磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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世界 2011-9

2011年11月11日 | 読書日記など
『世界 2011-9』
    岡本厚・編/岩波書店2011年

特集名 放射能汚染時代
--核実験のときから、もうとっくに入っていますね……。



【上関原発】反原発活動を圧した裁判所の決定5百万円。下「」引用。

「彼女は被爆二世だった。放射能を垂れ流しにする原発は許せない。
 工事を妨害したら五○○万円を支払えという裁判所の決定が私の意識のどこかで圧力となっていたが、あくまでも非暴力無抵抗の座り込みを貫く決意でいた。私たちの周りは数百人の警備員が取り囲んでいた。」

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「危機回避行動」と「パニック」……。下「」引用。

「しかし、成田や羽田に殺到した外国人の行動を、「群衆の混乱」としてのパニックと決めつけることはできない。なぜなら、原発事故が発生した場合、最も有効な対処法はす、できるだけ速やかに、そして少しでも遠くへ避難することだからだ。すなわち、外国人の一連の行動は当然の「危機回避行動」であり「パニック」ではない。」

【災害ナショナリズム】排外主義。下「」引用。

「これらの現象を、はたして「日本人」、「外国人」の枠組みで語れるのだろうか。私は「日本人」、「外国人」という枠組みが生み出す、新たな排外主義、災害ナショナリズムを憂慮する。すでに、「被災地で外国人が窃盗や強盗、強姦を働いている」という流言飛語が、ネット上を飛び交った。」

「フクシマがあぶり出す私たちの未来」ジャン-ピエール・デュピュイ。下「」引用。

「フランスは世界で唯一、半分以上、優に七八%の電力を原子力で賄っています。来年五月には大統領選挙がありますが、ストロース=カーンはスキャンダルで脱落し、左派ではセゴレーヌ・ロワイヤルがマルチーヌ・オーブリ、右派ではたぶんサルコジが候補になるでしょう。でも、どちらの陣営にも原発維持派と全廃派の対立があります。
 だから私はすぐに、フクシマの事故はきわめて重大で、世界規模で原子力産業の行方に大きな帰結をもたらすだろうと感じていました。」

双葉町町長となり、一転、賛成派となった岩本忠夫の死亡。下「」引用。

「「福島市内に避難」の記述が傷ましい。死者を鞭打つことはしたくないのだが、岩本さんの最期を悲劇的なものにした原発の魔性、について考えているのだ。-略-
 原発事故をおこした福島第一原発も、そこからすこし離れた第二原発も、岩本さんが誘致したわけではない。だから、いわば「戦争責任」はないといえる。しかし、原発の危険性に気づいていながら、それを押しすすめてきた道義的な責任はある、と思う。それは原発の安全性を信じる、といって誘致した各地の主張の責任よりは軽い。とはいえ、住民の生活と健康を守る手立てを尽くさなかった責任は、免れない。-略-原発事故の重大化にともなって、病気が進行したと想像できるが、元町長としての心労もあったであろう。事故が死の引き金を引いたなら、「原発に殺された」ということにもなる。」

「浪江小高原発を阻んだ農民」 下「」引用。

「隣の浪江町に住んでいた枡倉隆さんである。第一原発の事故によって、東北電力が計画していた、浪江・小高原発はほぼ破綻したが、それは枡倉さんの拒絶に阻まれた、といっていい。
 この地域でいちはやく、反対運動に立ち上がった枡倉さんは、頑固な農民で、「原発関係者立ち入り禁止」の札を自分の玄関先に掲げたばかりか、各戸に配って歩いた。四○年以上も前の話である。
 つまり、東北電力は、四きちの原発建設を計画していたが、四○年たっても浪江町棚塩地区の農民を攻略できず、建設用地を確保できなかった。枡倉さんたち農民は拒絶し、原発は建設されなかった。が、隣町の原発事故によろって、東京・調布市など各地に散って、避難生活を余儀なくされている。不合理である。-略-」

舛倉隆と表記する文献もありますね……。

「インタビュー 放射能との共存時代を前向きに生きる」肥田舜太朗 聞き手=守田敏也。下「」引用。

政府や専門家は知らない。「あと政府や専門家がテレビで言っていることはほとんどがウソです。彼らは一人も被爆者を診ていないし、日本にはまだ被爆者のことを詳しく書いた本もない。彼らが話していることはアメリカが言ったことの受け売りで、ウソばかりだから信じてはダメです」

原爆病院は信用できない。下「」引用。

「肥田 まったく信用できません。もともと日赤病院なのですね。政府の予算でやっているのではなく日赤に丸投げして、かかった費用を政府が補填している。日赤には固定の医師がいるわけではなしに、大学から三年ごとにパートで派遣されてくる。」

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【長崎大学】の七條和子。下「」引用。

「広島・長崎の原爆医療研究所、とくに長崎は、敬服する研究しています。なかでも長崎大学の七條和子さんが被ばく後に入院して亡くなった方の臓物を丁寧に調べられた。これは広島・長崎大学で解剖したものですが、全部、アメリカ画取り上げてしまった。大事なものだから一つ一つのビンに臓物を入れて、名前を書いて送ったのですが、何年か経って返してもらった時には、一つのビンの中に五、六人分が混ざって入れてあった。
 ところがそれを受け取った七條さんが、この中で当時のプルトニウムがまだ活動しているかもしれないと考えて調べあげ、一つの腎臓から放射線が出ているところを撮影に成功したのです。-略-二○○九年六月二六日にNHKが報道し、続いて大新聞が書きました。しかしそれっきり報道が途絶えてしまった。僕らはみんな、ああ、これはアメリカの手が入ったなと思いましたね。アメリカはこれが世界中に明らかになったら困るのです。内部被曝などあり得ないと言ってきたことが全くウソだという学術的証明だからでする」

原爆の「死の灰」が今も体内で放射線を出し内部被曝の原因に 長崎大学七條和子助教授らの研究グループが世界で初めて確認

目 次

「インタビュー 専門家としての良心をもってデータを公開しなければならない」木村真三。下「」引用。

「そこから大熊町に入って双葉町に抜けたのですが、大熊町に入るのに二つのトンネルを抜けたら、雪国ではなく放射線汚染地域が出現しました。私が待っていたのは二○μSv/hまで測れるデジタルの線量計ですが、いきなり数値が上がって振り切れてしまって、さらに緊張が高まりました。そこが大体一○km地点で、もう世界が違うのです。それまでは高いと言っても線量計で数値が読めたけれど、振り切れた途端にどれほど高いのかわからない、測れない世界に入ってしまった。-略-」

「フクシマ・クライシス 日本は本物のパラダイム・シフトの最先端に立てるのか」マイケル・シュナイダー。下「」引用。

原子力のたそがれ--米・仏・独のエネルギー政策分析から浮かび上がる再生可能エネルギーの優位性

にわか作りの「ストレステスト」 下「」引用。

「菅首相は、これらの評価を「ストレス・テスト」と呼んだ。これは、フクシマ後に欧州委員会と規制当局が、ヨーロッパの原子力施設に対して要請したにわか作りの安全性分析方法を説明するために金融部門から借りた表現だ。だが、原子力安全・保安院は、日本政府が発表した「ストレス・テスト」がどのような試験を意味するのか知らなかった。」

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「3・11は世界の原子力産業の退潮を促進する」

メルケル首相「もはやこまれで」2011年3月11日。

「アメリカでも3・11後にテキサス州の原発計画が中止になった。」

班目春樹のNHKの放送での発言。「三月一一日以降のことが全部取り消せるんだったら、私は何を捨てても構いません」
--良心や責任感はとっくに捨てておられるようですね……。

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「脱原発依存」と迎合マスコミ。下「」引用。

「こうしたときに政治部記者がしたり顔で永田町の風評を語る。論旨はこうだ。菅首相が「脱原発依存」言い出したのは、世論の七○%が「脱原発依存」と言い出したのは、世論の七○%が「脱原発」だから、それに迎合しただけ。もしもこの記者が七○%の側にいたら「迎合した」とは言わず、「民意を反映した」とでも言ったのではないか。加えて、経団連は「原発を止めるなら国外に拠点を移す」と凄んでみせた。脱原発のデモに襲いかかる民族派がいるかと思えば、脱原発なら国を捨てるとすねる企業人がいる。メディアはそれを無批判にリピートするだけ。」

「減原発」「縮原発」 下「」引用。

「他には、玄葉光一郎国家戦略担当相の「減原発」。経済同友会の「縮原発」(七月六日、日経経済面)などがある。」

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読売、日経、産経新聞。下「」引用。

「読売新聞は七月初旬に『節電列島』という三回の続き物を掲載した。三回目(下)の見出しは、右記の産経や日経と同じように「生産 海外移転の動き」とあった。-略-」

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