『ドクター・ハマー 私はなぜ米ソ首脳を動かすのか』
アーマンド・ハマー(著)/
広瀬隆(訳)/ダイヤモンド社s62年、s62年5版
アーマンド・ハマーの自伝ですね。
何がドクターやねん!? と、医学部・卒といっても、
ビジネスマンなのに……。
関西でなら、つっこみが入ると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/c9/7c7070b0836e6653fdf28c3f8de272d6.jpg)
まあ、ドクター・ハマーがどんな人物かも知りませんし、お世話になったこともありません。
この悪名を知ったのは、広瀬隆の本によってです。
それで、この本を手にしたのですが、自伝とあって彼の都合のいいように展開していくのであきてれていました。
「あんたが大将!」という武田鉄矢が歌っていた曲が頭の中をよぎりましたね。
で、分厚い本の最後に広瀬隆(訳者)の文章がありました。
このハマーという人物はチェルノブイリのときに登場する人物です。そのことをかかれてありました。下「」引用。
「さてここまでハマーの世界が分かってくると、最大の疑問に行き当たる。昨年四月二十六日、ハマー家の郷里ウクライナにあるチェルノブイリの“レーニン原子力発電所”で、史上最悪の爆発事故が発生した。現在でもソ連の惨状は目を覆うばかりで、ウクライナの穀物壊滅と金四百トンの放出によって、ソ連経済はきわめて苦しい断崖に立たされている。
しかしソ連は、表向きはチェルノブイリの被害が終ったという印象を全世界に与えることに成功して今日まで至っている。それを演出した人物は誰だったか。ロバート・ゲイル博士を連れてモスクワに乗り込み、チェルノブイリの被害者たちに骨髄移植の手術をおこなわせたのがハマーである。それまでソ連の惨状を正確に伝えていたホワイトハウスのスピークス報道官たちが、それ以後沈黙を保ち、全世界がチェルノブイリの真相を知ることができなくなった。」
ジキル博士のハイドを探せ
まさに、このことを知りたかったと思って、この本を手にしたのです。しかし、チェルノブイリのことは何も書いてなかったです。それだけでなく、都合の悪いことは書かれてないようです。下「」引用。「オクシデンタル石油が八番目のシスターとメジャー石油会社に成長してゆく過程で、フッカー・ケミカル社を買収し、そこでナイアガラの滝近くの化学汚染公害問題にぶつかる記述がある〔472〕。ハマーはこう語っている。
「企業は公衆の健康と安全を保障する責任がある、というのが私たちの信念である」
一九七九年にアメリカが出版されたジャーナリストのマイケル・ブラウンが書いた“Laying Wasle”(邦訳『荒れる大地』綿貫礼子・河村宏訳、筑摩書房』には、全米を揺るがしたこのラブ・カナル事件の全貌が登場する。一帯では先天異常と流産が相次ぎ、わが国の水俣病のような状況を呈した。残念ながら邦訳ではカットされているが、原書増補版(私の手許にあるのは一九八一年版)には次のような記述がある。
一九八○年五月二十一日、ハマー八十二歳のオクシデンタル本社の年次総会が開かれていたが、株主のなかから汚染対策を講ずるような発言が出たとき、ハマーは不快な顔を見せ、その言葉を遮って、「家に帰れ」と言ったのである。しかも総会の主催者がマイクのスイッチを切ってしまったのである。」
このようなハマーという人物はどのようなことを考えているか、知るのに役立つと思います。
読んで楽しいものではありません。意味深いのは訳者である広瀬隆さんの文章でした。
荒れる大地 死をよぶ有毒廃棄物
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目 次
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アーマンド・ハマー(著)/
広瀬隆(訳)/ダイヤモンド社s62年、s62年5版
アーマンド・ハマーの自伝ですね。
何がドクターやねん!? と、医学部・卒といっても、
ビジネスマンなのに……。
関西でなら、つっこみが入ると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/c9/7c7070b0836e6653fdf28c3f8de272d6.jpg)
まあ、ドクター・ハマーがどんな人物かも知りませんし、お世話になったこともありません。
この悪名を知ったのは、広瀬隆の本によってです。
それで、この本を手にしたのですが、自伝とあって彼の都合のいいように展開していくのであきてれていました。
「あんたが大将!」という武田鉄矢が歌っていた曲が頭の中をよぎりましたね。
で、分厚い本の最後に広瀬隆(訳者)の文章がありました。
このハマーという人物はチェルノブイリのときに登場する人物です。そのことをかかれてありました。下「」引用。
「さてここまでハマーの世界が分かってくると、最大の疑問に行き当たる。昨年四月二十六日、ハマー家の郷里ウクライナにあるチェルノブイリの“レーニン原子力発電所”で、史上最悪の爆発事故が発生した。現在でもソ連の惨状は目を覆うばかりで、ウクライナの穀物壊滅と金四百トンの放出によって、ソ連経済はきわめて苦しい断崖に立たされている。
しかしソ連は、表向きはチェルノブイリの被害が終ったという印象を全世界に与えることに成功して今日まで至っている。それを演出した人物は誰だったか。ロバート・ゲイル博士を連れてモスクワに乗り込み、チェルノブイリの被害者たちに骨髄移植の手術をおこなわせたのがハマーである。それまでソ連の惨状を正確に伝えていたホワイトハウスのスピークス報道官たちが、それ以後沈黙を保ち、全世界がチェルノブイリの真相を知ることができなくなった。」
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まさに、このことを知りたかったと思って、この本を手にしたのです。しかし、チェルノブイリのことは何も書いてなかったです。それだけでなく、都合の悪いことは書かれてないようです。下「」引用。「オクシデンタル石油が八番目のシスターとメジャー石油会社に成長してゆく過程で、フッカー・ケミカル社を買収し、そこでナイアガラの滝近くの化学汚染公害問題にぶつかる記述がある〔472〕。ハマーはこう語っている。
「企業は公衆の健康と安全を保障する責任がある、というのが私たちの信念である」
一九七九年にアメリカが出版されたジャーナリストのマイケル・ブラウンが書いた“Laying Wasle”(邦訳『荒れる大地』綿貫礼子・河村宏訳、筑摩書房』には、全米を揺るがしたこのラブ・カナル事件の全貌が登場する。一帯では先天異常と流産が相次ぎ、わが国の水俣病のような状況を呈した。残念ながら邦訳ではカットされているが、原書増補版(私の手許にあるのは一九八一年版)には次のような記述がある。
一九八○年五月二十一日、ハマー八十二歳のオクシデンタル本社の年次総会が開かれていたが、株主のなかから汚染対策を講ずるような発言が出たとき、ハマーは不快な顔を見せ、その言葉を遮って、「家に帰れ」と言ったのである。しかも総会の主催者がマイクのスイッチを切ってしまったのである。」
このようなハマーという人物はどのようなことを考えているか、知るのに役立つと思います。
読んで楽しいものではありません。意味深いのは訳者である広瀬隆さんの文章でした。
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