アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 143小野幸代 結婚式に小野幸代を誘ったのだけど、知り合いでもないのに、参加できないと言っていたわ。 結婚式の会費まで出してもらって、楽しんでらっしゃいなんて、あの人、七〇歳の人によく言えるわね! 見事な人格だと思わない? あまり、わたしにはピンとこないことなのよ。 でも、結婚式に参加するのは楽しいことよ。 華やかなわたしには、華やかな場所がよく似合うのよ! いやなことを思い出したわ! 「華やかな場所がよく似合う? よく言うもんだ。蛾っていうのは、夜行性で、電灯に集まるんだよな!」 そう、こんなことをいうのは、あのお馬鹿さんの小一郎よ。 何よ、えらそうに! あいつ、ボランティアなんて、えらそうにしているかと思ったら、宿題は教えてもらえるし、無料の食事ももらえるし、そのうえ若いかわいい寮母さんもいる。 何よ! それって、まるで、遊びじゃない! 不純! 不純よ! それに、この就職難の時代に、もう小一郎は就職活動までかねてボランティアをしているのよ。 『一頭おうものは一羽も終えず』なんて、諺があるけど、あいつったら、一石二鳥どころか! 一石何鳥になるのかしら、本当、あきれたものよ! 「それに、フランスでは蝶々も蛾も差別しないのよ!」 あのときも、わたしはそう言ってやったわ!
人気blogランキングへ ありがとうございます。 |
最新の画像[もっと見る]
- いい音ってなんだろう-あるピアノ調律師、出会いと体験の人生- 12年前
- 音楽演奏の社会史-よみがえる過去の音楽- 12年前
- AERA ’12.7.16 12年前
- 週刊現代 2012-8-11 12年前
- AERA ’12.7.9 12年前
- 必ず来る!大震災を生き抜くための食事学-3・11東日本大震災あのとき、ほんとうに食べたかったもの- 12年前
- 僕のお父さんは東電の社員です-小中学生たちの白熱議論!3・11と働くことの意味- 12年前
- 日本の原爆-その開発と挫折の道程- 12年前
- エコノミスト-週刊エコノミスト- 2012-3/13 12年前
- エコノミスト-週刊エコノミスト- 2012-3/6 12年前