あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 279 聖母子の聖戦!無宗教者から教えられる オカネスキーは、いい言葉だと思った。 茜が帰ってくると、さっそく話した。 >もし、大使徒ペテロがそこにいたらいうだろう。 >「私はイエスを守ろうとして、剣をつかった……」 >それこそ、聖戦ではないか! >そのことを忘れている愚民ども……。 >イエスは大使徒でさえも、いさめて、傷つけた者の傷をその場でなおした……。 >傷の痛みをしる、愛の神は、戦争など望まないのである。 「気合いが入ってないわね! 聖戦は十字架にかかることでしょう」 「十字架でござるか?」 「そうよ、何を考えているのよ。イエスの聖なる闘いは、十字架について、神の子の証をすることでしょう。そして、その殺されていくのを聖母マリアは苦しんでみるんでしょう」 「そうでござった……。拙者、すっかり忘れていたでござるよ」 気合いが入って、ござるが出てござる。 「戦争なんかしないのよ。それでも殺されていくのよ。それをじっと、聖母マリアは見ていたっていうじゃない?」 「それだけではござらぬ、十字架についたイエスは聖母に語りかけたでござる。“母よ、これがあなたの子です”」 「それは勇気ある言葉ね、そして母を信じている言葉でもあると思うわよ」 「そして、十字架についてイエスは死ぬでござる。しかし、三日後によみがえるでござるね」 「そうよ、イエスを信じる人たちも、天国で親子がめぐりあえるのよ。でも、口でいくら信じるっていっても、イエスの教えを守らなかった者は、そうではないかもしれないんでしょう……」 「そうでござる……。無宗教の御仁に教えていただいたでござるよ」 「でも、日本のことなら、教えてもらっているわよ」 「そうでござったなあ」 「アメリカのクリスチャンも、聖母マリアの価値をわかればいいけど、軍国の母が多そうね……。カトリックは聖母マリアを重んじるけど、プロテスタントでは重んじないというから……」 「こちらの世界では、軍国の父でござるね」 「イエスじゃなく、ローマ皇帝を信じているクリスチャンみたいよね。それに、この世界では聖父ヨハネでござったわね……」 茜はオカネスキーの口まねをして明るく笑った。
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