アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 144神聖と不純 でも、あいつは、 「ここはフランスじゃない。蛾って毒々しいんだよ! そんなこともわからないのかい!」 「そう、蛾って、小一郎みたいなものなのね。蝶々のようには、華やかではないものね」 「どっちが? フフフ……」 「どっちがって、決まっているわよ。フフフ……」 二人は笑いあっていたわ。 どっちも、どっちかもしれないわ。 神聖なボランティアを、不純な動機で行うあいつ! 馬鹿じゃないの? ……。 でも、老人たちは言っていたわね。 神聖だと思っている人たちって神経を使って疲れるって。 馬鹿な小一郎がいいって言ってたわね! 世の中って、本当、思いのままに行かないものなのね。 真面目な人たちが、そんなふうに思われて、小一郎のように不純な人間がいい人だって! でも、神聖なんて、神様とかにあれば、いいことで、いっしょに暮らしていく人にそんなものは必要じゃないかもしれないわね。 恋人もそうかも、神聖でまじめって……。 今の時代はかえって、胡散臭いものなのかもしれないわね。 なぜ、神聖でいなけれは、ならないのか? わからないわ。 そんなこと。わたしたちって、神聖からほど遠い存在になっているのよ。
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