さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

農家民宿へ

2011年10月18日 | 現場9~山ノ内町 農家民宿 

「巨峰が今年は豊作でたくさんあるから採りにおいで~」

と、

かれこれ、10年も前に設計をさせてもらった、

山ノ内町の農家民宿「一風」の御主人から

お誘い(?)の電話が かかってきました。

 

おぉっ 巨峰~☆

ということで、

16日の日曜日、久々に山ノ内町まで行ってきました

P1170682

菅平高原の紅葉を眺めながらドライブ

 

実は、 

巨峰を採りに、というよりは、

「家具のことで相談があるので来てくれ」

との事で、

建物のメンテナンスの件でしたら、

いつもは主人だけ呼ばれるところなのですが

今回は、

奥さん(ワタシ)も来るように!

とのこと。

巨峰に釣られて、はーい

と息子を連れて行って参りました。  

(注) 食べ物で釣られなくても、ちゃんと伺いますので、皆様、ご安心を☆

  

 P1170701

こちらが、農業民宿「一風」

ここ3年くらい、顔を出していなかったので

なんとなく久しぶりな感じ。

10年前の竣工時と、あまり変わっていません。

それもそのはずで、

ちゃんとメンテナンスをしておられます。

P1170706

設計当初の頃からいるゲンタくん

あー まだ元気だわ~

と思ったら、今は白内障で目が良く見えないのだとか。

もう15歳くらいなのだそう。

打ち合わせの間、

息子はゲンタくんと遊んでいました。

 

P1170705

こちらは住まいの主屋(古民家)の裏側。 

御主人には

薪ストーブの煙突のメンテナンスも頼むわっ

と言われましたので

業者さんの手配をお手伝いしたりもします。

 

P1170691

主屋の玄関土間。

あぁっ

素敵なパッチワーク発見!

後で聞けば

女将さんが冬の間に製作したものだそう。

住まいに合わせて

いろいろ手作りされているのを見ると

とても嬉しい気持ちになります。

P1170694

竣工当時と、全く変わっていません。

綺麗に使ってもらっていることが

何よりも嬉しいことでもあります。

  

私達は、主屋の古民家再生と、

農家民宿の新築工事、

両方の設計をさせて頂きました。

全部で何年間、こちらのお施主さんにはお世話になったことか。

なーんて、思い出にふけってみたりします

    

民宿の内部の白壁。

P1170723

秋明菊が飾られています。

  

主屋(古民家)に対比するように洋館の雰囲気にした民宿。

しっくい「もどき」の仕上げにしてあるのですが、

10年間も民宿を経営されているのに

壁も天井も綺麗ですね!

と、褒め言葉を言ったつもりが

「客が少ないとでも言うんだろ~(笑)」

なんて、意地悪く突っ込まれたり(笑)。

   

P1170720

こちら民宿の自家製リンゴジュースと万能たれ。

万能たれは以前に頂いたことがありますが

りんごの甘みを上手く活かしたタレで

美味しかったです☆

  

P1170697

採りたてのリンゴ。

こちらのりんごは、

ジョナゴールドという品種なのだそうです。

  

久しぶりにお伺いしたので、

家の周りや、

建物の中など、

あちこち様子を見させてもらいました。

 

さて、肝心の家具については

どのくらいのサイズの家具を

いくつ必要か等の打ち合わせをし、

だいたいのご予算を伺い、

改めてご提案することにしました。

  

家具の打ち合わせもそこそこに、

夕食を一緒に

と、いうことになりまして、

御主人が牛丼(?!)を作り始め、

女将さんがタジン鍋料理など

いろいろ作って下さいました。

  

「今日は車だよねぇ」

と女将さんがおっしゃるので

すぐ ピーンと来るワタシ。

「あ、うちはお酒係は、ワタシですから

と言いましたら

女将さんったら

「じゃあ、飲もう!飲もう!」

て、ことになりまして、

うふ☆

10年前のことなど、皆で懐かしみながら

またまた昔のように(?!)

一杯いただきました

(御馳走さまでした☆)

  

実は、こちら民宿の御主人と女将さんを

モデルとしたマンガがある

とのことで、(びっくり!)

見せてもらいました!

P1170712

もう今は売ってないそうです。

  

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古民家の主屋も、リアルに描かれてました!

  

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囲炉裏の周りも忠実に描かれています。

  

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薪ストーブの間も。

そして、いつも設計で採用している

レトロなガラスシェードもちゃんと描かれてるっ!

キャー

(すみません、つい建物の描写ばかりに目がいってしまって) 

   

ここのところ、

10年という節目を感じる出来事が続きますが、

この民宿では、

当時、設計上で初めて試みた部分がいくつかあります。

  

 一つは、「メーターモジュール」

 もう一つは、「大壁」

 (大壁はごくごく一般的ですが、私達はほとんど真壁で設計をしています)

 そして、「集成材を構造材に使った金物工法」

  

この内容で設計をしたのは、後にも先にもこの民宿だけでした。

こちらの建物を施工して下さった工務店が

金物工法を推し進めていたので、

私達も採用してみたのです。

がその後、その工務店が倒産したりしまして、

結局、この工法はそう長くは続かず、

私達も自然と金物を使った工法の採用は

止めてしまいました。

    

真新しいものや、

その時代時代で、はやされることものに

興味を抱くこともありますが、

建築で大事なのは

「続くこと」

だと思っています。

特許をとった金物を使わないといけないとか、

(構造計算上)

後で、建物を改変や修理をする時期が来た時、

その部品が手に入らない場合、どうするのだ?

となります。

   

なにしろ、建物は人間よりも寿命が長いかもしれないのですから

一時的な商品を使ったり、気分や流行りで建ててはいけない

と思ってます。

入手しやすい材料で、代替が効くもので作らないと。

    

それ以来、

他方との差別化を図ったような独占的な工法や材料よりも、

より一般化された汎用の工法(技術)や材料が

やっぱりいいのだ、ということになりました。

   

そういう事を、知ってか知らずか

いえ、直感でわかるのでしょう。

この新築した民宿の建物のことを

御主人は、当初より

「もどきの家」 と言います 

全くその通りで、

主屋の古民家は 本物 で、

新築の家は、もどき と映るのです。

   

本物ってなに

って話にもなるのですが、

無垢材を使えば本物の家 みたいな

ことは私は言いたくないです。

合板を使う使わない、

とか、

自然素材を使っているから

とか、

金物を使っていないから

などというだけで、

それが 本物の家づくり

と言えるのだろうか。

それは単に材料に言及しているに過ぎないのでは?

(自問自答・・・ぶつぶつ)

  

私達が設計をするうえで

当初から心がけていることは

「不自然にならないこと」。

これはずっと変わっていません。

でも、これも突き詰めていくと

自分で説明の出来ない事も

多々ありまして、

実務と並行しながら

勉強し続けていくのだろうと

思います。

       

さてさて、ちょっと話が小難しくなってしまいました。

スミマセン。

  

民宿の御主人、

「この建物(民宿)は もどき だからな~(笑)」

「でも、塗装したら良くなったよな~」

「集成材ってわかんないしよー」

なーんて、

夕食で一杯やりながら、

また、同じことを言われちゃいました

   

笑えないような笑える話です。

  

そうそう!

こちら民宿の女将さんが

なーんとっ

農林漁家民宿お母さん100選に選ばれておりました!!!

こちら↓

http://www.kouryu.or.jp/okasan100/intro/detail/jdr02800000c92se.html

 

すごーい、女将さん、頑張ってます☆

いつまでも、やりたいことにブレがなくて

そんな姿が素敵だなと、

本当に思います!

  

御主人、女将さん双方から

「海野宿の家は、出来たの~?」

と聞かれまして

あは、あは、あは

まだです。。。

と答えながら

私達もブレずに、頑張ってます☆

  

 

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