磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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科学 2011-7

2011年12月03日 | 読書日記など
『科学 2011-7』
   田中太郎・編/岩波書店2011年

特集名 原発のなくし方



見えているのに見てこなかった人たち。鷲田清一(大阪大学総長)。下「」引用。

「見えているのに見てこなかった人たちがそれよりもはるかに多くいる。そう、わたしたち原子力工学にいつての「素人」である。たとえば、高木仁三郎らによる原発推進への不屈の警告。少し言論に再三再四ふれえたはずだった。あるいは、チェルノブイリでの爆発のとき、東海村での臨界事故のとき。事態の何が問題かについて専門家の意見にもう少し持続的に耳を傾けていたら事態はもう少し違ったはずなのに、それを問いただすことなく、より「豊かな」電力供給の恩恵に浴することを選んだわたしたち……。
 見えないことが多すぎるだけでなく、見えているのにだれも見ていないことがあることを、それこそ有無を言わせず見せつけのが、今回の事故だったとおもう。」

でも、あなたたちはどうなのですか?
原子力ファシズムという正体をみないで、科学者がまっとうな働きができるとしたら、ナチス・ドイツの下の科学者も楽だったことでしょうね……。

コスタリカの美しい自然の写真に目を奪われて、ページをめくると福島の汚染地図……。対照的すぎて、ドンゾコの気分に……。平和主義に生きる国と、核(原発)保有国、そして核武装論者の政治家がいっぱいいる平和憲法の下の国家?……。

「老朽化する原発--特に圧力容器の照射脆化について」井野博満(東大名誉教授(金属材料学))。下「」引用。

「原発の寿命は、何年と想定して設計されてきたのであろうか。今となって、もともと寿命は決めていなかったなどと事業者や経産省のお役人は言っているが、PWRでは30年、BWRでは40年の寿命を想定して圧力容器の設計がされている。-略-
 どのような設備や機械であっても、古くなれば故障やトラブルが増え、メンテナンスが大変になってくる。そのためのコストや労力もふえてくる。原発も例外ではない。いや、原発はいろいろと無理をして設計した「高度な」技術であるから、傷みがはやくやってくると考えるのが普通である。」

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「住民の安全・安心を守るための議論の場とは--柏崎刈羽原発の議論の経験から考える」黒田光太郎(名城大学)。
--議論で科学の法則を変更できるわけがない。

「フクシマがドイツを変えた」今泉みね子(環境ジャーナリスト)。
問題は送電線ではなく中央集権的構造。下「」引用。

「-略-現在のような少数の大電力企業による中央集権的な電力供給構造から、多数のさまざまな供給者による地域分散化した電力供給への転換が不可欠であることを著書『ソーラー地球経済』でも詳細に解説し、訴えていた。いまだに中央集権的な供給構造を続けようとするから、エネルギー転換にはコストが膨大にかかると言われるのだ。」

「投資は報われる」 下「」引用。

「このように、原発からの早期脱却・再生可能エネルギーへの転換は当初はコストがかかっても、他方で雇用促進、新しい産業部門の発展といったポジティブな効果をもたらすと予想される。」

放射性セシウム汚染と子どもの被ばく」崎山比早子(医学博士、元放射線医学総合研究所主任研究医官)。下「」引用。

「セシウムに汚染された地域に居住すると、外部被ばくのみならず内部被ばくも、土地の汚染に応じて高くなる。しかも、その体内分布は、(福島第一原発事故による食物汚染が拡がり出した頃、専門家が語ったのとは異なり)単に筋肉にとどまっているのではなく、甲状腺、心臓をはじめ、副腎、膵臓、胸腺、脾臓など内分泌腺や免疫を担う臓器にも蓄積する。さらに、その重量あたりの蓄積量は子どものほうが2倍から3倍になるのである。子どもの放射線に対する感受性が大人の3倍から10倍にもなることを考えると、子どもに対する損傷がいかに大きいか想像がつく。これらの報告を総合して判断するならば、妊婦、乳幼児、児童はできるだけ早く避難させるように政府や行政は手を尽くすべきである。チェルノブイリ事故調査を長年行ってきた専門家(*山下俊一)が、福島に行って、国が決めたのだから20mSvまで我慢せよと住民を説得していたニュースを見たが、彼は何のために調査をしたのだろうか?」

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原発震災--破滅を避けるために」石橋克彦。
「原発震災を回避するために」 下「」引用。

「全国の原発について、原発震災のポテンシャルが総体的に高い原子炉から順次廃炉にし、日本全体の原発震災の確率を段階的に下げていくというような道筋を、真剣に考えなければならない。」










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