磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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決断できる日本へ-3・11後の政治経済学-

2012年08月22日 | 読書日記など
『決断できる日本へ-3・11後の政治経済学-』
   中尾茂夫・著/七つ森書館2012年

にかわ反原発のメディアではない出版社の本といっていいかと思います。
まともな民主主義のメディアは反戦でしょうね。民主主義の概念から、好戦性を見出すことはできませんから……。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「問題は、3・11にあるのではない。3・11という未曽有の災害に見舞われながらも、それに対処できない日本という国の仕組みや、そうしたシステムを支えるわれわれ日本人のメンタリティ(「変われない日本」「決断できない日本」という掛け声にも通じる)にあるのではないか。(「はじめに」より)」

空々しい。下「」引用。

「今となってみれば、「ミサイル攻撃にも耐える原発」という台詞は空々しい。」

スイスとGE設計者。下「」引用。

「スイスの原子力当局は、福島では、「想定外の事態は何一つ起きていない」(産経ニュース、2011年6月19日)と断言した。あるいは、メルトダウンに至る福島原発事故の様子を分析したアメリカの原子力研究者も、「すべてが理論的な想定通りに推移している」と言い切った。福島原発と同タイプの原子炉(マークI型)を設計したGEの当時の技術者にしても、マークI型は格納容器が小さく、そもそも当初の安全設計自体の不備があったことを認めた」

【日本政府】一企業の責任とした態度……。下「」引用。

「事故処理を東電に丸投げしたまま、まるで一企業の問題という態度に終始する日本政府への不信があっためだと記している。」

駐米大使への注文。下「」引用。

「この話には、もう一つのオチがある。右記メアによれば、事故直後、東電側が独自に米軍と接触し、真水を米軍ヘリで輸送してくれるように打診していたという。したがって、原子炉がメルトダウンを起こしているのではないかと訝ったアメリカ政府は、藤崎一郎駐米大使を米国務省に呼び出し、「日本政府は総力を挙げて原発事故に対処するように」と異例の注文を付けていたという。事故処理を東電に丸投げしたまま、まるで一企業の問題という態度に終始する日本政府への不信があったためだと記している(「私は見た! 何も決められない日本の中枢」『週刊現代』2011年9月11日)。」

米大統領に通報! 下「」引用。

「チェルノブイリ事故を上回る福島第一原発事故の過酷事故という危機の最中にあて、米大統領に電話報告する日本の首相は、なぜ、その「成果(?)」について日本国民に、何の説明もしなかったのか、さらに、東電は、日本政府を素通りにして、なぜ米軍筋に直接の救援ーを求めたか、疑問は解けない。
 東電は、原発で作った電気を送電する仕事はできても、原子炉の中身には素人だった。だからこそ、過酷事故の復旧作業は、あまりにもリスクが高く、東電の手に負えないと判断し、さらには日頃の言動からも官邸も信頼できないと判断し、米軍に救援を求めるという行動に出たのではないだろうか。何よりも、この推移の意味するものは、日本政府の悲しいほどの機能不全ぶりと、大手メディアのへ「政府広報性」が露呈されたということである。」

硫黄島の玉砕兵士も、原発労働者も……。下「」引用。

「硫黄島の玉砕兵士も、フクシマでの原発労働者も、共同体という美名の下に犠牲になったという点では共通する。犠牲を強いる側と、犠牲を強いられる側は、その社会的意味合いにおいて決定的に異なる。そうした社会的な、政治経済的な文脈を一切抜きにして、勝手に誰でも鎮魂を行なえるというものではあるまい。
 死者に哀悼や鎮魂を唱えながら、その背後には、それを生存者に都合のいいように操作する意図が隠されてはいないか。それこそ、死者への何よりの冒涜ではないか。共同体への感情的同一性という問題に気付かなければならない。そこに、著者が酒井の主張に同意する所以である。「みんなで頑張ろう」という台詞が仕掛けるトリックに合意できない所以もここにある。「みんな」という言い方で、責任者と犠牲者との相違を曖昧にすることは許されないからである。」

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愚かな作家=林芙美子。下「」引用。

「1937年当時、流行作家だった林芙美子が、従軍によって南京市に入りながらも、虐殺の事実はまったく知らないまま従軍記を描いてしまった過去が思い出される。戦時期の日本社会を覆っていた、事実を見つめず、偏狭でナショナリスティックな大本営発表に覆われた気分と近しい空気が、今の日本にあるのではないかと危惧せざるをえない。1937年に林芙美子の残した問題はり、その75年後の2012年に、今度は政治家による発言として再現するのである。問題の根底は共通する。」

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今でいえば、原発文化人かな?

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自殺未遂を含めれば……。下「」引用。

「1995年1月の阪神・淡路大震災の犠牲者は約6000人だった。その5倍を超す人びとは毎年、自殺に追い込まれていることになる。しかも、自殺未遂者を含めれば、その10倍が自殺を試みたという悲しい数字もある。」

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