磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原子力と文学

2008年04月23日 | 読書日記など
『原子力と文学』
   阿部知二・序/小田切秀雄・編/
     大日本雄弁会講談社1955年

音楽というものには、国境はないという……。文学も芸術というのなら、国境はないとボクは思っている……。しかし、音楽にも軍歌があったり、イデオロギーの奴隷になってしまうものもあるようだ……。

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この本は小説などの選り抜きをしている部分もある……。
ボクも素晴らしい本だと思うのもある……。
その人たちは、イデオロギーよりも人間を大切にされているとボクは思う。



■目 次■下「」引用。

・序文  阿部知二  1
・小説
 夏の花  原民喜  14
 運命の街・広島  大田洋子  31
 八月六日  阿川弘之  54
・詩歌
 『原爆詩集』抄  峠三吉  80
 『死の灰詩集』より  諸家  87
 日本女詩人会編『花宴』より  小山銀子  94
 歌集『広島』より  諸家  96
 歌集『ビキニの灰』より  横田利平  102
・記録
 『原爆に生きて』より
 I 子供らとともに  尾形静子  104
 II 生命の河  小原要治  112
 『原爆に生きて』序  山代巴他  124
・評論
 原子核エネルギイ(火) 荒正人  140
 原子力問題に対決する二十世紀芸術  花田清輝  156
 原子力問題と文学  小田切秀雄  171
・この本を編むに当って  小田切秀雄  195
・附 The Atomic Problem and Japanese Literature

「運命の街・広島」は『屍の街』からのものであるが、やはり一部分だけでなく一冊読んでいただきたいし、大田洋子を知ってもらいたいとボクは思う。

「原子力問題に対決する二十世紀芸術」花田清輝・著。
--「ものたりない『魔の遺産』」と阿川弘之の作品を取上げている。
--その説明としているのが、どうも文学というよりも政治的なもののように思える。下「」引用。

「A・B・C・Cのもっているような没価値性ではあるまいか。阿川とは反対に、わたしなどは、そういうアメリカの調査機関に治療を期待する日本人の非常識と奴隷根性のほうに反撥を感じないわけではない」

--この批判は阿川より、むしろ被爆者を愚弄しているようにボクには思える……。
人道の国、民主主義の国というのなら、原爆投下をした国が治療してくれて当たり前なのではないか?


そして、「原子力問題と文学」では、永井隆のことについて書いている。下「」引用。

「永井隆の『長崎の鐘』というたぐいのいかがわしい著作が虚名を博したばかりである。この文学的に貧弱な長崎の状態はいまなお変わっておらず、原爆被害の規模が広島よりやや小さかったことや人民勢力の弱さなどからこうしたことになったのであろうが、残念なことである。」

被害の規模が小さかったことが、残念なこと?
--ナガサキも、もう限界をこえていたとしかボクには思えないが……。

そして、「いかがわしい」などと書いているが、その部分の説明は書かれていなかった。









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