたり、赤い雉が献上された記念に
朱鳥と改元したり、いまの日本人とちがって大らかだな~! 元号ころころ変わるし、生前退位は当たり前だし、
生きている人が守ろうとする伝統なんて一時の流行にすぎないことが実例でわかる面白い本です。長続きした
元号ランキングの断トツ1位は昭和ですが、平成もじつはトップクラス。案外いろいろなことがあったな~! と
ふりかえったら面白いのではないかと思い、年明けから3号連続で「平成」をテーマに「お茶の時間」という記事
をつくることにしました。仕事関係ないつもりで読んだ本なのに、仕事になっちゃった。あ~あ……。

覚えていたら年明け
平成3部作みてね~
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